こんにちは、吉田繁治です。台風は、盛夏の赤道の海で、海面温度が
上昇し、温まった上昇気流(低気圧)が生まれることから起こります。
2006年から、金利は上げ基調に向かっているとは言え、世界の株価は
07年7月はほぼ史上最高値でした。株も企業収益も、絶好に思われてい
ました。市場は南海の空のように晴れ、天空は突き抜ける群青だった。
灰色の雲は、サブプライムローンでした。
米国の住宅ローン問題は、欧米の資金市場で信用危機を起こし、10日
間で、世界の株の暴落のため、300兆円〜500兆円が失われる事態に発
展しました。
今、世界の金融とファンドは、台風に合ったように混乱しています。
8.09ショックは、上昇気流ではなく、ローン証券の下降気流から、で
した。株価や為替相場も、気候と同じ複雑系です。方程式にするには、
多すぎる要因が絡みます。
◎重要な点は、どの要因を、だれが、どう重視するかという認識が、
その都度、変わることです。そのため、線的な動きにはならない。
今市場には、大別すれば、2つの認識が交錯しています。事実への解
釈と、将来への希望が異なるためです。
(1)多数派:
【予想】
8.09の流動性ショックの余波は、各国中央銀行、特に米国FRBのマ
ネー供給(=債券買い)と利下げ誘導の効果によって、早ければ9月、
遅くとも10月には終わる。
【事実】
世界の金融市場には、高い利回りを求める流動性(ファンド、証券会
社、金融機関、個人)が、あふれている。
【予想】
低リスク債券(国債や格付けの高い社債)を買う動きが起こり、それ
が世界の金利を下げるという過程を経て、自信を回復し、再び株価上
昇へ向かう。
(2)少数派:
【予想】中央銀行のマネー注入は、当面の、市場心理を落ち着かせる
ことにしかならない。2月末の上海市場の下落からの同時株安も、震源
は、サブプライムローンの延滞率上昇だった。ファンドが絡んだ債券
への価値不安の根は深い。
【事実】
金融市場には、高い利回りを求める流動性(ファンド、証券会社、金
融機関、個人)があふれているが、リスク資産を手放す方向へ向かう。
【予想】株価は長期低落傾向を示し、世界的なバブル崩壊へ向かう。
これは、どちらが、動かすマネー量で大勢を占めるかで、決まります。
8月17日にお送りした250号に続き、米国住宅ローン担保証券の価値下
落を引き金とする「信用収縮:Credit Crunch」についての論考、第2
部をお届けします。
本稿の目的は、起こった事実を伝えることではない。
事実の源と意味を解釈し、データと論理を使い、予測をすることです。
「後知恵」で「こうしたことは、わかっていた。」という論が大量に
登場します。歴史の時間軸を、逆に見る。しかしこの方法は、ない。
地震が起こった後、解釈するようなものです。
人は、永遠の現在を生きています。未来は、常に、不確定です。定ま
ることのない未来の予測では、構造と各要素の性質、及び人の認識転
換からの論理展開しかない。
(注)包括的に述べたため、23ページと長いので、重要なところには
◎を記しています。
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<Vol.251:緊急特集:サブプライム・ローン問題から露呈した
8.09信用危機(2)>
2007年8月21日号
【目次】
1.現実は、相場の転換点では、予測の外へ行く
2.返済と利払いができないことが確定していたのがサブプライムロ
ーンだった
3.2007年から返済と利払いが不可能になるものが増える
4.住宅ローン担保証券の全体の信用問題に波及
5.誰が持っているか分からないため疑心暗鬼が生じた
6.低金利のためリスク率を小さく見る
7.2000年代を振り返れば・・・(回顧です)
8.証券化が生む意識の錯覚
9.2000年代のマネーの過剰はどこから生じたか
10.巨額化した世界のファンドのデータを拾えば
11.中央銀行のマネー注入策の有効性
12.FRBのマネー供給には限界がある
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■1.現実は、相場の転換点では、予測の外へ行く
日経新聞の「円・日経平均ダービー」(07.08.19)を見ると、興味深
いデータ出ています。7月末に締め切られた、8月末の円と株価の予測
