クレディスイスの危機が表面化
This is my site Written by admin on 2023年3月16日 – 10:00
米国の地銀、シリコンバレー銀行(SVB)の破産に続き、国際銀行の
クレディスイスの危機が、表面化しています。

◎3月14日には、「資産の内部管理に重大な弱点がある」と発表しま
した。原因は、SVBと同じ、ドルとユーロの金利の上昇による「保有
債券下落による含み損」です。

ドル債券(ドル国債、住宅ローン担保証券のMBS、社債、他のローン
担保証券)では、約20%の含み損が想定されます。ユーロの金利も0
%付近から3%に上がるので、ユーロ建ての長期債も、約20%は下落
しています。

米欧の他の大手銀行に共通する危機ですが、クレディスイスは、株価
下落によるレバレッジ倍率の高さ(200倍)から、「カナリア」にな
ったのでしょう。

総資産は、1兆2940億フラン(185兆円)です。富裕層が1232億フラン
(17.6兆円:総資産の9.5%)を引き出し、資金繰り難が起こってい
るようです。

株価は1.7フラン(243円)であり、破産の水準です。クレディスイス
の資産規模は、シリコンバレ-銀行の約7倍と大きい。欧州、米国、
中国、アジア、中東、日本を営業地域にする国際銀行です。

10%の大株主はサウジアラビアです。サウジが中国の仲介でイランと
国交を回復したと軌を一にして、サウジがクレディスイスに資金提供
しないという意向をアイマイに示したので、危機が高まったのです。
(注)スイスにはオイルの中東マネーと、中国共産党マネーが集まっ
ています。銀行に行くと内装のデザインが中東風です。

スイスフランも、146円から142円に下がっています。スイスフランを
ポートフォリオでもっている方は、売って、円に戻しておいたほうが
安心でしょう。(注)長期的にはスイスフランはドルより強いでしょ
う。円より強いかどうかは、判定できません。

なお、銀行危機のときは、実物資産の金は上がる性格を持っています。
スイスフラン(下落)+金(上昇)のポートフォリオでは、損をしな
いことが多い。

ユーロも、インフレ対応として0.5%の利上げ予定であり(ユーロ債
は下落)、144円から140円に下がっています(3月16日)。

デフォルトの可能性が何%か、判定できません。クレディスイスの信
用格付けは、BBBマイナスであり、投機的水準の一段階手前です。

株価時価総額は、現在67.83億フラン(約1兆円)ですから、資産の0.
5%しかありません。この点だけを見れば、破産の可能性があります。

仮にデフォルトすれば、規模が大きいので、世界的な銀行危機になっ
ていくでしょう。(注)いよいよとなれば、FRBとスイス中央銀行が
救済するとは思います。クレディスイスは、国際金融資本の仲間です。

本稿は、緊急版として、有料版・無料版に共通とします。

【感想】
FRBとECBが、インフレ対応の急速な利上げを原因に、銀行の危機が起
こることを想定していたかどうか、不明です。当方は、1年前から警
告していましたが・・・金利上昇と債券価格の下落は、直接
に、以下の算式でつながっているからです。残存期間8年の長期債と
します。

発行額面100×
 {(1+発行金利)の8乗÷(1+現在の金利)の8乗}=時価

・・・1%の金利上昇につき、約8%、時価が下がります。

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