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<1ヶ月にビジネス書5冊分を超える情報価値をe-Mailで>
ビジネス知識源プレミアムVol.1
CRMシリーズ:CRM経営の本質を解く(創刊号第1部)
2001年9月4日:経営分野
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こんにちは、吉田繁治です。<ビジネス知識源プレミアム>のお申
し込み、ありがとうございます。本稿は、有料版の創刊号第1回で
す。サンプル版で予告していた「CRMシリーズ:CRM経営の本
質を解く」をお届けします。
【ミッションの3項】
(1)1ヶ月ビジネス書5冊分を超える情報価値をe-Mailで
(2)経営と仕事の、成功のための原理を基礎から示し、実践の原
則にして、関連する最新のビジネス知識・IT知識を提供。
(3)テーマの幅:経営問題・IT戦略・SCM・CRM・ロジス
ティクス・経済・金融・会計・ライフプランの時事情報等。
(以上のような目標で、有益な情報をお届けするよう努めます)
CRMシリーズ:CRM経営の本質を解く(創刊号第1部)
【目次】
1.テーマの趣旨
2.CRM経営の一場面を挙げれば
3.CRM経営で必要になる差別化や差異性ということ
4.LTV(顧客生涯価値)発想について
5.利益公式の6要素と、「個客」シェア
6.6種の逸失売上と、売上対策
7.顧客離反の原因調査
(次回へ続く)
●確認
有料版の最初ですから、基本事項の確認をします。
必要がない人はとばして、「1.テーマの趣旨」から読んでくださ
い。
【本稿はサンプル版の続きですが・・・】
サンプル版を読まなくても理解ができるように記述の工夫をしてい
ます。サンプル版は↓ここで読むことができます。
http://premium.mag2.com/sample/P0000018.html
【ビジネス知識源プレミアム】
1.発行 毎週火曜日(+増刊月2回程度)
2.購読料 月間600円
(注)購読料は、1ヶ月読み続けたときの課金です。クレジットカ
ード支払いの方は、継続すれば、1ヶ月単位での自動引き落としで
す。ジャパン・ネット・バンクからは月単位の振りこみです。
(ここから本文です)
■1.テーマの趣旨
21世紀型経営の核は、大きく言って2つです。
混乱している思考と戦略の柱の整理ができます。
大切なことは複雑な事象を単純に切ることです。
【21世紀へ向かう、2つの経営技術の核】
(1)サプライチェーン・マネジメント(SCM)、またはデマン
ドチェーン・マネジメント(DCM)
(2)CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
本シリーズでは、上の2項のうち、CRM経営を解きます。
理由は、
(1)CRMの適用で、最も大切な「マネジメント=組織活動」の
部分がいつの間にか抜け落ち、
(2)CRMの、ソフトウエア・パッケージをいれることが目的に
なっていることが多いからです。
SCMもCRMもソフトウエアでなく、最後のM(マネジメント=
組織活動)が重要。本稿はその〔M〕の部分を解くものです。
▼本シリーズの趣旨
本シリーズ(数回の計画です)は、CRMソフトを解説するのでは
なく、「CRM経営の本質」を明らかにすることが目的です。
CRMやSCMで大切なことは、細かい方法を知る前に、原理を本
質からつかむことです。そうすれば、応用が効きます。原理をつか
まないと、実行のプロセスの複雑さで、混乱することになる。
【記述の方法】
CRMに限らず、<ビジネス知識源プレミアム>は、原理の本質を
単純化して解きながら、具体的な事例を示す方法をとります。
記憶に残り「実践で華ひらく方法」だからです。藪に迷うと、具体
策で迷う。原理を記憶できないと、〔場〕での応用ができない。
【CRM経営の本質の2項】
CRM経営の本質は、
(1)カスタマー・セントリック(顧客を中心に置く)の経営組織
を作り、
(2)顧客との関係を深め、良好な状態を維持することを「不断」
の目標にした経営活動、部署及び個人の仕事の改善活動です。
【言い替えればカスタマー・セントリック(顧客中心経営)】
言葉ではすんなり言えます。実際のCRMの活動は、徹底すれば2
0世紀型の経営を逆転させるくらい劇的なことに向かうのです。
▼方法
【CRM経営は継続的な改善活動】
CRM経営に、完成はない。
日々の会社の活動、社員の1人1人の活動を、「顧客が感激を受け
るサービス、良好な顧客との関係の維持、顧客ロイヤルティの強化
」に向かって、改善を続けるジャーニー(経営の道程、修行)です。
【CRM経営は、全部門活動】
CRM経営は「カスタマー・サービス部門」を作ることではありま
せん。
それは単に顧客との窓口に過ぎない。カスタマー・サービス部門を
作るなら、そのカスタマーサービス部門はトップを含め会社の全部
署に、「作業命令」を下せるポジションでなければならないのです。
