海外投資家が先物の売り越しを開始した
This is my site Written by admin on 2023年6月24日 – 10:00
23年3月末以来の、日本株の上昇は、東証の売買の70%を占めている
海外ファンドの買い越しによるもの以外ではない。4月から11週連続
で25%上げてきた日経平均が、6月の3週から下げています。この下げ
が何を意味しているのかを、本稿で探っていきます。

【3月の売り越し、4月、5月、6月2週までの買い越し】
米銀危機の3月には、海外ファンドは、日本株を2兆2500億円売り越し
ていました。売り越しとは、「買い-売りの差額」です。

過去から、日本株は海外ファンドが買い越すときは上がり、売り越す
ときは下がってきました。

その構造的な原因は、
・海外ファンドの売買額が約70%を占めて価格形成をし、
・日本人(個人、金融機関、事業法人)の売買は受け身の30%に過ぎ
ないからです。
この構造は、米国の株価時価総額(約6000兆円)が、東証の8倍であ
ることから来ています。

ウォーレン・バフェットが来日し「日本株は買いだ」と記者に言った
直後から、米系ファンドは10週(5兆円)の買い越しを始め、日経平
均を2万7000円台(3月末)から3万3700円(6月15日)へと25%も上げ
ました。

日本はこの2か月間、時ならぬ「株価ブーム」に沸いています。女性
週刊誌が株価にページを割くときは、普通ブームの終わりです。

個人投資家は、メディアは乗らず、過去の損を回復数する売りを行い、
含み益を出している海外ファンドとは逆に売り越して、株価の25%上
昇の利益を確定しています。海外ファンドと、日本の個人投資家の売
買は、いつも真逆です。

4月からの海外ファンドの買い越しが、短期の先物主導あることを見
越した人もいるのかもしれません。

【海外ファンドに多い先物の売買】
先物の買いは、3か月先が多い限月までには、売って清算しなければ
ならないからです。(注)5月には事業会社の自社株買い3.2兆円も加
わっています。自社株買いは、流通株を減らすので2倍の、6.4兆円の
買いの効果があるでしょう。

(投資家主体別の買い越し/売り越し)
https://www.traders.co.jp/margin_derivatives/investor_trends
(23年3月の自社株買い3.2兆円)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71445690Q3A530C2ENI000/

「時(とき)ならぬ」とは、経済のファンダメンタルズ(基礎的な指
標)から見て、上がる材料はPBR(株価自総額/純資産)が1倍の解散
価値を割った企業が60%を占め、この2年はいつも「出遅れている」
という評価しかなかったからです。

解散価値とは、会社の資産を売って、負債を清算したとき残る資産で
す。会社の経営価値は、評価されていなかった。日本株のPBRは平均
で1.3倍と世界1低かった(現在は1.37倍)。
https://myindex.jp/global_per.php

米国株のPBRは3倍付近です。世界平均は2.6倍です(23年5月)。証券
会社は「世界に出遅れている」として買いを誘っていました。

まさにそのとき、ウォーレン・バフェットが来て「(価格評価が低
い)日本株は買いだ」と煽りました(23年4月10日)。しかし個人投
資家は、合計では売り越しました。

バフェットが主宰するバークシャー・ハサウェイの運用資産の時価総
額は、7355億ドル(103兆円)と巨大です。

◎バークシャー・ハサウェイ1社の買いで日経平均を上げることがで
きます。中央銀行並みの、株式運用マネーをもつからです。

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 <Vol.1349号:土曜増刊:
      海外投資家が先物の売り越しを開始した>
     2023年6月24日:有料版・無料版共通
【目次】
■1. 世界の株の売買
■2. AIでのテクニカル分析と、自動売買
■3. 中央銀行よりマネー量が巨大化したファンド
■4. SDGs投資を煽る政府
■5. ヘッジ・ファンドの報酬
■6. 米国経済の金融化
■7. 6月の3週からの日経平均
■8. 米欧の商業用不動産の価格(2023年8月~)
■9. 不動産価格下落は、株価のバブル崩壊になる
【後記】

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■1.世界の株の売買

世界の株式売買の約60%から70%は、HFT(超高頻度売買:1秒に数千
回から数十万回)を行うAIロボットが行っています。HTFでは主に先
物と現物の価格差の裁定売買、レバレッジがかかるCFD(差金決済の
取引)、先物の売買が行われています。現物の売買は、ゆっくりして
いて、投資家やファンドマネジャーの判断で行われています。

