ビジネス知識源:福島原発リアルタイム状況(5)
This is my site Written by yoshida on 2011年3月14日 – 21:46

緊急の第5号です。福島原発二号機で、約4メートルの燃料棒が完全
露出し、一層危険が増したため、送ります。(20時00:東電情報)
 

ほぼ2時間内(推計:スリーマイルの例)に、海水等の冷却剤の注
入で冷やさないと、「崩壊熱」が高くなり、メルト・ダウンに至る
可能性が高くなります。

圧力容器の底に貯まる、メルト・ダウン(炉心溶解)した燃料塊を
冷やすことが(万一)できないと、再核分裂へ至る「臨界反応」を
起こすことが、相当の可能性であると見なければならない。

スリーマイル事故では、全燃料の45%(62トン)のメルト・ダウン
が起こったとされます。それが、圧力容器の底にたまった。時間で
言えば2時間20分、炉心が、蒸気中にむき出しになった。
( Wikipediaより)

スリーマイルでは、緊急冷却装置は、ほぼ正常に機能していました。
高温の金属塊と水が接するときに起こる「蒸気爆発(火山の爆発よ
に類似)」を防ぎながら、冷却水を給水し、メルト・ダウンした燃
料が、「奇跡的」に冷やされ、それ以上の悪化(核分裂反応)を止
めています。

福島原発1号機、2号機、3号機では、「原子力発電システム」の中
の、緊急冷却装置が機能していません。このため「システムが前提
してない海水」を入れています。最後の手段と言っていい。

1号機、2号機、3号機で同時発生ですから、現場作業は、諸条件の
制約の中で、針の穴を通すことに対比できるでしょう。

なお、調べると、炉心がある「圧力容器」の、1号機の設計上の耐
圧はほぼ80気圧です。毎回議論がある「耐圧裕度(=余裕の幅)」
は2倍くらいと聞いています。

条件が重なるので確定的には言えないのですが、設計者が反対意見
を述べる「裕度」は160気圧くらいでしょうか。 ほぼとしか言え
ないのは、あらゆる設計に共通です。耐震強度も、ほぼとしか言え
ません。

その外の、圧力容器(直径30m×高さ約40m)を覆う「格納容器
(1号、2号、3号)」の耐圧設計、つまり設計強度は、ほぼ4気圧付
近とされます(設計者より)。この耐圧裕度も、2倍(8気圧)くら
いでしょうか・・・蒸発した水の蒸気圧が、こうした閾値(しきい
ち)を超えると危険です。

1号機の格納容器の内圧は、たまった蒸気によって、一時、8気圧付
近でした。格納容器の内圧の普通の状態は、大気圧(1気圧)より
若干低くし、放射能物質が外に漏れないようにされています。

燃料棒が集まる炉心冷却の成功を祈るばかりです。作業者と技術者
の方々による、自らの被曝を賭けた必死の海水注入によって、ス
リーマイルのように事態が好転するよう願います。

たった今のニュースでは、水位が燃料棒の上を基準に-3.3メート
ルにまで高まり、3.3メートルが露出というところまでは行ったよ
うです。(午後9:40) 

少し改善しました。容器内圧力の発表は、まだありません。

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