▼一方で、20世紀の経営
20世紀型の経営は5項目に集約できます。
(1)作業の規格化と、商品の規格化・量産でコストを下げ(テー
ラー主義、またはフォード主義)、
(2)規模の経済性原理を使い、企業組織と流通の範囲を規模化し
(3)店舗は大型化して、商品の種類を増やし、
(4)More Merchandise to More People(もっと多くの商品をもっ
と多くの人々に:ケネディ大統領)を、実現することでした。
(5)商品を供給することが、経営の終点(Goal)だった。
このことの基本的な正しさは変わらない。ここを間違えないこと。
例えば低生産性分野(米国比較で60%~70%)である金融・流
通・建設・サービスでは、規模化・規格化を経由する必要がある。
これが、進行します。産業の構造改革ですね。
高度成長経済は〔作業の規格化・商品の規格化〕、〔量産・量流〕
で実現されます。高度成長前夜である世界の50億人では、これが
進行する。13億人の中国は、その第1波の軌道に乗りつつある。
【今後のビジネス】
ところが、日本を含む約10億人のOECD諸国では、量をベース
にしつつも、
(1)個の需要やニーズ、
(2)差異性への欲望、
(3)個別的なハイサービス化のニーズを、コストダウンし産業化
することが、ビジネスの新たな挑戦課題になるのです。
以上のことを見通しておけば、必要戦略が何であるかフォーカスで
きるでしょう。
▼コストダウンと、二種の品質についての注
〔創出される事業利益=平均値(または過去の方法でのコスト)か
らのコストダウン幅〕、これを、〔商品品質・サービス品質〕を高
めながら行うのが事業です。
商品品質とは、顧客に引き渡される有形の、物理的なものの質です。
サービス品質とは、顧客との間に交わされる無形の、対人的なもの
の質です。
20世紀型経営も、商品の品質には敏感でした。品質は命であると
する企業は多い。商品は購買で顧客のものになり、会社の在庫から
は消えます。会社には売上が立ち、利益が生じる。
20世紀は、相手に渡す商品の品質を、顧客との関係のキーと考え
た。
【CRMの時間軸思考】
ここで、もう1歩考えを深めて欲しいのです。
商品の品質が活(い)きるには、顧客に渡った商品の品質が、顧客
の生活場面で活きて使われなければならない。
そうすれば、次の購買に結びつくのです。
(1)サービス提供で商品が活き、次の購買に結びつけば、
(2)サービスのコストは、次の「可能売上」が高まることに比例
して、低下する。
これが、ハイサービス化がもたらすコストダウンの性格です。
21世紀経営の成功のキーですね。
といっても、まだわかりにくいでしょう。
この数10行あとで、商品品質を生活場面で活かした例を示します。
(登場する商品は、「貴酒銘柄のシャンぺーン」です)
【以降の事例についての、経営原理的なことを、あらかじめ】
「貴酒銘柄のシャンぺーン」は、商品の物理的品質は良質です。。
それを、劇的に「活かしたサービス」の事例です。
これよって、
(1)商品が引き渡された後のLTV(顧客の生涯価値=可能累積
購買額の現在価値)が、
(2)サービスのあらかじめの投入によって高まり、
(3)結果的に、サービスコストも低下します。
「継続購買による顧客の生涯価値」は↓サンプル版を参照してくだ
さい。
http://premium.mag2.com/sample/P0000018.html
――――――――――――――――――――――――――――――
■2.CRM経営の一場面を挙げれば
CRMで必要になる「現場への権限委譲:empowerment」ということ
を、事例を交え示します。
サービスでは、顧客と接する現場社員の、「場での判断」が必要に
なる。商品は規格品でも、場と場での顧客の要求は多様です。現場
が裁量権を持っていないと、個別性をもつハイサービスは提供でき
ないのです。
【20世紀型コストダウンの方法】
20世紀型のコストダウンは、「現場作業の規格化」と「判断の中
央集権」でした。
作業工程と方法を示したものが「作業マニュアル」。作業マニュア
ルに従った作業を行うことは、会社が報酬を与える根拠になるもの
ですね。規格化された作業、商品サービスを、顧客に一律に、均質
化して提供する。
品質均質化の方法は、QCでした。
こうした組織では、指示や作業方法の決定は上から来た。
【規格化企業の到達系】
マクドナルドでは、店舗の社員が顧客をお得意様扱いすることはあ
りません。何回行っても同じ挨拶と動作、声、笑顔。現場社員の判
断や裁量は、ゼロです。こうした企業は、規格化のレベルの高質性
・均質性で勝負です。これはこれで、価値がある。
規格化単品(ハンバーガー)を売るマクドナルドには、細分化すれば
25,000種のノーハウがあると藤田田は言います。
マクドナルドと対極に、リッツ・カールトンというホテルがありま
す。ここは、ハイ・サービスで評判の一流ホテルですね。高質なハ
イサービスとは何か?