です。1ヶ月先の予測を競うアンケートです。
円は、1ドル117円〜123円の予測幅でした。7月末では119円でした。円
安を予測する人が多かった。
◎実際は、大きくはずれ112円70銭(8.17)の急激な円高です。これを
予測した人は、応募者932人のうち0人です。これが、予想ということ
の現実でしょう。
日経平均株価では、18,200円〜17,400円の予測範囲でした。投稿され
た7月末の日経平均は、17,248円と高かった。上げを予想する人が多か
った。
【予想は外れる】ところが、8月17日では、15,273円と暴落です。932
人のうちこの株価水準を予測した人は0人です。誰も予測しないこと
が起こった。人々が蒙った損失は、相当な額でしょう。
日本株(東証一部)の時価総額は、575兆円から、現在(8月18日)は
480兆円です。
1週間で17%も暴落し、95兆円(国民1人当たり73万円)の金融資産の
含みが失われています。レバレッジを使う外為取引(FX)では、急
激な円高のため、破産した人も多いかもしれません。
<予想外の経済ショックは、突然、起こる>
■2.返済と利払いができないことが確定していたのがサブプライム
ローンだった
「返済と利払いができないことが確定していたのが、米国のサブプラ
イムローンだった」と言えば、それは、後知恵と感じる人も多いでし
ょう。
以下のデータと解釈を、読んでください。米国の住宅価格の下落の事
実を解釈すれば、後知恵ではなく、確定していた。
(注)しかし、これが、「世界の金融ショック」にまで発展するとは、
予測できませんでした。
サブプライム・ローンの債権を組み込んだ証券は、信用は低いとは認
識されていました。今の残高は、$1兆3000億(約150兆円)です。急
に増えたのは、2004年、2005年ころからです。
【625万世帯】
◎全米の住宅ローンの残高の約10%です。これを625万世帯が借りてい
る。人口で2000万人。世帯平均で2400万円のサブプライムローンの残
高になります。
借りた世帯は平均的価格である3000万円くらいの住宅を買っていると
見ていい。
最初の2年、3年は、ローン金利が4%〜5%と低い。2400万円の借り入
れで、年間96万円〜144万円の利払いです。
【最初の2、3年】月当り8万円〜12万円ですから、月収40万円の世帯な
ら、生活は苦しくなりますが、払える金利でしょう。
■3.2007年から返済と利払いが不可能になるものが増える
ところがサブプライムローンは、金利がその後、10%〜15%に上がる。
◎利払いが1年240万円〜360万円(月間20万円〜30万円)に増えます。
当然、元本返済もある。平均的な世帯所得では無理な、高い金利のロ
ーンです。これが、今年から始まる世帯が多い。
2007年、2008年が、契約金利が上がる時期です。
◎2008年末までに、契約金利が上がるローン残高は、8200億ドル(94
兆円)です。
◎【結論】まだ、サブプライムローンの延滞率は15%くらいと低い。
これは、過去です。今後、2007年、2008年と延滞が急増することは確
実です。
◎住宅価格の下落と重なって、延滞は、サブプライムの50%(今の約
4倍)を超える可能性が高い。住宅価格が20%も下げれば、全部が延
滞になるかもしれません。
【3年遅れた希望】
金利が上がるサブプライムローンを借りた世帯の希望は、住宅の値上
りでした。住宅価格が上がれば普通の、金利が6%レベルのプライムロ
ーン(優遇ローン)に借り替えることができる仕組みだからです。
希望を托すのが約3年遅れていたと言えます。
【追われる】
契約した金利が上がる2007年・2008年に、サブプライムローンを借り
た約2000万人のうち1000万人が「支払いができず住宅を追われる」時
期が近づいています。
米国の社会に、大規模に起こる「生活不安」も示します。1000万人が
住宅を追われればどうなるか。「今のままなら」確実です。
【住宅在庫は過剰】
2007年の住宅販売は減少し、在庫の妥当値が4ヶ月とされる新築住宅で
7ヶ月分、中古で8ヶ月分と多い。これに、今後、大量の延滞物件が加
わります。
住宅価格の下落は、需給の急な悪化からも、加速します。
【結論】以上から少なくとも2008年まで、住宅価格は、更に下落する
と予測できます。2009年はどうなるか?