ファンドマネジャー(運用責任者)は、
・株式、債券、コモディティ、通貨などの銘柄のポートフォリオ(運
用構成比)を変えるとき、
・売買の方向を変えるとき、関与しています。

【日本株が25%上がった原因】
◎バフェットが訪日した4月の1週からは、ファンドのマネジャーは、
1週5000億円の買い越しで、大きく上がる可能性が高いと見て、日本
株の運用構成比を、たぶん1ポイント大きくしたのです。ヘッジ・フ
ァンドは、23年1-3月期の米国株下落、損をしていたところが多かっ
たからです。

(注)S&P500は、23年2月4200→3月は3855(銀行危機の3月15日)。
-8%でした。現在は、3855から4350まで13%回復しています。しか
し、4月からの日本株の上昇(25%)は世界1大きい。

◎世界のファンドでの、日本株の構成比(ポートフォリオ)は平均で
5%くらいでしょう。1ポイントの増加でも、ファンド全体では20%の
買いの増加になります(1週4000~6000億円の日本株の買い越し)。

【ポートフォリオの変更】
ポートフォリオ変更が、4月、5月、6月の5兆円の日本株買い越しの理
由でしょう。

3か月サイクルが多いと思われる、定期的なポートフォリオの構成比
変更はファンドマネジャーの、もっとも大きな仕事です。
・世界の市場の株は、ほぼGDPに比例して売買しています。
・株に加えて債券(国債)、通貨、原油・金・穀物のコモディティも
あります。

株価は買いが超過すれば上げ、逆なら、下げるだけのものです。
証券アナリストのリポートが書くもっともらしくは見える理由は「貨
車」でついて来ます。あれが勝因、これが敗因だったという、スポー
ツのあとの評論家の解釈と同じです。

プレーヤーは激しく動いている、結果が見えないゲームのなかで、そ
の都度、チャンスに見えるプレーをしています。

いま、佐々木大地7段との棋聖のタイトル戦で、藤井聡太7冠がめずら
しく負けました(公式戦での負けは6.3%くらいの低い確率)。一勝
一敗です。後解釈なら、棋力がない私でもできます。

プレーヤーは未来(結果)が見えなかで、結果に意味があると判断し
たプレーをしています。解釈は、未来の結果が出てから行う。

結果が、プロセスを意味づけるからです。株価の結果を見たあとの解
釈は、リアルタイムの意味づけではない。生きることも、結果が分か
らない道行きです。

【後解釈】
youtubeを見ると、後解釈だらけ。誰にとっても確定したものは過去
のデータしかなく、3か月後の未来のデータはないからです。

予想の95%くらいは「トレンドフォロー」です。人間の判断がないベ
イズ統計(後述)のAIには、確率的なトレンドフォローしかできませ
ん。

要は、過去の傾向を延長するだけです。
現在、7月、8月の日経平均はどう予想されているでしょうか。

推計ですが、金融メディアの論評からは上がるという予想が70%、下
がるとい予想が30%くらいでしょう。あるいは、80%、20%の分布か。

■2.AIでのテクニカル分析と、自動売買

以上ことは、世界の株式投資が大衆化した1970年代から、50年同じで
す。株価の移動平均(または、加重移動平均のMAC-D=指数平滑)の
傾向線を延長したものが、テクニカル分析の基礎だからです。

AIでは、時系列で価格統計のサンプル数を増やしていく「ベイズ統
計」を使うプログラムが多い。「ベイズ統計」は、コロナRNAのよう
に常に変化しているコンピュータウイルスからの防御にも使われる予
想函数でもあります。加重移動平均のMAC-Dのサンプル数を時系列で
増やしていき、新しい確率としていくものです。

chatGPT(生成型AI)に、ベイズ統計の概要を訊ねると、以下のよう
にほぼ正確な答えをしました。専門の前の、大学の教養学部では合格
でしょうか。

<ベイズ統計は、確率論の一分野であり、統計的推論や予測を行うた
めの枠組みです。ベイズ統計は、トーマス・ベイズ(Thomas Bayes)
という18世紀のイギリスの数学者にちなんで名付けられています。

