ビジネス知識源:増刊2:福島原発の現在の状況おと今後の危険(2)
This is my site Written by yoshida on 2011年3月20日 – 16:34

(緊急注)MOX燃料の3号機で、格納容器から、気体性の核物質を含
む蒸気を、外部へ逃がすべき事態が、再び発生しました。(午後
12:40:経産省)

格納容器内(設計耐圧4気圧)が、正常値の1気圧以上に上がるのは、
その中の圧力容器内(原子炉)の蒸気圧が、燃料棒の崩壊熱での過
熱のため、設計値(80気圧)付近か、それを相当に超え正常ではな
い特に、限られます。東電の記者会見にはまた緊張が走っています。
(午後16:20)

以下は、20日午前中に書いたものです。

              *

おはようございます。本号は、補足増刊の(2)です。本号も、正
確な知識と情報が、国民の安心を高めるという考えから書いていま
す。

【ご注意】
知人や周辺に転送されるときは、1つの部分文章ではなく、1項目全
部に文か、当方が送信した全文を送信されるようお願いします。肯
定と、否定を、それに続く別の文章で書いているからです。

間違っている点があれば、ぜひ、指摘して下さい。どんなことでも
OKです。批判や非難も、多いに結構です。重大な間違いなら(ある
いは多くの人に誤解を生む表現等)と確認できれば、速やかに科学
的、医学的な事実を調べ、当方の判断で、当日あるいは翌日に修正
するメールを送ります。

(注)本号は緊急号ではありません。緊急全8号は、福島第一原発
(6機)内の、どれかの事態が、危険度を高めていると判断したと
き、可能性としての危険と、身体への害を最悪にまで想定し、どう
なると危険と身体障害が増すかを4~5万人の読者に対し送ったもの
です。

3月20日の午前のTVによっては、
(1)一時的な放射線量(μSvやmSv/1時間)と、1ヶ月間や1年間に、
身体が浴びる放射線量を区分した説明、
(2)及び口、鼻、傷等から身体に入った、微細な粉末の放射性物
質による長期の「内部被曝」を区分し、報道するようになっていま
す。

増刊号(3月19日:am2:30)での、政府、マスコミへのお奨めが効
果を上げたかどうか不明ですが、問題は結果です。

上記は、いいことだと考えています。なお当方(著者)では、どん
な方がお読みか、ごく一部のメールで、名前と仕事を書いて下さる
人しか分かりません。

原発事故に関する件で、当方に下さるメールには、名前か、名前が
まずいなら**関係と記載していただければ、助かります。別の
テーマに関する普通のメールは、この限りではありません。

当方が、ご本人の名前及び個人が特定される可能性が高い情報を外
部に漏らすことは、ご本人の承諾がない限りしません。その点、信
用してください。
yoshida@cool-knowledge.com

【御礼】
当方へはメールで、感想、意見、計算や記述誤りの指摘、及び、こ
のことついて書いてくれという要望を戴きました。多数なので、全
部へは返信できていません。本号で、返事を兼ねます。

特に、現場で修復作業に実際に当たった方、及び原子力発電の現在
及び元従事者の方、その建設関係の方、そして放射線科を含む医師
の方等の専門家の方々からの情報やご意見は、とても参考にさせて
戴いています。

お名前や帰属を挙げることはできませんが、御礼申し上げます。

当方、正確に情報を伝えることを目的としています。今後も、科学
的な誤りがあれば、お手間をかけ恐縮に存じますが、ご指摘下さい。

              *

【現時点での判断】
再び、緊急号を書いて送ることは、3月20日(am10:00)の状況では
去ったと判断しています。(注)こうしことの記述では、正確性を
期さねばならないので、文章が説明的で煩雑になることをお許しく
ださい。

しかし・・・今回のような、原子炉、配管、ポンプ、非常用の電源、
安全設備における大規模な「複合破壊」では、何事も、100%安全
とは言えません。

原発設備の障害は、報じられること、及びその情報を元にした、報
じられないことへの「論理的な推理」しかできないからです。

今、想定外の危険は、当面は応急措置で、脆弱なはずの修復作業を
無効にするくらいの強さの余震(M7級か?)と、事故と対策作業の、
重大な展開です。

これは、誰も分からない。報道がない他の原発の安全への危機もわ
からない。そのときは、再び緊急報道がされるでしょう。

退避地区の30Km圏の外では、
(1)原子炉からの「放射線(物質を透過する光線のようなも
の)」と、
(2)爆風や風に乗って飛散する「放射性の微粉末(核物質)」が、
身体に及ぼす急性・慢性の危険は、去ったと判断します。