おそらく、特別の金融措置がない限り、回復はしない。
◎これは何を意味するか? 住宅金融の破綻の増加と、生活不安、及
び年率5.5%で増えていた個人消費の減少です。
米国経済は、2007年、08年とリセッションの可能性が高くなったと言
えます。当然に、株価の下落します。企業の利益予想が下がるからで
す。ウォルマートやホームデポ、そして車の売り上げもよくない。
政府・FRBが利下げとマネー増発をしないと、恐慌的な不況の可能
性あると見ています。(注)民主党は、マネーの増加供給を主張して
います。これには限界があるのですが、それは後述します。
■4.住宅ローン担保証券の全体の信用問題に波及
07年のサブプライムローンに端を発した住宅ローン証券の信用問題は、
残高13兆ドル(07年)と、2000年代で2倍に膨らんだ住宅ローン全
体に波及しています。
◎信用度の低いサブプライムローンだけの問題なら、まだいい。懸念
は、住宅ローン担保証券($6兆:680兆円)の全体信用に及んでいま
す。
▼原因は住宅価格の下落予想
(少なくとも)あと20%〜30%の住宅価格の下落は、あると見られて
いるからです。サブプライムローンの物件だけが、下げるわけではな
い。
今、普通の住宅ローン(プライムローン)も、5000万円を超える高額
物件(ジャンボローン)では、事実上、新規融資が止まっているので
す。
(注)日本の住宅価格は、バブル崩壊で約50%に下落でした。
約10年間の低金利で、住宅相場が上げすぎていたからです。
価格が高すぎれば、組んだ高額ローンの支払いは、できなくなる。
世帯所得から、支払えるローン債務には、限界がある。
平均的な世帯(80%)の所得は、物価インフレ分しか増えていない。
所得からは払えない高額のローンを組み、夢見ていた希望は、住宅の
価格上昇だった。
▼住宅ローンの証券化は680兆円
住宅ローンを担保として組み込んだ「住宅ローン抵当証券」の残高は、
$6兆(680兆円規模)です。
住宅ローンの60%が、抵当権付きで証券化されています。
米国の国債市場より大きい。
(注)米国の社債は1000兆円の残高です。日本の社債市場はその20分
の1の50兆円です。米国は社債市場も巨大です。
米国の金融市場は、住宅ローン証券(680兆円)、社債(1000兆円)、
国債(400兆円)からなる「債券市場」と言っていい。株は時価総額
2000兆円です。(注)日本は国債市場です。
【世界に販売】米国の債券(=負債)は「証券化」され、内外に売ら
れ、マネー調達が行われてきた。欧州、中国、日本も保有しています。
外貨準備がその一部です。
▼8.09ショック
なぜ、8月9日に欧州(ドイツ、フランス)で、米国のサブプライムロ
ーンの延滞問題が「信用収縮」にまで至ったか、以上の市場構造を知
れば、了解できます。(これは、後解釈です)
【違い】わが国のバブル崩壊は、地価と株価の下落であり、それが金
融機関の自己資本の枯渇と企業のバランスシートの悪化になったもの
です。米国では世帯の住宅ローン問題でした。(これは06年から、予
測していました)
■5.誰が持っているか分からないため疑心暗鬼が生じた
▼証券は合成されて売られる
延滞率が高く、信用度が低いサブプライムローンや、審査が簡単なAl
t-Aローンの証券を誰がもっているかわかれば、比較的に単純です。
しかし「証券化」では、さまざまな国、地域、種類、及びリスクのロ
ーン証券が、合成されています。大口顧客の利回り要求に応じて作る
といってもいい。
更に、社債、国債、株等ともポートフォリオ化(分散投資)したもの
が証券化され売却されます。内容が分かりにくく、格付けも難しい。
[複雑化]しているのです。元のものが何か、分かりにくい。
その「合成証券」は、金融機関、ヘッジファンド、年金基金、個人投
資家の間で、以下のような「変換を経て」高速売買されています。
[住宅ローン($13兆)]
→[住宅ローン抵当証券に変換($6兆:RMBS証券)]
→[債務担保証券($3兆:CDO証券)]
→[資産担保コマーシャルペーパー($1.6兆:ABCP証券)]
→[ヘッジファンド、金融機関、機関投資家が高速売買]
→[高速売買で保有者が転々と移動]
〔用語注〕
RMBS:Residential Mortgage Backed Securities:住宅抵当証券
CDO:Collateralized Debt Obligation:社債や各種のローンを担保
にした合成証券