▼ビーチでプロポーズ
若い二人連れがリッツ・カールトンにチェックインした。男は、プ
ロポーズにYESを言ってくれない女性のこころをつかむ、最後の
機会と思っている。
海に映える夕日をバックに、砂浜のビーチパラソルで、豪華に盛ら
れた前菜とシャンぺーンを演出にし、メッセージカードをつけプロ
ポーズしようと男は考える。
そのリッツ・カールトンの規則では、夕刻はビーチのサービスは終
わることになっていた。パラソルを片付け始めた黒人のギャルソン
に、男はプロポーズのシナリオを言う。ギャルソンは、頷(うなず)
く。
しかし男は規則なら無理だろうと思っている。現場のギャルソンが
会社の規則を変えられるはずがない。仕方がない、夕日だけで済
まそう。
夕日が沈み、海に輝いて映える時刻に、二人は出かける。
砂浜に出ると、ビーチパラソルがひとつポツンと見えた。
近づくと、純白のテーブルクロス、大皿に盛られた見事な前菜、指
定した銘柄の冷やしたシャンぺーン、満面の笑みのギャルソンが到
着を待っていた。
シャンぺーンの銘柄が、入手困難な、女性の母が父からプロポーズ
を受けた時のものであるのを見て、彼女はすべてを悟った。
男は、翌朝、ホテルの清算をする。浜辺の料金が、チャージされて
いない。不審に思い尋ねると、マネジャーが「お二人の、幸せのた
めの、当ホテルからのプレゼントです」と微笑で答えた。
あとで結婚した二人が、ファン客になったのは言うまでもない。
▼顧客単価と生涯価値
リッツ・カールトンは、顧客を1回限りの「顧客単価」とは考えて
いなかった。LTV(Life Time Value:生涯価値)で顧客をみて
いた。
「生涯価値」で言えば、顧客が困っていることを助けることは、有
効なサービスになる。販売が終点になる量産・量流では、浮かばな
い発想が、販売を関係作りのスタートポイントとするCRMですね。
▼アフターサービスの、アフターとは?
規格品量産・量流では、サービスはアフターサービスという概念だ
った。なぜアフターか。顧客との関係が、1回1回の販売で終わる
から、「アフター」サービスであり、要求に渋々応じるコストにな
る。
顧客生涯価値の発想では、商品とサービスの提供の関係は続いてい
る。そうなると、アフターサービスはコストではなく、顧客との関
係を維持し高めるために提供すべき、プレ・サービスの価値(Valu
e)になる。
▼CRM原理の再掲
会社は、
(1)顧客が抱えている問題の解法(ソリューション)を提供した
り、
(2)顧客の、潜在的、または顕在的なニーズを満足させるための
代理人(エージェント)であるとの、「事業の定義」から出発する
のがCRMでしたね。(→第1部)
【実践】
このギャルソンは、(1)顧客のエージェントの役割を果たし、(
2)頑固な料理人がいる厨房と、(3)ルールがあるピラミッド組
織を動かした。
命じたのは、ビーチで困っていた一人の若い男です。
リッツ・カールトンでは、顧客のエージェントをギャルソンの現場
サービスで実践した。
【裁量権の委譲があった】
実は、リッツ・カールトンはギャルソンに月に$2000の枠で、
「お客様のニーズを満たすための自由裁量」を与えていたのです。
ギャルソンは、場を判断し、有効に使う機会だと考えた。
▼権限委譲ということ
こうしたことが、CRM経営で必要になる「現場の判断による裁量
権」、言い換えれば、権限の委譲(empowerment)です。
empowermentは、21世紀の組織運営の、キー概念のひとつです。
伝説のサービスのたぐいの逸話は多い。
ここで重要なことは、
(1)個人の工夫や創意、その都度の思いつきではなく、
(2)システムとして、リッツ・カールトンの事例にあるようなハ
イ・サービスが生まれる制度をつくることです。
そのとき必要になるのが、末端の現場社員への権限委譲です。
目標へのコミットメントの習慣のない日本では、権限委譲が、部下
に勝手な裁量権を与えるものと誤解されています。empowermentは、
もっと明確な目的と枠をもっている。
▼方法:精神をあらわす「ガイド」
顧客の、各場面での、多様なニーズや要求への対応を網羅した規格
作業を作ることは不可能です。
(1)サービスの精神をあらわす「短いガイド」があり、サービス
の精神を教育する。
(2)従業員は、良い仕事をしようとしているとの人間信用と、
(3)顧客は感激したサービスの何倍もの果実をもたらすという、
顧客を信用する精神がある。
<ギャルソンはお客様の要求に応じ、お客様を満足させるサービス
提供すること>
現実は、これに反する現場サービスが充満しています。精神の徹底
がない。何かといえば会社が作ったルールを顧客に押し付け、それ
が仕事だと考えている。
(そうだからこそ、徹底したときの顧客の感激と、感激が生む事業
の機会がある)
顧客信用が得られないと嘆く人は多い。
その前に、従業員を信用しているか?
そもそも、顧客を信用しているか?