(注)原発の敷地内は、当然に、放射線と放射性物質で危険です。
これは、今後も*年単位の期間で、続きます。使用済み核燃料の露
出(特にMOX燃料:3号機)があるからです。

鉛を含む遮蔽物質への透過性が強い「中性子線」は、防護服も無効
にします。距離の2乗で減衰する地区へ逃げ、離れるしかない。

[状況]報道でご存知のように、3月18、19日の、消防車による3号
機(3月18日で最も危険だった)への放水が効果を生み、壊れた建
屋の外壁を通じて、どれくらいかは不明ですが冷却水が入るように
なりました。炉心であれ外部であれ、冷却水の量が、発生し続ける
崩壊熱の量を超えて、より多くの放射性物質が拡散しないなら、危
険度は減少します。

懸念されていた「(1)外部(30Km圏外)への放射線と、(2)放射
性物質(微粉末)の飛散」の危険は、燃料棒内の崩壊熱の冷却によ
って、危険がない程度に小さくなりつつあります。

以上が、3月20日の午前10.40時点です。TVも原発事故特集を除き、
普段の番組に戻っています。

■1.確認:放射性物質、放射線量、放射能という概念

原発の事故で重要なのは、以下の3区分への知識です。

▼3区分

(1)放射性物質:
放射線を出す核物質で、爆発が起これば、花粉のような微細粉末に
なって、爆風に乗って遠方まで飛散し、強い放射線を放つ。

放射性物質が、体内の骨を含む臓器に沈着すると、体内細胞内の
(放射線の強さによる程度の差はあっても)DNAを傷つけたり切断
する。(内部被曝という)

放射性物質は、以降で示すよう実に多種がある。
放射能の半減期も、
・数日内と短い気体性のものや(時間単位の放射線量は多い)、
・粒子性の重金属(鉛のように重い)で数10~数億年のものがある。

爆風(重金属のもの)や、風(気体性のもの)にのって飛散した放
射性粉末は、
・呼吸(特にこれが多い)、
・付着した食物、
・溶けた飲料。
触れた衣服、触った物を通じ、臓器に沈着することがある。
体内の放射性粉末による障害を、内部被曝という。(これが、チェ
ルノブイリで、100Km圏でも起こった)

(2)放射線:
放射性物質が発する、モノと身体を透過する光線(波)を言う。
X線での撮影は、身体に急性、慢性の障害を起こさないように放射
線量を安全基準の上限以下に制御する。

がん細胞の放射線による治療では、がんの部分に、細胞(DNA)を
破壊する強い放射線を当てるが、全身に当てることはない。DNAの
破壊で、がん細胞の再生と増殖を抑える。

放射線の瞬間的な強さの単位は、シーベルト(Sv)、ミリシーベル
ト(mSv)、マイクロ・シーベルト(μSv)/時で計る。これは1時間
浴びたときの被曝量である。医学的な診断(X線撮影)では、安全
基準の範囲で、検査する臓器に放射線を当て、動画や写真をとる。

X線撮影のように低い値でも、数時間、1日、1週間、1ヶ月、1年と
浴び続ければ、その度に、細胞のDNAが傷つき、破壊されることか
らの身体の危険度は増す。

イメージとしてのX線は、個々の細胞にとっては、打ち込まれて通
過する弾丸である。これが、細胞内の微細なDNAを傷つける。

放射線量の強さは、放射線を放つ核物質(約100トン)がある場所
(原子炉の各号機の内部容器内(厚さ16cmの鋼鉄:耐圧設計80~
90気圧)からの、距離の2乗に反比例して減少する。

これは、光源と光の性質と同じ。しかし放射線は、目に見える光と
は違う「物質を通り抜ける透過性」がある。それがDNAを傷つける
ことがある。厳重な核シェルターを地下につくることが多いのは、
核爆発での到達する放射線量を、減らすためである。