ベイズ統計では、データと事前知識(既知の情報)を組み合わせて、
パラメータの事後分布(後の確率分布)を推定します。この手法では、
確率分布を表す確率密度関数や、確率質量関数を使用して、不確実性
を表現します。

ベイズ統計の特徴的な要素は、「事前分布」と「尤度(ゆうど)関
数」を組み合わせることです。事前分布は、データ収集前のパラメー
タについての確信度を表す分布であり、尤度関数は、データが与えら
れた条件下でのパラメータの、尤(もっと)もらしさを表す関数です。
これらを、ベイズの定理を用いて組み合わせることで、事後分布を得
ることができます。

ベイズ統計の利点は、事前知識を明示的に組み込むことができる点で
す。また、データ量が少ない場合でも、事前知識を考慮することでパ
ラメータ(予測変数)の推定を改善できる場合があります。さらに、
ベイズ統計は階層モデルやベイズ的決定理論など、さまざまな統計的
手法やモデル化手法と組み合わせることも可能です。

ただし、ベイズ統計は計算上の複雑さがあるため、数値計算やモンテ
カルロ法(総当たり法)などの特殊な手法が必要な場合があります。
また、事前分布の選択によって結果が影響を受けるため、適切な事前
分布の選択が重要です。

ベイズ統計は、医学研究や機械学習、経済学、社会科学など、さまざ
まな領域で応用されています。データ分析や予測モデリングの手法と
して、ベイズ統計は強力なツールとなっています。(以上で回答終わ
り>

■3.中央銀行よりマネー量が大きくなったファンド

米国の銀行マネーは、総量で、20兆ドル(2800兆円)くらいです。一
方政府の規制がないノンバンク(ヘッジ・ファンド、インデックス・
ファンド、年金基金など)の運用マネーは、50兆ドル(7000兆円)で
あり、米銀の2.5倍です。バークシャー・ハサウェイもノンバンク
(基金)の範疇です。

ファンドで最大の「ブラックロック(いわば黒岩さん)」の資金量は、
9.09兆ドル(1273兆円)です。日銀の資金量(736兆円)の1.7倍、
FRBの総資産8.6兆ドル(1204兆円)に匹敵します。

・2位の「バンガード(前衛)」が8.4兆ドル(1176兆円)、
・3位の「フィデリティ・リサーチ(忠実研究)」が4.2兆ドル(588
兆円)と日銀並みです。

彼らは、世界の株を筆頭株主としてもち、アクティビスト(物言う株
主)になり、世界の企業を支配しています。

世界のメデイア株は、ルバート・マードック(92歳)が支配し、報道
の方向を決めています。

◎ファンドのマネーは、ごく少数の人に集中しているので、株価の方
向とメディアの論調は、ごく少数の人物が支配しています。社員は、
株主の方針に忠実でないと離職しなければならないからです。利益目
標は、株主が作っています。人事と報酬が会社の方針です。

【20年で26倍】
S&P500の株価は、過去20年で、170ドルから4380ドルへと26倍に上が
っています。平均年率で18%上昇です。

ファンドの運用マネーも、2000年代の20年で、26倍の50兆ドル
(7000兆円)に膨らんだのです。20年前は、270兆円とささやかだっ
た。現在は26倍の7000兆円。ファンド談合すれば、世界を動かします。
93歳になっても元気なウォーレン・バフェットはファンド業界の広告
塔でしょう。

◎今回の日本のように、狙った株式相場や、ITのGAFAMを、資金量が
7000兆円の、ファンドの売買の加減によって動かすのは、たやすい。

2001年の陰謀(9.11)のあとの、22世紀の20年で巨大化したノンバン
クは、世界の中央銀行より、はるかに大きく、投資家が預託したマ
ネーを動かしていることを知っておいてください。
↓
◎世界のほとんどの人は、金融では政府と中央銀行が政策を実行して
いると考えています。しかし、2000年以降では、ノンバンクです。戦
争も、彼らが政治家の裏組織になって、起こしてきました。

【ファンドが株をもつところ】
軍事会社、石油メジャー、穀物メジャー、製薬会社、メディアの株を
売ると脅せば、CIAの策謀が実行され、戦争が起こるでしょう。パン
デミックは、社会内のウイルス戦争の現象を生みます。

米国の巨大ファンドが、政府、政治、中央銀行をのっとった国家にな
っています。ここがディープ・ステート(DS:影の政府)の本拠です。
DSは、正式な名称になってきました。FRBの株も、米英の銀行株を経
由して、彼らがもっています。資本主義=株式主義は、利益を誘因と
する制度です。

・中国は、国家資本主義です。
・ロシアは、資源・エネルギーのオリガルヒ資本主義です。
・日本は何でしょう。引退が増えた、団塊の世代資本主義か?