人間観が問われるのが、CRM経営です。
私は、人は信用に応えると思っています。
しかし、経営トップには意外に人間不信が多い。
もう1つの例を挙げましょう。
▼小さな食品スーパー:Stew Leonard’s(ステュー・レオナルド)
コネチカット州とニューヨーク州に、家族経営の食品スーパー、ス
テュー・レオナルドがあります。米国では、食品スーパーは数千店
舗の大チェーンばかりですが、ここはたった3店舗です。
カスタマー・サービスを実践している、アットホームなサービスの
超繁盛店です。ご存知の方も、多いでしょう。
▼社是とミッションステートメント
【社是】
規則1:お客様は、どんなときも、正しい。
規則2:万一お客様が悪く思えることがあれば、規則1を読みなお
せ。
【ミッションステートメントは1行】
われわれの使命は、お客様のしあわせを生むことである。
食品スーパー、レオナルドの社是は、店の玄関の御影石に刻まれて
います。
Rule1:Customer is always right.
Rule2:If customer is ever wrong, reread Rule 1.
ビジネスは、人間観の提供でもあります。
人間観の原則を「徹底」すれば、社員は、千差万別の現実の場面で
どう判断し、何を実践すべきかの枠がわかる。
レオナルドのような社是やミッションを経営用語では、
Value Proposition(他とは違う価値の提供)と言っています。
大チェーンではないことを不利とするのでなく、大チェーンができ
ないことであり、顧客が欲していることを提供するという姿勢です。
↓ホームページを見ても、心温まる雰囲気は、伝わります。
http://www.stew-leonards.com/default.asp
サービスは規格化が難しく、個別的(差異的)な場の判断による。
どうやって差異の経済性を成立させるかが、課題になります。
▼量の規格性と、個の差異性
〔量の規格性と個の差異性〕を両立させること、これが21世紀経
営の挑戦です。
【20世紀産業の象徴】
象徴的な言葉が、「More Merchandise to More People」でした。
一律の商品と一律のサービス。そのための機械化であり、産業化、
作業の均質化だった。教育は、もともとは個性がある人間を型に嵌
(は)めることことだった。20世紀は、人間性の一部しか解放し
なかった。
規格化と量産、量流の目標は「貧困からの脱出」だったのです。
【20世紀型は、購買で満足とする】
量産では普通は、販売が終点です。なぜならそこで、欲しいモノを
与えるという行為が終わるからです。モノを入手すれば、顧客は満
足すると考えたのが量産思考でした。
【21世紀型は、購買が始点とする】
一方、CRM経営は販売を終点とは見ない。販売は、おつきあいの
スタートポイントとする。サンプル版で解いた「LTV:顧客の生
涯価値」の基本思想です。
これを、わかりやすい表現で、顧客の立場に立つといいます。
顧客は、買ったときが製品使用のスタートですから。
最近の、マイクロソフト用語では、Customer Experience(顧客体
験)とも言っています。意味は同じです。
【商品とサービス提供の現場がすべて】
CRM経営では、今日の商品と、ピラミッド組織の最末端のサービ
スが、顧客が受け取る全てと考えます。
会社の使命や理念は、今日の現場で実行されていない限り意味がな
い。
CRMで要求されるサービスは、現場での即時対応と、個別性の要
素を多く孕(はら)みます。あらかじめのメニューにない、〔場〕
での応用が必要なことが多い。商品やメニューは同じでも、顧客の
使い方は同じではないからです。
つまり、Customer Experience(顧客体験)と言ったとたんに、企業は
CRMという、空間(3次元)に時間軸が加わった4次元に入った
ことになる。20世紀経営はモノの提供の3次元経営、21世紀経
営は生活をサポートする4次元経営ですね。
これが顧客の立場に立つことのイメージです。
■3.CRM経営で必要になる差別化や差異性ということ
【キーワード】
「More Different Value to More People(もっと多くの人にもっ
と違った価値を)」が鍵ですね。10億人のOECD諸国の、経済成長の
起爆剤であり、企業成長の方向になる。
▼製品とサービスの差異化で普遍的に使える4つの問い
「価値曲線」という製品とサービスの差別化開発の方法があります。
基本は、以下の問いと比較採点によって、有効な製品仕様や、サー
ビス仕様をつめます。ゆっくり読んで想像をめぐらせてください。
(1)業界標準(または平均や競争相手)と比べて、思いきり減ら
せる、顧客にとって不要な要素はなにか?
(2)業界標準(または平均や競争相手)と比べて、大胆に増やす
べき、顧客にとって必要な要素はなにか?
(3)業界の暗黙の常識として、製品に備わっている要素のうち、
顧客にとっては不要で、取り除けるものはなにか?
(4)業界(または競争相手)ではこれまでは提供されていないが
顧客にとって必要で、付け加えるべき要素はなにか?
鋭敏な人なら、この4項だけで、明日にも製品やサービスの差異化
戦略を立てることができるはずです。
横並び、二番煎じが得意だった日本では、特にこうした「製品価値、
サービス価値の差異化」が必要です。「業界標準」のところに競
争相手、または〔目標としている会社・商品・サービス〕をいれて、
具体的に考えればもっとクリアにわかるはずです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【差異化の価値曲線を作るための4つの問い】
(1)〔 〕と比べて、思いきり減らせる、顧客にと
って不要な要素は何か?