(3)放射能:放射性をもつ核物質が、放射線を放つ能力。後述す
るベクレルで計る。ベクレルは、原子核の崩壊個数である。

放射性物質(核物質)、それが出す放射線、放射線を出す能力であ
る放射能の3区分をしておけば、われわれにとって重要な身体への
障害がどうなるか理解できるはずです。

当方も、1週間で、いろんなメールとインターネット情報を読んだ
上での「判断」で、若干の知識が増えました。なにせタイトルが
「知識源」です・・・

今の危険は、現場作業です。真正に、DNAが破壊される危険を賭け
ています。普通の人による、ノブレスオブリッジです。これが、経
営にも通じるリーダシップの根幹です。

事態が落ち着いたあとは、冷却水を入れる配管をもった「石棺化や
巨大プール」でしょうが、この作業にも、チェルノブイリでの事後
措置では、延べ80万分かかっています。放射源周辺での放射線が強
い間は、ごく短時間の作業で、人が交替せねばならないからです。
怖いのは、透過性がもっとも強い、中性子線です。

なにせ人類は、原発の、大津波による複合破壊事故で集結処理をし
たことはありません。専門家を含む、すべての人の経験知を超えて
います。スリーマイルとチェルノブイリの事故と危険に関しては、
ウィキペディアに、概要が記述されています。
             
■2.ベクレルの半減期

今回の事故は、外部への危険という点では、スリーマイル事故(外
部への危険度5)を超えています。しかし圧力容器の爆発的な破壊
はまだないので、チェルノブイリ(危険度評価7)以下です。

◎今後、内部容器または格納容器の爆発的な破壊という「想定外」
が起こらない限り、チェルノブイリ級と同等か、それ以上の危機
(大規模な再臨界反応)は、去ったと判断します。

チェルノブイリでは、事故の緊急処理で繰り返された誤作動によっ
て、内部容器の水蒸気圧が高まって爆発を起こし、粉塵になった核
物質の遠方(100km圏)への飛散(これが危険度7)がありました。

核物質(特に危険なプルトニウムとその同位体)によっては、放射
能(放射線を発する能力)の半減期が、88年~2万4000年と長い。
このため、微粉末が飛散すれば、最強度の環境汚染が長期に続きま
す。

▼ベクレルの半減期

放射能の計測単位は、シーベルトとは違うベクレル(Bq)です。1
秒間に何個の原子核が、放射線を発する「放射性の壊変(物質変
化)」をしているかを示します。

強い放射能をもつ核物質の1種である、ラジウム226の370億ベクレ
ルは、1グラム当たりで1秒に370億個の原子核が壊変するという意
味。次々に、普段は聞き慣れない概念が登場します・・・

【壊変の、判断基準:1グラム当たり】
ウラン238(1万2000Bq:半減期45.6億年)、カリウム40(26万Bq:
12.5億年)、プルトニウム238(2万400年)ラジウム226(370億Bq
:1600年)、セシウム137(3.2兆Bq:30年)ヨウ素131(4600兆ベ
クレル:3日)、キセノン133(6900兆Bq:5.3日)、クリプトン88
(290京Bq:2.8時間)等・・・です。いずれも1グラム当たりです。

炉心の燃料に、以上のような核物資が何トンも含まれています。

核物質は多種(原子炉内の同位体を含めば20種くらい)あり、放射
能の半減期が、物質によって異なります。

(注)100Kw/時の発電能力の原子炉では普通、一般人の、摂取限度
の1700兆倍の、放射線を放つ核物質があるとされています。重大な
原発事故が、世界の強い関心を呼ぶのはこのためです。

しかし、上記のように、風で飛散する「気体性」の核物質の半減期
は数日内と短い。その逆に、壊変の半減期内での放射線量は、数桁
以上も違って多い。

ヒロシマや長崎では、
・爆弾の直下で短期では、核爆発による数千度の放射熱と、大量の
気体性放射物、
・長期では重金属の放射性物質の沈着による身体の内部被曝から、
急性(1年内)と何十年も続く慢性の、健康への害が生じています。

(1)気体性の放射物での、壊変の半減期(1/2に減る)は、上記の
ように数日内と短い。

しかし、壊変して出る放射線の瞬間量は、億、兆、京ベクレルと大
きい。気体性の放射物を多く浴びた、身体障害は急性です。

((注)1時間当たりの放射線量と、人体の累積被曝によるDNA障害
の関係は、19日早朝の、増刊1号(11.03.19-2:30)に書いていま
す。時間の関係で、未確認の方は、それを読んで下さい、