■4.SDGs投資を煽る政府

巨大ファンドが現在、マネー(=証券)にしようとしているのは、社
会正義の名を借りて、気候変動の削減を名目にした二酸化炭素の排出
権です(SDGs投資という)。これも首謀はDSです。

2030年までに毎年5~7兆ドル、7年で35~49兆ドルが必要と試算され
ています(4900兆円から6860兆円)。
・グレタ・トゥンーベリ(スウェーデン)は、ファンドのマスコット
です(作り上げられたジャンヌ・ダルクの役目でしょう)。気象学会
が、その組織です。
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/sdgs_esg_toshi/

【テスラというEVのスター】
電気自動車(EV)のテスラ(136万台)は、SDGs投資を推進する米政
府から、1台の生産につき、約100万円の補助金を受けています。日本
政府も、国産EVに対し1台85万円の補助金を出しています。

テスラ一社で、年間1.4兆円の、政府補助金です。テスラの1台当たり
115万円の利益は、ほぼ全部、政府の補助金(国民の税金)です。

これが「作られた社会正義」になった二酸化炭素削減への、貢献のお
こぼれです。発電のとき化石燃料を燃やすので、EV化だけでは二酸化
炭素削減にならないという偽装があります。

1.4兆円の利益が、PER 76倍(純益の76倍)の高い株評価になり、10
倍の台数の生産をするトヨタの3倍の、100兆円の株価時価総額と大富
豪イーロン・マスクの資産になっているのですから、一体、テスラと
は一体何者か・・・とも思います。

テスラは、ハイブリッドを時代遅れにして、トヨタ潰しのため米国政
府が育成している企業でしょう。米国の、国家戦略です。

ところが、あらゆる国際協定でダブルスタンダードが多い米国は、二
酸化炭素削減の京都議定書の協定からは離脱しています。この矛盾は
どこから来ているのか。

◎偽装の二酸化炭素削減は、これから10年、もっとも大きな産業の動
きでしょう。

■5.ヘッジ・ファンドの報酬

ヘッジ・ファンドのマネジャーは、自分が責任をもつ運用マネーの約
2%を報酬にしています(顧客との契約手数料、日本では1.5%平均)。
ヘッジ・ファンドでは、顧客に利益がでたときは利益の20%が、運用
報酬です。
https://fundwrap-research.com/

(注:告白すれば・・・)実は当方も、20年くらい前、英国系ファン
ド(AIG)の投資マネー集めを誘われたことがありますが、「なんだか、
なぁ・・・」と気が進まず、行いませんでした。

20億円の投資家を集めれば、4000万円/年の報酬という。でもこれは
利権への癒着であり、人を裏切ります。不動産売買での、住宅建設会
社と癒着した宅建の手数料のようなものです。

ファンドに群がる金融コンサルタントは、報酬が公開されない怪しい
仕事です。銀行と証券会社も、ファンドの販売をしています。まぁ、
ファンドのマネーを預託する人も欲にかられていますから同じような
ものです。

そして、実はその前、1990年ころだったか、IMBの幹部も、中小型機
のコンピュータ販売のアフィリエート(協力者)の手数料を提案して
きました。これも謝絶し、IBM主催の連続講演を受けるだけにしたの
です。格好を付けたのではない。イヤな感じがしたのです。

米国の会社で広く一般化している制度が、この営業協力です。
アマゾンにも、アソシエイトという販売協力者の制度があります。

政治家がこれをやると、不正リベートです。企業からの政治献金に偽
装されています。

【軍需産業と製薬会社】
WHO(世界保健機構)やCDC(米疾病予防管理センター)は、製薬会社
(軍需産業を超える最大のロビイスト)から巨額のマネーを得ていま
す。医療とは、製薬会社のことです。