(2)〔 〕と比べて、大胆に増やすべき、顧客にと
って必要な要素は何か?
(3)業界の暗黙の常識として、製品(またはサービス)に備わっ
ている要素のうち、顧客にとっては不要で、取り除ける要素はなに
か?
(4)〔 〕ではこれまでは提供されていないが、顧
客にとって必要で、付け加えるべき要素はなにか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以上で、
(1)CRMの基本発想、
(2)CRM経営で必要な権限委譲、
(3)及び商品とサービスの差異化という3本柱を示しました。
■4.LTV(顧客生涯価値)発想について
顧客生涯価値の事業発想は、
(1)20世紀経営的な、商品を軸とする商品別の売上発想ではな
く、
(2)21世紀経営の、顧客の購買行動を主軸に据えて、事業活動
の全域をコントロールするものです。
▼商品軸での経営
【商品軸での要素】
商品を軸にした方法では、(1)商品の品種(機能別分類が品種)
、(2)価格、(3)及びアイテム(品目)が、売上集計と売上解
析の3つの基本要素でした。
それに、商品属性(原材料、カラー、機能、サイズ、量等)を加え
た。商品売上分析とは、およそ以上の要素に分解できますね。
売上=品種別売上合計=価格帯別売上合計=アイテム別売上合計=
商品属性別売上合計、です。
【マネジメントサイクル】
毎週(ウイークリー・マネジメント)、毎月(マンスリー・マネジ
メント)、4半期(クオーター・マネジメント)、年間計画が、商
品マネジメントの期間(サイクル)です。
ここでは、売上の増減は、品種・価格帯・アイテム・商品属性別の
数量と単価変動として捉えられます。
したがって問題解決の対策は、商品対策になる。
(こうしたことを、暗黙の事業経営の枠組みと言います)
20世紀経営は、商品軸での経営が主だった。
会社と顧客の関係を、商品を通じて見ていたのです。
▼顧客軸での経営
一方、顧客生涯価値(LTV)では、顧客(Customer)との時間軸での関
係(Relationship)でとらえる。
(1)最初の、新規顧客としての購買から
(2)リピート購買
(3)購買の継続が終わる離反までをとらえます。
売上は、顧客の行動からは、以下のように要素分解される。
当月売上=顧客単価×(購買歴ありの総顧客数×当月購買率+当月
新規顧客数)
顧客単価5千円、購買歴ありの総顧客数2万人、当月購買率50%、
当月新規顧客2千名なら、
(当月売上)60百万円=5千円×(2万人×50%+2千人)
売上の増減の要素は、(1)顧客単価の増減、(2)当月購買率の
増減、(2)当月新規顧客数の増減です。
【CRM経営のマネジメントサイクル作り】
当月売上の分析で、顧客単価の増減(商品軸)に、購買歴ありの顧
客の購買率と、新規顧客の増減の要素を加えることです。
これを毎週(ウイークリー・マネジメント)、または毎月(マンス
リー・マネジメント)、4半期(クオーター・マネジメント)、年
間計画のマネジメントサイクルに、組みこんだ検討課題にする。
これが、CRM経営のマネジメントサイクル作りになるのです。
▼売上の増減の要因
【顧客数が増加しているときの内容】
平均顧客単価を一定とし、当月来店購買率が一定で、新規顧客が毎
月2千人であれば、毎月の売上が以下のように増加します。月間増
加高は、〔5千円×2千人×50%=5百万円〕
1月売上:60百万円=5千円×(2.0万人×50%+2千人)
2月売上:65百万円=5千円×(2.2万人×50%+2千人)
3月売上:70百万円=5千円×(2.4万人×50%+2千人)
【顧客数が一定になるとき】
売上の伸びが止まるのは、当月顧客数が一定になったときです。
・購買率(平均月間リピート率)が4ポイント低下したとき、
4月売上:70百万円≒5千円×(2.6万人×46%+2千人)
・購買率は一定で、新規顧客がゼロのとき、
4月売上:70百万円≒5千円×(2.6万人×50%+0人)
実際は、この中間的なことが起こります。
4月売上:70百万円≒5千円×(2.6万人×48%+1.6千
人)
ここで重要なことは、
(1)購買歴ありの顧客の当月購買率で、わずか2ポイントの低下、
(2)当月新規顧客の400人の減少で、売上の伸びがゼロになる
ことです。
これに年5%から10%の単価下落が加わった状態が、今の日本の
平均的な状態です。
商品から見るのではなく、購買行動の動きが、数字で見えるように
なりましたね。これが、出発点です。
【平均購買率の低下】
平均的な購買率(月間リピート率)の低下は、二つの要因に分解で
きます。
(1)離反客が増え、その人たちの来店購買がゼロになった。
(2)全体の顧客の、平均的な購買回数が減った。