(2)粒子が重いので、遠くまでは飛散しにくい重金属の放射性物
質では、壊変する原子核の量の、半減期は80年~億年と長い。

壊変のときの放射線量/時(シーベルト)は、比較上は、少ない。
危険ではないという意味ではない。長期に、危険です。

内部容器や格納容器の蒸気爆発では、鉛より重い重金属性の核物質
が微細粉末になって広域拡散するため、極めて危険(チェルノブイ
リ並み)です。

生体(食肉や野菜:動植物)は、放射性物質を濃縮する作用をもっ
ています。放射物質を餌や飲料水とともに、核物質を動植物が摂取
すると、それを食べた人間も汚染されます。

■3.これを書いている最中の、緊急情報

<高圧消防車からの放水中に、3号機の格納容器(設計耐圧で4気圧
:厚さ3cm)の内部圧が、蒸気で上がって(何気圧か不明)、容器
の爆発を防ぐため、蒸気を外部に逃がすという緊急ニュースが入り
ました。>(午後12:40:経産省)

NHKは「安全に安全を期すため、蒸気を逃した」と表現。

なぜ、いつも、原因(主因)と数値の発表をしないのか?
多分、計器が壊れ、現場が混乱しているのでしょう。

拡散する放射性物質は、空気に乗って拡散しますが、半減期が、数
日内と短いものが多い気体性のものです。
ごく微量が、半減期がとても長い重金属でしょう。

◎今回の修復作業に出動し、現場で当たった方からの、直接の当方
へのメールには、「現場情報と対策作業の指示」に、相当な混乱が
あると書いてありました。各所から、異なった作業や退避指示が出
るという。

こうした危機では、本来、命令系統を個人に一本化しなければなら
ないのですが・・・原発PLANTシスレム(全体系)と消防や自衛隊
の作業で、部分しか知らない責任者の集合であることが原因です。

今後、専門家個人の部分的な知識を超える体系(大システム)は、
本来、人工物としてつくるべきではない。金融の、想定外が多いデ
リバティブも同じです。壊れたとき、適切な対策が打てないからで
す。後に、詳細に秋粗化になるでしょう。

原発PLANT(複合機能)設計に実際に当たった専門家も「自分は、
確証をもっては、担当したここまでしか知らない」と発言していま
す。

格納容器内の「汚染された蒸気」を外に出せば、気体性の放射性物
質(上記)の、再びの、外部大気にのった拡散を意味します。(放
射線量の発表は、いつも遅れます)。

3号機の周辺での放水作業は、継続できないでしょう。
放水作業が継続できなくなると、3号機の危険は、再び増します。

【最後の砦である格納容器】
最後の砦である格納容器(厚さ3cmの鋼鉄の円柱型)の内部圧が、
安全設計値の4気圧を大きく超えて容器破壊と爆発の可能性がある
くらい上がらねば、外界へ、核物質を含む水蒸気を逃がすことは、
原発では絶対にあり得ません。これは何回も、繰り返し書いていま
す。

格納容器の内部圧は、通常の運転では1気圧以下で、大気圧より低
く保たれています。

格納容器の高熱蒸気圧が上がるのは、核燃料を直接に格納する「内
部容器(普通は設計耐圧80気圧付近:厚さ16cmの鋼鉄)」の蒸気圧
が、破壊をする怖れがあるくらい(推計70気圧)に、上がったとき
でしょう。

この事態が起こるのは、4mの燃料棒(多数ある)が、冷却水から露
出し、崩壊熱で熱くなり(1200度以上)、核燃料(ペレット)を覆
う被覆管(ジルコンの合金:ジルカロイ)が溶けているからです。

この原子炉(内部容器を言う)の内部で何が起こっているかを詳細
に確かめる計器は、今も、津波による複合破壊で多分働いていませ
ん。このため、内部圧だけで判断しているのでしょう(推測)。

津波は、緊急時に冷却水を送るポンプを動かす非常用発電装置も冠
水させ、破壊しています(事実)。仮に電源をつないでも、このポ
ンプが正常に動くかどうか検証が必要で、不明です(3月20日:午
後13:35時点)