東京にも、CDCの支部が作られました。これは日本の第一三共が作っ
たmRNA型ワクチンの承認のためでしょう。たぶんCDCが販売利権を要
求したのでしょう。

この癒着の構造は明らかになることはないので、推測です。
利益が大きな製薬会社は、多くの学者・医師に、研究費補助という名
目のリベートを払っています。医療業界を支配しているといっていい
でしょう。世界中が接種したコロナのワクチンで実証されています。

ワクチンは1人あたり1回で4900円。30億人が3回接種すれば、90億回
ですから、44.1兆円。世界の政府が補助したので、国民の負担感はな
いのですが、いずれ医療保険+税になって、国民負担になります。政
府予算はそうしたものです。無償に見えてあとでツケがきます。

・石油メジャーと商社も、ウクライナ戦争からの価格高騰で3000億ド
ル(42兆円)の利益を得ています。製薬会社も似たようなものです。
・米国の10大軍需産業も、ウクライナ戦争にからむ3000億ドル(42兆
円)の増産で、利益を得ています。

普通に考えれば、パンデミックや戦争は、それで巨大利益を受ける側
が政党と政治家を通じて、関与しているでしょう。

■6.米国経済の金融化

1990年から経済の金融化(=証券化)が進んだ米国と日本の金融は、
根本が違います。
・日本では現金の預金が多く(1800兆円)、銀行金融が主流です。
・米国では、証券の株価総時価が、GDPの2倍以上の60兆ドル(8400兆
円)もあって、ノンバンク金融になっています。

日本の銀行マネーの4.6倍が、米国の株式と債券で運用されています。
日米の株価の時価総額は1:8です。

GDPは、米国が日本の約4倍ですが、株価は8倍です。米国の1/8のマ
ネーで、日本株を動かせます。米系ファンドが、日本株のポートフォ
リオを増やして買い越すと、日本株はすぐに上がるということです。

以上が、世界の株式市場の基礎的なところを理解する、前提の知識で
す。AI予想に勝つことが、現在の株式投資と通貨売買(FX)です。人
間は、これくらいのことは知っておかねばならない。

■7.6月の3週からの日経平均

◎6月の3週の日経平均は、6月16日(金)の3万3670円をピークにして
下げています。今は3万2781円、前日比で483円下げました(6月24日
:午前8時)。1週間上げてきた相場に、「小さな異変」が起こってい
ます。異例の動きは、何の前兆か。本稿でここを追求します。
(日経平均 1週の動きを参照)
https://nikkei225jp.com/chart/

6月2日から9日までの週は、海外ファンドが1.4兆円買い越していまし
た。これが、6月9日から16日の週は158億円売り越しています。
(海外投資家 現物+先物の売買)
https://moneyworld.jp/news/05_00094961_news

日本人の個人投資家と機関投資家は、23年4月からも、ずっと売り越
しています。海外ファンドが買い越すときに、上がってきたのです。
海外ファンドが売り越すと、日本株は下がります。この海外ファンド
が、4月初旬以来、11週ぶりに売り越したのです。

海外ファンドの買いは、ほぼ40%が現物、60%が先物です。
10週で約5兆円も買い越したうち(1週平均5000億円)、2兆円が現物、
先物が累計で3兆円と見ていいでしょう。

先物には、現物にはない「反対売買の限月」があります。このため現
物買いは長期(ロング)、先物の売買は、短期です。これから2か月
で、約3兆円の、清算売りの超過があるとい見ていい。

◎今後、「先物の清算売り超過(推計3兆円)<買い越し超過(3兆円
以上)」にならないと、日本株は下がります。日本株は、23年6月の
3週を起点にして、「微妙な時期」を迎えています。

速断かも知れない。6月の4週、5週を見ればわかるでしょう。4週(金
曜日は23日)、5週(金曜日は30日)を見るとわかるでしょう。

◎株を売買している人は、4月からの上昇でせっかく得た利益を失わ
ないために、これから1、2週間の日経平均の動きを注視する必要があ
ります。

【短期予想】
1)2023年8月までは、暴落(-20%以上)は、たぶんない。
 ガイジン買いが止まって、ダラ下がりになるか、
2)買い支えがあって、3万3000円を中心に波動するか、でしょう。
3)6月までの大きな上昇(2か月で25%)は、なくなったと見ていま
す。

その理由は、10週も続いた、異例なガイジンの買い越しが、15週、
20週と続くことはないと見ているからです。

■8.米欧の商業用不動産の価格(2023年8月~)