ABCP:Asset Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペー
パー
【デリバティブ(≒保険)をかける】
加えて、簿外には、資産の何倍もの想定元本の、デリバティブが絡ん
でいます。クレジット・デリバティブの持ち合いも、巨額です。お互
いに「保険」や「ヘッジ」を掛け合っていると見ていい。
【結論】「証券の合成の複雑化」と「売買の高速化」、及び「証券の
巨額化」の3要素が、8.09の信用ショックが広がった主因です。
▼相手の資産内容が不透明
不透明なのは「どの金融機関やファンドが、どんな内容の証券を持っ
ているか、どの程度の含み損があるか」ということです。
これがわからない。訊ねても、正確な答えは返ってこない。金融機関
やファンド自体も、形式上の運用規定はあっても、巨額化した今日の
運用と取引実態を把握していないことが多い。
【金融機関の投資バンク化】
米欧の金融機関は、2000年代に[投資バンク化]しています。
主業務が、証券の売買になったのです。
(注)その点で言えば日本の銀行は融資業務が主で、資産内容は分か
りやすい。
◎<リスクを確率化し、デリバティブに変える金融工学の、証券への
応用が、21世紀の金融機関の業務を変えてしまった>
■6.低金利のためリスク率を小さく見る
【重要:リスク率】
重要なことを言えば、2003年以降の世界の低金利によって、「リスク
率」が小さく想定されてきたことです。世界経済の成長と低金利で、
株価、不動産価格は上がると見られていた。
「複雑な合成証券」の金融市場で、8.09のように信用ショックが起こ
ると、疑心暗鬼が増幅されます。(注)これは今後も続きます。
【シグナルは株価のみ】
取引相手の資産内容の推測のための唯一の手がかりは、金融機関やフ
ァンドの、日々の株価の動きです。株価が、業界平均より下げれば、
「資産内容が怪しい」と見る。株主が、資産内容の情報をもっている
と見られるからです。
こうした疑心の背景から、8.09ショックは、株価の世界同時崩落に連
鎖したのです。(これは後解釈です)
【巨額な含み損】
サブプライムローン・ショックは、世界の株価を下げ、時価総額を(
今)300兆円〜500兆円減らす結果を生んでいます。
◎金融機関とファンドの資産内容に、巨額の(これもまた見えない)
含み損が増えたことも意味します。これが今後の問題の、タネになる。
【1300兆円】
わが国のバブル崩壊では、
・土地評価で1000兆円、
・株式の時価で300兆円が失われました。
不動産と株ですから、資産劣化の内容は、誰にも見えたのです。
数年〜10年の、ゆっくりした経過をたどっています。
証券の合成や複雑化はなく、単純でした。
8.09ショックの波及は、証券不安を増幅したため、即刻でした。
■7.2000年代を振り返れば・・・(回顧です)
「借りやすい住宅ローン」が急増したのは、2003年からです。
原因は、以下で見るように、低金利マネーが利用できたからです。
米国の住宅が高騰を続けていた時期と重なります。
2003年は米国の短期金利は1%でした。日本はゼロ金利。
今後、二度とない「異常な低金利」の時期でした。
【長期間の低金利】低金利は、ほぼ2001年年以降、7年も続いています。
これが、米国のみならず(人口減の日本だけを除き)世界の不動産
価格を押しあげたのです。米国は経済・金融規模が世界最大。世界へ
の影響は大きい。
▼米国の長期金利:低金利化の歴史
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1987年 7% 〜 10%
1989年 8% 〜 9.5% →日本のバブルがピーク
1991年 7% 〜 8% →日本のバブル崩壊始まる
1993年 5% 〜 8% →この時期までは高金利
1995年 5% 〜 6% →金利低下が始まる
1997年 5% 〜 6% →米国のIT株価が高騰
1999年 4% 〜 6%
2001年 4.5% 〜 5.5% →9.11以後、世界が低金利へ
2003年 3% 〜 4.5% →日本のゼロ金利で超低金利へ
2005年 4% 〜 5%
2007年 4.5% 〜 5%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)2006年3月の、日銀の「量的緩和の停止」から世界の金利は上昇
傾向を示し、米国の住宅価格も都市部の高騰物件から下落を始めます。
【日銀が世界の低金利のアンカーだった】90年代後期から、日銀は、