燃料棒が冷却水から出て、被覆管のジルカロイが溶ける温度になる
と、酸化され水蒸気から水素が発生します。(注)この水素は、内
部容器内には、普通は爆発に必要な量の酸素がないので、水素爆発
することは少ない。

核燃料そのものも溶けて、溶解して内部容器の底にたまります。そ
の前に、底に残った水に当たって(爆発的に)蒸気を出すと、内部
容器の気圧が急に上がります。この危険な事態が、今、起こってい
ると推理できます。(20日:13:40時点:蒸気爆発の危険あり)

爆発の種類は3つです。
・内部容器の爆発:高温でその蒸気圧が80気圧を大きく超えること
で起こる。重大かつ深刻な、長期の危機です。

・格納容器の爆発:高温でその蒸気圧が4気圧を大きく超えること
で起こる。

これも、原発のPLANと設計が想定していない、重大かつ深刻ですが、
ほぼ80km圏(推理)が想定される待避圏の外は「長期の危機」では
ない。ただし格納器内に漏れた重金属の核物質の粉末が多ければ、
話は別です。

・建屋の爆発:内部容器等で発生した水素が、格納容器から漏れて、
建屋の上部にたまり、酸素と反応して起こる水素爆発。これは1号
機、3号機、4号機で今回起こっています。周辺は危機ですが、冷却
ができるなら、遠方では重大ではない。

3号機はプルトニウムを4~9%含むMOX燃料を使っています。この融
解温度は、639度付近と低い。このため、事故の時の危険度は、3号
機が最も高い。

3号機の使用済み核燃料プール(容量は約1000トン:10×10×11m)
への放水が、大きく水蒸気を上げた理由は、その温度が100度をは
るかに超えているからです。何度かは不明です。

東電のプレスリリース(3月20日:午前9:00)には、
以下のように書かれています。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032001-j.html

(3月14日の格納容器の圧力)
<原子炉((注)圧力容器)への注水を継続するなか、3月14日午
前6時50分、原子炉格納容器の圧力が530キロパスカルまで上昇し
たことから、同日午前7時44分、原子力災害対策特別措置法第15条
第1項の規定に基づく特定事象(格納容器圧力異常)が発生したと
判断。その後、格納容器圧力は、緩やかに低下(同日午前9時5分
現在、490キロパスカル)。>

101キロパスカルは、大気圧である1気圧です。530キロパスカルは
5.3気圧です。格納容器の耐圧設計値(設計担当が保証する気体圧
力)は、4気圧です。これを超えています。

速やかに下がったとは言っても、設計値を超える4.9気圧です。こ
のため格納容器から、蒸気を外部に拡散させ、圧力を下げる。この
ギリギリの作業が、今も続けられていると判断していい。以上の状
況です。
              *
次の緊急号を送らないで済むのはいつか・・・予断を許さなくなり
ました。発表されないことが何か、それを、論理で推理せねばなら
ない。

再度訴えます。担当の専門家には「言わざるの罪」もある。どうか、
情報と情報の判断における「非対称性」で有利な、専門家の義務を
果たして下さい。

(注)情報の非対称性:当事者や専門家が、そうでない人より、多
くの知識と情報を持っているため、市場での商取り引きが、完全情
報ではなく、専門家以外が(あらかじめ分かっていた)損失や危害
を受けること。違法なインサイダー取引や、骨董での偽物の販売が
これです。

今はいったNHKニュースです。

<東電は、格納容器の圧力が、(蒸気を外部に逃したため)安定し
たと発表し、これ以上は、(放射性物質を含む)蒸気を逃がさない
とのことです>(午後16:00):括弧内は当方の説明。

今、格納容器の圧力は、設計値の4気圧付近かそれ以上のはずです
(推理:20日の16:10)。

格納容器の圧力が、正常値の1気圧以上に上がるのは、その中の圧
力容器内(原子炉)の蒸気圧が、燃料棒の崩壊熱での過熱のため、
設計値(80気圧)を超えて、正常ではない特に、限られます。

再び、中断した放水ができるよう(周辺の放射線量が下がること
を)願っています。

メール: yoshida@cool-knowledge.com

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仮に近い知人に転送されるときは、以下のバックナンバーも参照し
てください。時間単位で、危機への態度は変わっています。
http://www.mag2.com/m/0000048497.html
http://archive.mag2.com/0000048497/index.html

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