23年8月頃になると、リモートワークで需要が減った米欧の商業用不
動産の下落がはっきりするでしょう。

◎中小銀行では資産の50%を占める不動産ローンと不動産証券が、米
銀の新たな不良債権になっていくでしょう。

23年12月からは、住宅価格の下落が加わっていくでしょう。
株の保有は、ギリギリまで引っ張って、7月末まででしょうか。

◎2023年12月からは、3月が前兆だった米欧の銀行危機の、本番にな
る可能性が高いと見ています。

商業用不動産、住宅価格は20%から25%上がると見ています。
不動産価格は、ローン金利の逆指数なので下がる確率が高い。
利上げで上がる不動産はありません。

「賃料-ローン金利」を配当にする米国不動産REITは、不動産価格の
先行指標です。2022年6月の353をピークに6月22日は272へと23%下が
っています。欧州のREITも、22年5月の11200ピークにして、現在、
8800へと米国と同じ22%下げています。(欧州不動産REIT価格指数)
https://emaxis.jp/smp/fund/261370.html

東証のREIT指数も、22年9月の2000から1850まで15%下げていますが、
東証のREITは不動産価格との連関が、米国より弱い。不動産価格と商
業用不動産の賃料の上昇が、米欧より小さかったからです。

米国REITのマイナス23%は、不動産価格の約1年の先行指標になりま
す。米欧の不動産会社の倒産も、2023年8月から始まるでしょう。

欧州の不動産が下がっていくと、金利・通貨スワップなどのデリバテ
ィブの所有がもっとも多い大手のドイツ銀行が、危ないかも知れない。
(ブルムバーバーグ:米国不動産REIT価格指)
https://www.bloomberg.co.jp/quote/BBREIT:IND

◎不動産の価格は、経済(=インフレによる金利の上昇:22年6月か
ら)の約1年遅れの遅行指標です。遅行の意味は、金利が下がっても、
利上げで下がった不動産価格の回復は、1年遅れるということです。

■9.不動産価格下落は、株価のバブル崩壊になる

不動産までが下がる株価下落は、金融バブルの崩壊です。

日本の1990年と、2008年のリーマン危機と同じです。
ただし、あまり先のことは、言いますまい。
複雑系の株価には、予想できないところがあるからです。
言えるのは、以下の2項です。

1)米欧の不動産価格が下がると、銀行に不良債権が溜まる。銀行は
損失をカバーするために、含み益のある株と債券から、売って行く。
現金の資金繰りに窮すると、金利の上昇で大きな含み損のある長期国
債・長期債を売り、その大きな損失が露わになって、不安を感じた預
金の取り付けになり、破産したクレディスイスやファースト・リパブ
リックバンクのようになって行く。

2)銀行が株を売るとファンドの持ち株も下がり、3ヶ月決算で絶対的
に運用利益が必要なファンドは、含み益のある株や債券を売って、価
格を下げる。同時に、先物売りでの利益も狙うので株価は二重に下が
る。

債券と株の先物買いは相場が上がるとき、先物売りは相場が下がると
き利益が出ます。上がる相場、下がる相場は、その確実な予想ができ
れば、どちらも儲かります。1990年の日本の株価バブル崩壊は(日経
平均3万9800円→2万円)は、米国系銀行とファンドの、先物とオプシ
ョンの売りから始まったのです。損をしたのは日本人、利益を得たの
は外銀とファンドでした。

株や債券では、7000兆円の資金量の米国ノンバンク(ファンド)のよ
うに、投入資金が大きいと、買いであれ売りであれ、その売買が相場
を動かすので利益が出やすい。

【後記】
海外ファンドが、10週連続で買い越して25%上げ、世界1含み利益の
ある日本株(20%)はファンドの利益確定のための売り越しに入るで
しょう。

◎東証の70%の売買を占める海外ファンドが売り越せば、日本株は、
手もなく下がります。70:30では、対抗ができません。

本稿に書いたような,マネーの流れの過程を経ると見ています。
株価バブルが崩壊すれば、そのとき買いの、大きなチャンスがありま
す。そのときのために、今、現金のポートフォリオを増やしている個
人が多いでしょう。

海外ファンドの売り越しが拡大せずに終われば、こうはならない。
しかし、不動産価格の下落は迫ってきました。7月、8月の株価はどう
向かうか?

70%の投資家の予想とは、異なった動きになるでしょう。

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