資産価格崩壊後の金融危機を解消して民間の設備投資を増やし、日本
経済を崩壊の淵から救うため、ゼロ金利へ誘導と、国債を買いマネー
を注入する量的緩和策を行っていました。
2001年からは、銀行をゼロ金利のマネーでじゃぶじゃぶにした。異常
な量的緩和は、停止される2006年3月まで続きます。
▼国の金利差(イールド・スプレッド)で資本が移動
◎日本と米国の長期金利には、常に、約3%の金利差(イールド・スプ
レッド)があった。そのため、3%の金利差を求めたジャパンマネーは、
米国の債券(国債、社債、住宅ローン証券)買いに向かいます。
日本だけではなかった。輸出大国になって、商品代金として米ドルが
貯まった中国と、原油高騰で貿易黒字が急に増えた産油国も同じでし
た。
【米国へ・・・】いずれでも、国内で使い切れないマネーが、米国へ
行った。基軸通貨であるドルへの[帝国循環]と言われます。商品と
資金の両方が、ブラックホールのような米国に集まった。
米国は1年で100兆円規模の、海外からの$債券買いの超過が必要な経
済です。海外がドル債権を買う理由は、2つです。
(1)金利差:自国より、米国の金利が高い。
(2)ドル高:米国経済の成長力は強く、ドルは世界に買われる。
米ドル債への投資が、自国の国債や債券を買うより利益を上げると思
い、ドル債を買うということです。
▼米国の一般認識
しかし米国は、ドルが、世界に信用される強い通貨だから、海外はド
ル債権をいくらでも買うと認識しています。(注)連邦準備銀行は金
利差が鍵と知っています。
【感覚】例えば、銀行がいくらでも手形(短期証券)を割ってくれ、
無限に貸し付けてくれるなら、企業経営も楽です。苦労し、利益を出
さなくても、資金繰りは順調で、金庫にはマネーが潤沢に入ってくる。
経営者は、わが社は企業信用が高い。銀行はお金を貸し、取引先はど
んどん新商品を持ってくると豪語しておけばいい。
100兆円分を、その都度(例えば1兆円の借用証を100枚書いて)借りる
なら,「借金」の意識はある。借用証が残るからです。
■8.証券化が生む意識の錯覚
しかし印刷した「債券、証券」を、市場で誰かが買ってくれれば、会
社が増資したときのように「借金」の意識は紛れしまいます。
【40年と長い】
相手が企業を信用し、資本を出してくれたという感覚になる。
これが、米国が貿易赤字に転落した1970年以降、40年も続いています。
40年は、借金への意識を麻痺させるに十分長いのです。
【ドルへの帝国循環】
貿易に使われる通貨は、貿易黒字で、信用の高い国のものでなければ
ならないというのは古い教科書の論。赤字でも、ドルは世界が買って
くれる。ドルを切り下げも相手国はドルから離れない。他に代わる通
貨がない。
◎世界の資金循環を見れば、1年100兆円のドル債券を海外が増加買い
することを続けてくれなければ、
(1)米国は赤字が露呈し、
(2)ドルは暴落し、
(3)通貨安のため金利は高騰し、
大変なことになることは分かります。
しかしそれは、起こらないだろう。
▼米国の多数派の意識
意識では、こんな感じです。
[国債、社債、住宅抵当証券の発行]
↓
[米国の金融機関が買って、売る]
↓
[日本の財務省、中国・産油国・欧州が、利益を求めて買い、貯め込
む(外貨準備の増加)]
↓
[貿易赤字でも米ドルは不撓不屈という神話]
◎通貨信用の根底には、「他の多くの人が信用するから、別の人も信
用する」という信用連鎖の意識構造しかない。
【日本の財務省の意識も、米国政府に似ている】
日本の財務省が、毎季、国債を発行するときと同じです。
金融機関は、競って1%や2%の低い利回りの国債を買う。
公開市場でいくらでも売れるから「お金を借りた」という意識はない。
証券は、利付きの、価格変動のリスクをもつマネーです。
◎国債で得たお金は、政府支出と公共事業に、つまり国民経済のため
に使う。この方法で何が悪い?となる。これが、わが国財務省の意識
です。
ブッシュ政権では、チェイニー副大統領が、財務長官を閣議で「貿易
赤字のどこが悪い。」と恫喝しました。政府はその意識だった。
【米国が世界経済を牽引してきた】
13兆ドル(1500兆円:日本の約3倍:中国の5倍)のGDP(経済規模)
の米国は、世界の企業に、市場と顧客を提供している。
◎米国市場があるから、中国・インド・日本と世界は、経済が成長す
る。
米国が、貿易赤字を恐れ、高い関税を課して輸入制限をするなら、世
界はリセッションに陥るではないか?