【顧客単価の要因】
以上にくわえて、実際は顧客単価の変動があります。
当月顧客単価=1回購買単価×当月購買回数です。
これは、
当月顧客単価=(商品単価×1回購入数量)×当月購買回数に分解
されます。
当月購買回数とは、当月来店購買率と同じで、これが50%なら
0.5回/月になりますね。2ヶ月に1回来店購買する状態です。
▼「ブランド・スイッチ(離反)」ということ
顧客が店舗を変えたり、愛用の品目を変えることを「ブランドスイ
ッチ」と言います。ブランドスイッチは、顧客にとって「スイッチ
するリスクとコストが低い商品やサービス」ほど起こりやすい。
例えば、銀行口座や生命保険は、手続きが面倒でブランドスイッチ
のコストが高いので起こりにくい。
店舗は、新しい店舗が側にでき、商品差・価格差がなければすぐス
イッチが起こります。
自動車は、その中間です。米国の調査では、つぎに車を買うとき同
じメーカーであるロイヤルティ率は40%、言い換えれば、ブラン
ドスイッチ率(離反率)は60%です。
※このロイヤルティの低さを知った自動車メーカーから、顧客の生
涯価値の概念が生まれたのです。
航空会社から始まったマイレージ(ポイントカードと同じ)は、ブ
ランドスイッチが極めて起こりやすい航空会社の選択で、ブランド
スイッチを防止するためのものです。
以上の要因をまとめると、以下に示す利益公式になります。
■5.利益公式の6要素と、「個客」シェア
<わが社の利益=全体需要×「顧客数シェア率」×「個客シェア率」
×粗利益率+「スーパー・エージェント効果」-コスト>
・顧客数シェア率=当社を利用した顧客数÷商圏人口または世帯数
・個客シェア率=当社を利用した個客の平均売上÷当社の商品分野
のマーケット総需要を人口(または世帯)あたりにしたもの。
・スーパーエージェント効果=ロイヤルティの高い顧客の口コミで
、新規顧客が増加して得られる粗利益高
(スーパーエージェント効果の逆を、テロリスト効果と言います。
口コミで顧客が逃げること。(笑))
「顧客数シェア率」と、「個客シェア率」を組合せ、更に「スーパ
ーエージェント効果」を加えることで、マーケット戦略の重点が見
え、戦略が奥行きをもったものになります。
ここで、個客シェア(額)を、単年度ではなく、時間軸を延長して
「初めて当社の顧客になってから離反するまでの総合計の売上」で
見ると、LTV(Life Time Value:顧客の生涯価値)になります。
▼LTV(顧客の生涯価値)の算出公式
LTV総額=全体需要×「顧客数シェア率」×「個客シェア率」×{
1÷(1-当社での継続購買率)}
・顧客数シェア率=当社を利用した顧客数÷商圏人口または世帯
・個客シェア率=当社を利用した個客の平均売上÷当社の商品分野
のマーケット総需要を一人当たり(または世帯当たり)にしたもの。
・当社での継続購買率=個客が翌年度も、当社の顧客として継続す
る率
※一方、〔離反率=1-当社での継続購買率〕です。
「ブランドスイッチ率」と言っても同じです。
(注)LTVの利用は、始まったばかりです。各社バラバラで共通
用語がありません。本稿を通じて、共通用語(共通概念)を作るつ
もりで書いています。
▼「逸失(いっしつ)売上」の概念
顧客数シェアとは異なる、「個客シェア」の概念の導入によって、
「逸失売上」という概念が導けます。
個客シェア額 =当社の獲得売上
可能個客シェア額=当社の獲得売上+逸失売上
※逸失売上は他社での購買になっている。
【逸失売上の計算】
逸失売上は、2つの方法で算出することができます。
(1)仮想的逸失売上=(当社の商品分野の、1人あたり総需要額
―当該個客売上)
(2)現実的逸失売上=(当社で購買の多い上位5%の、1人当た
り売上―当該個客売上)
「仮想的逸失売上」は、経済産業省統計の品種需要総額で計算はで
きますが、実際の政策では、現実性のない売上になります。
理由は、他社・他店との競合要素が加味されていないからです。
「現実的逸失売上」は、競合の中で、当社を選択した個客の購買上
位5%の平均との比較です。競合要素が加味された後の、現実的な
逸失売上ですね。個客別売り上げを並べればすぐわかります。
現実的逸失売上は、ロイヤルティが高い上位5%グループの購買に
比べて、何らの原因で、購買が少ないことをあらわしますね。
その、「何らかの原因」を確定することが、対策になる。これが、
具体策です。ここまでの予備概念の整理で、次第に核心に近づいて
きました。ちょっと、コーヒータイム(笑)
■6. 6種の逸失売上と、売上対策
現実的な逸失売上は、現在の当社商品で実際に購買している上位グ
ループの個客5%と、それ以外の95%の比較から見える機会損失
です。
現実的な逸失売上は、現状の商品政策を大きく変更する必要がなく
、獲得できる可能性が高い売上です。
一般化すれば、以下の「6種の需要のカタマリ」をとりこぼしてい
ることが多い。
各業界に共通して、以下に示す6つの需要のカタマリがあります。
(注)例から想像力を喚起し、自分の業界に当てはめること。
(1)ライフ・ステージ・マーケットからのとりこぼし
ライフ・ステージ・マーケットとは、誕生、入学、誕生日、進学、
結婚、就職、旅行、レジャー、行楽、所属するコミュニティの行事、
転居、住宅購入、昇進、加齢、転職、退職、年金生活、死亡・・
・といった、「人生と生活の節目」での需要です。我が社の商品で、
こうした大需要を、個客の属性別に、時間軸で把握できているか
どうか。
「日常生活のお祭り化」が、現代需要の性格です。誕生日などはそ
の典型です。
(2)アップ・セリング・マーケットからのとりこぼし
現代の消費では、個客の予算は、商品とサービスへの納得が鍵で、
大きく伸縮する性格をもっています。例えば、500円のコンビニ
弁当、牛丼のお店の客は、その価格の食事しかできないということ
ではない。
同時に8千円のイタリア料理のお店の客でもある。同じ店では、カ
レーライスの客が、ステーキの客でもある。
(注)こうした顧客の購買行動を無視した商品の価格帯分析は、
500円のコンビニ弁当に顧客を固定化して見ていることになります。
これでは顧客の一面しか見ていない。
予算を伸縮させる鍵は、CS(顧客満足度)の高さです。
CSが高まれば予算が拡大し、高付加価値商品、高価格商品のアッ
プ・セリングができる。顧客の「こころ」に触れるブランド・アイ
デンティティですね。
(3)クロス・セリング・マーケットからのとりこぼし
クロス・セリングは、関連商品、同時購買商品の販売のことです。
ロイヤルティの高い5%は、関連商品購買が多い。
上位5%の購買商品歴を集計し、パターン化(RFMI分析)する
ことで、クロス・セリングできるものが、実際にわかります。クロ
ス・セリングとは、主力の商品に関連する商品やサービスの提供で
す。
(4)アフター・セリング・マーケットからのとりこぼし
アフター・セリングは商品購買の後の、使用過程で次々に現れる需
要です。このアフター・セリング・マーケットは、主力商品の2倍
以上になることが多い。
車で例えれば整備、部品交換、修理、備品提供・・・パソコン、事
務機器、コンピュータソフト、ファッション、食品、住宅、家具で
も同じです。例に挙げたリッツカールトンでも同じですね。
アフターサービスは、アフター・セリング・マーケットを獲得する
プレ(事前)サービスであることが本質です。
(5)顧客と企業の相互学習マーケットからの取りこぼし
顧客は、購入した商品の使用で、企業側が思ってもみなかったよう
な使い方をし、需要爆発を起こすことがあります。
例えば、オフロードカーのコンセプトで開発・販売された三菱バジ
ェロが、実際の使用では、ファミリーのシティーカーだった。これ
で、プロモーションと顧客層が変わる。ここに企業が気がつかなか
ったら、需要を逃がしたことになる。
当初、NTT風な発想でビジネス用として開発・発売されたポケベ
ルや携帯電話が、実際は、高校生・大学生の間で需要爆発し、商品
のデザイン・機能、販売促進が変わった例。
(逆に今、ビジネス用でしかもスマートな携帯電話のデザインがな
い。みんな遊びっぽい。どうして、こんなに横並びなのか?)
以上を顧客の実際の使用から、企業側が読みとらないと、供給の需
要のミスマッチで需要を逃がす。
(6)顧客の紹介利益効果の取りこぼし
個客シェアが高く、ロイヤルティの高い個客は、企業の販売代理人
(スーパー・エージェント)になる。これを強化するためのサービ
ス提供を知らないと、最も強力な販売拡大の機会を逃がす。
以上6つのシェア(LTV)拡大の観点から、わが社の販売、主力
商品、サブ商品、サービスの全体を見なおす。
個客との関係の強化(評価尺度はLTVの上昇)ができると、個客
は自主的に「スーパー・エージェント」になる可能性が高まる。
売上と利益拡大の機会は、いくらでも、ころがっている。
経営資源を殺すのが、「チラシ、DM、営業マン、テレフォン・セ
ールスをばらまく硬直化した思考方法」です。
これは時として、テロリストになる。
以上6つの需要のカタマリは、思考の軸にすべきものですね。
■7.顧客離反の原因調査
会社は、購買客を記録・分析することはできます。しかし、離反客
、または現在の離反すれすれの膨大な顧客はどうするか。離反の原
因を、会社トップはわかっているのか?離反の原因がわからなくて
、どうやって顧客ロイヤルティを高め得るのか?