例えばHONDAは、海外市場での売り上げが80%です。輸出企業の多くが、
海外売上比率は50%を超えています。「世界銀行と世界通貨(ワー
ルド・ダラー)」をつくれればいいのですが・・・米国は反対するで
しょう。
■9.2000年代のマネーの過剰はどこから生じたか
▼世界のファンドの巨額化
90年代以降の金融は、ヘッジファンドを代表とするファンドの巨額化
を特徴とします。
ファンドは金利を払って資金の預託を受け、投資・投機の運用をし、
利益を上げるのが目的のものです。
【根底】
ファンド巨額化の4つの理由は、
(1)先進国の年金基金の増加(=ベビーブーマー年金)、
(2)各国の外貨準備の増加(=米国の貿易赤字の累積)、
(3)各国の財政赤字での、国債発行の増加分の累積
(4)低金利維持のための、中央銀行のマネー発行の増加です。
以上が、マネーの過剰(または過剰流動性)と言われます。個人の所
得が増えた(=世界の総生産=GDPの増加)ため、商取引や将来の
備えに必要なマネーが、適正量で増えたわけではない。
▼マネーの過剰
実物経済であるGDPは3%〜4%増えたとします。しかし、現金、預
金、債券、証券を含む総マネー量(=総信用量)が、運用利回りと含
み、例えば10%で増えたとします。それが15年続けばどうなるか。
(≒古典的な風合いのあるマーシャルのKの増加)
【イメージ計算】
実物経済=1.035の15乗=1.7倍
金融経済=1.100の15乗=4.2倍
金融経済は、実物経済の影です。影だけで存在はできない。
太陽が落ち、人の影が大きくなった状態をイメージすればいい。
例えば、株価水準を示すPER(株価/収益倍率:P/Eレシオ:PE
R)です。PERが10倍なら、株価は企業純益の10年分です。
【重要】
しかし世界のPERが20倍水準になれば、純益の20年分です。
企業の売上や生産及び純益(=実物経済)が2倍に増えたわけではない。
評価(=時価総額)だけが、2倍になっただけです。
(注)今日本の東証一部上場株のPERは次期予想純益に対し17倍く
らいです。PERの水準は株価の体温を表す指数と見ていい。
▼信用乗数
株では、買った株を担保にしマネーを借りて、運用する金融資産(=
金融負債)の総額を、膨らませることができます。レバレッジ(てこ)
といいます。
現金1億円で1億円の株を買うことで、金融資産の総額は、2倍に向かっ
て膨らみます。
【理由はレバレッジ】
担保の掛け目を80%とすると、1億円÷(1−0.8)=5億円の金融資産
に膨らみます。このとき信用乗数は0.8です。
◎企業利益が順調で、金利は低く、皆がリスク率が小さくなったと考
えて、信用乗数が0.9に上がれば、最初の1億円が、金融機関やファン
ドの間を転々とする間に、1億円÷(1−0.9)=10億円に膨らみます。
【重要】金融(=債権・債務の総体)は、実物経済と違い「乗数」で
膨らむ。
実物経済で生産量を2倍にするには2倍の工場と設備投資が要る。金融
では、信用乗数を上げるだけで[債権量=負債量]でマネー総額が増
えます。
【信用乗数の増加】
信用乗数が上がった状態が、デリバティブ(金融派生商品)で言う
「リスクプレミアム」が低下した状態です。
◎長期間の世界の低金利は、リスク意識を麻痺させ、リスクプレミア
ムを低下させています。これが、現在の金融のリスクです。
(注)リスクプレミアムは、金利に加算されるコストです。
こうしたことが15年も続けば、前述のように、以下になります。
実物経済(=所得)=1.035の15乗=1.7倍に過ぎない
?(不均衡)
金融経済(=信用)=1.100の15乗=4.2倍に膨らむ
【長期では】実物経済に対しマネーの過剰(現金、預金、債券、証券、
株の過剰)が続けば、実物経済も、(いずれ)「インフレ」になる。
【結論:長期では・・】今は資源、不動産、株が価格水準を上げた状
態。将来の消費者物価の上昇も、ほぼ確実です。(注)問題は、その
時期です。
■10.巨額化した世界のファンドのデータを拾えば
ファンドの全貌と、金額・運用内容は、なかなかわかりません。
週刊東洋経済の最新号(07.08.25)が、ファンド特集をしています。
以下は、拾ったファンドのデータです。
いずれもほぼ06年末です。金額イメージをつかんでいただきたい。
【民間】
(1)ヘッジファンド :元本 $1.6兆(180兆円)
(2)M&Aをするプライベート・エクイティ(PE)ファンド
M&A総額 $9070億(104兆円)
【政府】
(1)アラブ首長国連邦、アブダビ投資庁の運用マネー
$8750億(100兆円)
(2)サウジアラビア政府:通貨庁の運用ファンド
$2760億(32兆円)
(3)ノルウェー政府:ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)
$3200億(36兆円)
(4)中国外貨準備$1.2兆の一部を運用をするブラックストーン
$2000億(23兆円)
(注)世界の外貨準備総額 $5兆1000億(590兆円)
【日本】
(1)公的年金 200兆円
(2)企業年金 91兆円
(3)投資信託 70兆円
(4)年金の401K 2.5兆円
上記のように、ヘッジファンドは預かり元本が180兆円相当ですが、買
った債券・証券・株を証券会社に担保として差し入れ、マネーを借り
るレバレッジの方法で、元本の、数倍〜20倍を運用します。
【レバレッジで膨らむ】レバレッジが平均5倍なら、世界のヘッジファ
ンドの運用総額は、900兆円です。これは、世界の金融商品、資産、資
源の価格を上下させ、震撼させるに十分な額です。これがマネー量の
増加の意味です。
(1)先進国の年金基金、(2)各国の外貨準備、(3)国債の累積、
(4)中央銀行のマネー発行は、金融機関から金融機関をわたるう
ちに、各種の「ファンド」になり、より高い利回りを求め投資・投機
されています。
これが2007年現在、われわれが生きている世界の現実です。
【巨額損失は、隠れている】
8.09ショックからの(1)クレジット・クランチ(信用収縮)、(2)
株価下落、(3)ボラティリティ指数(価格変動指数)の上昇によ
って直接に損失を蒙ったのは、先端的な投機を行っているこれらのヘ
ッジファンドです。
まだ、どこが含み損を抱えるか、分かっていない。
◎信用収縮とは、例えばヘッジファンドでは、資金を出す証券会社(
プライム・ブローカー)からの融資が減ることです。世界の金融資産
と金融負債(両方は等量)は、その総量が減ることです。
【結論】確定していることは、今後、大型ヘッジファンドの破綻・倒
産・解散が、陸続と出てくることです。損失は、対策を失った後に現
れます。
■11.中央銀行のマネー注入策の有効性
【状況】
金融の縮小に、最も巨(おお)きな影響をもつのは、株価の下落です。
世界の株の総時価は5000兆円クラスと、世界のGDPに匹敵するくら
い大きい。
長期間の低金利、及びリスクプレミアムの低下を原因とする、世界の
株の、過去の高騰のため、今は(わずか)10%の下落で、500兆円の含
み損が発生します。
【予想】
米国の住宅ローン問題(残高$13兆:1500兆円)で言えば、住宅価格
の下落は、2007年、2008年と続く可能性が高い。
【予想の理由】今回のショックによって、住宅ローン担保証券のリス
ク率が広く認識されています。
今年、米国の住宅ローンの審査は厳しくなった。、FRBが債券買い
でマネー供給をしても、高まった回収リスク率をリスクプレミアムと
して含むべきローン金利は、高くなります。
(1)再びローンマネーが低利で大量供給されて、
(2)世帯が住宅価格が上がると再認識するという2つの要素が揃わ
ないと、高くなりすぎた米国の住宅価格は下げます。
■12.FRBのマネー供給には限界がある
日銀は、2003年にゼロ金利を敷き、30兆円分の量的緩和を実行しまし
た。米国FRBが、こうした「超金融緩和策」を採れるかどうか?
【予測的な結論】
◎重要な結論は、「米国FRBは、日銀のような、超金融緩和策は取
れない」ことです。 以下でそれを論証します。
その理由は、貿易黒字国との金利差がないと「米国が必要とする年間
100兆円相当の海外からの$債券買いの超過」がなくなるからです。
▼資本輸出国の日本
日本の、世帯の個人金融資産1500兆円は、銀行預金・郵貯・簡保を50
%とする現金性の資産内容です。企業が設備投資に使いきれていない
余剰マネーがあった。
日銀のマネー増発策とは、証券市場での国債買いです。金融機関から
長短国債を買い、代金として、日銀当座の各行の口座に現金を振り込
むことです。
これによって金利を下げ、金融機関マネーを増やす。
(注)この方法は、FRBや欧州中央銀行も同じです。
◎わが国財務省の国債発行策は、「眠った預金マネーを使う」ことで
した。短期金利をゼロにできたのは、海外から資金を呼びこむ必要は
なかったからです。日本は「資本輸出国」です。(注)中国と産油国
も同じです。
▼資本輸入国の米国
◎他方、米国は100兆円規模の、マネーの超過流入が必要な「資本輸入
国」です。
従って、資本輸出国より高い国債金利を、保たねばならない。例えば
日本とは3%レベルの金利差が要る。
現在、世界の外貨準備は、$5.1兆と巨額です。590兆円相当で、米ド
ルが380兆円(64%)、ユーロ130兆円(25%:7年3月末)です。 米
国の貿易赤字累積から、毎年、急激に増えています。
◎各国の輸入に必要な以上の外貨準備の巨額化は、流動化も意味しま
す。外貨準備は、輸入の3か月分くらいでいい。今は世界貿易の9か月
分はあるでしょう。