この問いを発するのがフレデリック・F・ライクヘルド(Bain&Com
panyディレクター:顧客ロイヤルティ向上業務担当責任者)です。
ライクヘルドがまとめた(『Customer Defections:離反顧客分析
からの学習』ハーバード・ビジネス97年第5号)から、その要旨を
抜粋しつつ、この問題への解法を示します。
▼離反原因の調査・分析を避ける理由
顧客の離反の原因調査と分析を避ける理由として、会社は以下の6
つの共通項をもつと、ライクヘルドは言います。
(1)綿密に失敗を究明することは愉快でなく、失敗を分析すると
自分の立場が危うくなることがある。
(2)離反原因は、多くの場合、確認することが困難である。
(3)保持する価値のある顧客を知ることは、容易ではない。
(4)離反原因を明らかにし、適切な教訓を得ることは困難である。
(5)社員に教訓を学ばせ、それを活かすことは容易でない。
(6)離反原因がわかっても、その対策を戦略にすることが、困難
である。
離反原因調査・分析は、大切だと思っていても、実際はやりたくな
いと言うことです。あなたの会社、店舗はどうでしょう?愉快なこ
とではない。生傷に触るようで、痛みがあるからです。
自動車メーカーで、他ブランドへのスイッチの原因調査をやったと
ころ、販売現場で、原因調査表の結果を書きかえることが頻発した。
だれでも、失点になるのは嫌だからです。
じゃどうするか? 正確な原因を知ることが、正確な対策を生むこ
とは当たり前の原理。蓋(ふた)をして済ますか、蓋をあけるか。
▼離反率を下げることの劇的な効果の認識から
LTV総額=全体需要×「顧客数シェア率」×「個客シェア率」×
{1÷(1-当社での継続購買率)}
(注)LTV総額は、「顧客エクイティ」とも言います。当社の現
在から将来の売上の総額です。
LTV総額の計算式で(1-当社での継続購買率)は離反率です。
離反率が30%の時は〔1÷0.3=3.3〕ですが、20%に低
下すれば〔1÷0.2=5.0〕
このことは、現在から将来の会社の見込み売上総額(=LTV総額)
は5.0÷3.3=1.5倍になることを意味する。
ある店舗の開店から将来の閉店年度までの、総売上の現在見込みが
顧客の年間離反率30%で100億なら、離反率が20%になれ
ば150億円に上るのです。
離反率を下げることの重要性の、全社的認識の深さが、離反原因の
調査・分析という「失敗の原因分析」の苦痛を乗り越える動機付け
です。
この認識が浅ければ徹底ができず、失敗の原因隠し、かばいあい、
原因の転嫁に終わる。
▼離反原因の調査方法
一体、方法はどうするのか?
(1)調査会社に名簿を渡し、質問項目を決め調査を依頼する。
(2)会社のトップ・幹部自らが、離反客に電話をし、対話調査を
する。
【効果的な方法は?】
(1)質問項目を、5項目前後決め、
(2)離反客のサンプリングで、
(3)トップマネジメント・幹部1名に対し、30名から40名の
「離反客」、及び「販売が低下している顧客」を選定し、
(4)電話での対話調査(テープ記録)をする。
およそ15名くらいの調査が終わった時、結果をもちより分析し、
質問事項をより効果的なものに変えます。
全部署の現場を知るための、そして現場改善するためのベストの方
法とされています。トップが現場を歩くことが、現場を知ることで
はない。顧客との対話が、現場を的確に知ることです。
【新規顧客も同じ】
新規顧客は、他社から離反して当社の顧客になった人たちでもあり
ます。
同じ方法で、他社から当社へ「ブランドスイッチ」した肯定的な理
由を知ることができます。
(1)質問項目を、5項目前後決め、
(2)新規顧客のサンプリングで、
(3)トップマネジメント・幹部1名に対し、30名から40名の
「新規顧客」を選定し、
(4)電話での対話調査をする。
同じ方法で「ロイヤルティの高い中核顧客」も調査の対象にすべき
ですね。これで、離反客、新規客、お得意様の3種のデータが集ま
る。
電話をするとき顧客を恐れる必要はない。「すべての顧客は責任あ
る人との対話を欲している」からです。結果によっては会社の現場
が、パニックになる可能性はありますね。人は、本当のことを知ら
れるのが恐いからです。しかし本当の原因を知らなければ対策では
ない。
離反率を下げることの重要性の、全社的認識の深さがあるかどうか、
ここでテストされる。新規顧客を対象にしたブランドスイッチ調
査を、先にやり、「ショックへの耐性」をつけるのもいいでしょう。
これらは「悪魔的手法」で、劇薬でしょうか?(笑)
この調査で、
(1)新規客から得られる、商品とサービスに対する肯定的な原因
(2)離反客および、離反予備軍の顧客からの否定的な原因、
(3)中核顧客の、ロイヤルティの高さの原因を集計すると、顧客
の目からみた改善点、強化すべき点が、どっさり見つかります。
(→商品とサービスの差別化は「価値曲線」を使った差異化開発方
法の項を参照)
「値千金の情報」とは、こうした直接情報を言います。
ここで、創刊号の紙幅が尽きました。
<ビジネス知識源プレミアム:CRM経営の本質を解く(創刊号第
1部)>の内容はいかがでした?
(・・・若干、記述の圧縮のしすぎですか?)
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■著者: 吉田繁治 systems research ltd.
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