FRBのマネー注入策で米国の金利が下げれば、中国や産油国は、保
有している、余剰なドル債券を売る姿勢を示します。これはドル価格
の崩落を意味します。
◎資本赤字国では、利下げと資金供給を行いすぎれば、通貨が下落し、
資本流入が減る(=ドル売りが増える)ことに帰結します。日本がゼ
ロ金利にし、量的緩和を行ったとき、円売り(=ドル債券買い)が起
こったのと同じ原理です。
【結論】
以上のことから、米FRBの、過剰な利下げとマネー注入は「ドルの
信用不安」を呼ぶことがわかります。
◎従って住宅価格の下落をとめるのに必要な利下げと資金供給には天
井があります。
米国の貿易赤字は、今は、中国と産油国に対して大きい。中国や産油
国は、米政府が要請すれば為替差損を蒙ってもドルを買ってきた日本
とは異なります。
従って、FRBは、ドル債は比較金利が高く、利益が出るということ
を守り続けねばならない。
FRBの金融緩和策によって、住宅価格の下落を止めるというには、
限界があります。短期間での価格暴落を止めるという、限定された効
果しかないはずです。
▼米国FRBの金融政策は協調利下げの呼びかけをするだろう
以上のことから、FRBの今後の金融政策は、【日銀と欧州中央銀行
(ECB)に呼びかけ、米国の金利低下分と同じ率の協調利下げを、
日銀とECBに要請する】ということでしょう。
これは、世界的な低金利策への回帰です。06年3月以降の、世界インフ
レ警戒からの利上げ基調が、転換することを意味します。
◎【結論】しかし、世界から、米ドル債券、米国株は売られます。
【ドル下落傾向】が続くでしょう。
$13兆(1500兆円:07年残高)の住宅ローン債権の、内容悪化の衝撃
は大きい。債権内容が悪化する理由を、再度言えば、【上がりすぎた
住宅価格】の下落です。2008年まで続くことはほぼ確定です。
◎8.09ショックが、恐慌的な変化になるかどうかは、今続発している
ヘッジファンドの破綻が、どのレベルまで進むかにかかっています。
ヘッジファンドについては、論を改めねばならない。
ハリケーンが収束するか、大気の不安定化が増し、次のハリケーン同
時多発(信用恐慌)になるか、損失を蒙ったヘッジファンドの資産内
容にかかっています。
see you soon!
【後記】
米国FRBが、緊急策として公定歩合だけを0.5%引き下げ(6.25%→5.
75%)、短期の誘導金利(3ヶ月もの国債金利:FF金利:5.25%)は据
え置きました。
公定歩合(ロンバート金利)は、FRBが、金融機関に担保をとって短期
(1ヶ月)で貸すときの金利です。
なぜ異例な2重策をとったのか? FRBがFF金利の誘導目標を下げて、
債券買いをすれば、世界にたまったドル債券が売られ、急激なドル安
が生じる恐れがあるからです。
米国の当局は今、世界に売ったドル債券の信用不安を恐れています。
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無料での試読が、最初の一ヶ月間できます。
<333号:「健康」を売る次世代食品スーパー:
ホール・フーズ・マーケットの品質保証経営(1)>
2007年7月4日分
【目次】
1.品質保証のゲーム理論から
2.ビジネスの成功の鍵は、品質保証だった
3.品質保証の利益効果の証明から
4.シグナリング効果を理解する
5.ブランド効果
6.シグナリングの他の形態
7.シグナリング効果を高めるにはどうするか
8.店頭価格競争が、卸価格維持になる戦略
9.最低価格保証のシグナリング効果
<334号:「健康」を売る次世代食品スーパー:
ホール・フーズ・マーケットの品質保証経営(2)>
2007年7月11日分
【目次】
1.21世紀という時代の空気
2.ビジョナリーな企業:ホール・フーズ・マーケット
3.企業の社会的な責任
4.顧客満足への見解
5.進歩することへの理念
6.社員相互の関係
7.明日への希望
<335号:「健康」を売る次世代食品スーパー:
ホール・フーズ・マーケットの品質保証経営(3)>
2007年7月18日分
【目次】
1.発祥から
2.部門拡大の過程は仕入れルートの開拓でもあった
3.ミズ・グーチが品質基準を作った
4.店舗という出会いの場への理念
5.部門ごとの店舗作り
6.出店の基準地
7.ミッション・株価・業績
<336号:低金利の砂の上の、連鎖金融はガラスの城>
2007年7月25日分
【目次】
1.資産金融効果
2.容易に借りることができるローン
3.住宅価格
4.世界の不動産価格
5.巨額化した低金利マネーのシンボルがヘッジファンド
6.キャリー・トレードの実体
7.低金利過剰流動性の正体
6.キャリー・トレードの実体
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