こんにちは、著者の吉田繁治です。8月から新しく発行する<ビジ
ネス知識源プレミアム:有料版>のサンプルをお届けします。
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<サンプル版:CRMの経営の本質を解く(第1部の目次)
1.<ビジネス知識源プレミアム>のご案内
2.本サンプル版のテーマはCRM経営
3.CRM経営とは、なにか?
4.LTV(Life Time Value:顧客の生涯価値)とはなにか?
5.まだ知られていない「スーパー・エージェント」の概念
6.LTVの深化
(第2部へ続く)
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■1.<ビジネス知識源プレミアム>のご案内
【ミッション】
有料版を発行するにあたりミッション(使命)を掲げます。最初か
らミッションを実現できるかどうか、不安もあります。日々、研鑚
を積み、インタラクティブな方法で、育てたいと思っています。
▼ビジネス知識源プレミアム:ミッション・ステートメント
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【1】1ヶ月でビジネス書5冊分を超える情報価値を
高度なことを解きほぐし、分かりやすくするのが記述の方法です。
1ヶ月で、<ビジネス書5冊分を超える内容>を圧縮し、本質を解
きながら、<週刊+増刊>でお届けします。
◎時間がない、基礎が分からない、原理や方法の本質を知りたい、
及び最新情報を得たいという方に、(1)週刊(4回~5回)と(
2)基本の解説の増刊(約2回)で、月6回をメドにお届けします
。
1回分は、配信システム(まぐまぐ)の制限のため30KB、A4
で17枚分です。読むのに、平均で30分~60分でしょうか。
【2】内容は?
<1.経営と仕事の成功のための原理を基礎から示し、2.実践の
原則にして、3.関連する最新のビジネス知識・IT知識を提供>
します。
◎現場を見ると、原理の間違った適用・実践の間違った方法・固定
観念、それに、関連知識の「賞味期限切れ」が多く見られます。
メールマガジンの便利さを活用し、電子媒体を使った<定例の仮想
セミナー>を目指します。
◎あなたの時間と、コストの節約のために。
【3】テーマの幅は?
経営問題・IT戦略・SCM・CRM・ロジスティクス・経済・金
融・会計、及びそれらに関する、最新の知識と情報を中心にします
。
経営・仕事・個人のライフ・プランに関連する時事情報も、適宜ま
じえてとりあげます。
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【経緯】
無料メール・マガジンの開始以来8ヶ月、60編の<ビジネス知識
源>を発行。総読者は13,000名。ビジネス系のマガジンとし
ては予想の2倍のスピードでの増加でした。当初から<こんなに質
の高い内容を無料でいいの?>との感想を多数いただいていました
。
【リアルタイム・メディアという特徴】
8ヶ月の体験で、紙媒体とは違う可能性をもつリアルタイム・メデ
ィアと実感しました。送信直後から、毎回、沢山のご意見や感想を
いただきました。意見・疑問・感想に対しては、次に送るマガジン
の内容で、可能な限りお答えするよう努めました。
現在のビジネス知識源も、そして今回、新規に発行する有料版<ビ
ジネス知識源プレミアム>も、読者の方との相互関係で、あなたに
とってより価値のあるものに育つと考えます。
▼ホームページ
01年6月は、カルロス・ゴーンによる、話題の、日産の企業再生
の手法を分析し、好評をいただきました。
↓<鋭利なメスをもつ精神分析医:カルロス・ゴーン>
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60編の考察と、読者感想も掲載しています。私のキャリア、業務
案内も載せています。↓5分間の訪問、いかがでしょう?
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※有料版の<本ビジネス知識源プレミアム>は、ホームページには
掲載しません。申し込みの方に個別メールで送ります。
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■2.サンプル版のテーマはCRM経営(第1部)
このサンプル版のテーマは、今まさに流行ではありますが、実践の
現場では間違った適用が見られるCRM経営(カスタマー・リレー
ションシップ・マネジメント)を取り上げます。
(本サンプル版の全体は、CRM経営の導入部です)
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CRMとは、一言では、「顧客との関係を強化し、顧客中心の経営
に向かって改革を継続すること」です。キー概念は、(1)顧客と
の関係の強化、(2)そのために顧客中心の経営(カスタマー・セ
ントリック・マネジメント)を行うことです。
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▼最初の注:CRMのゴールについての概要を兼ねて
会社のマネジメントは、普通、マネジャーが部下に対して行います
。
ところがCRM経営の到達点では、指示と命令を下すマネジャーが
、「顧客」に代わるところまで行きます。重要なところは、CRM
のあとに、あえてつけた「経営」です。これを忘れてはならない。
意味するところは、
会社の各部署に作業命令を発するのが、マーケットの顧客になる。
これが顧客中心経営(カスタマー・セントリック・マネジメント)
です。
ところが、
顧客は、社内マネジャーのようには、親切な作業指示をしてくれな
い。商品とサービスが気に入らなければ、未来の商品に期待するこ
とはなく、60%以上は、即刻無言で離反する浮気な人であること
が検証されています。(店舗スウィッチ、ブランドスウィッチと言
いますね)
そこで、CRM経営は、
(1)顧客の無言の要求を、購買歴(RFM)の分析、購買商品歴
のパターン化、パターン間の比較、及び見込客の分析から、
(2)会社への作業指示の「声無き声」を聞いて、商品開発、サー
ビス改善、差異化した付加価値の提供、販売方法、商品提供方法(
ロジスティクスを含む)、購買後サービス、プロモーションという
、およそ全領域の改善を戦略的・計画的におこなうのです。
▼最初の問題提起
【標語や目標と、現実のギャップ】
「顧客中心は当たり前だ、うちの会社は昔からお客様第1だし、顧
客サービス第1である」と答える人が多いでしょう。
多くの会社を見て感じるのは、「会社の標語は、過去も現在も実際
には出来ていないことを、表現していることがほとんどである」と
いう逆説でした。
納期厳守と書いてあると、あぁこの会社は納期が守れないことが多
いんだろうな、品質第1なら、品質に問題を抱えているんだと予想
し、顧客の立場で現場を観察すると、実態は標語と逆であることが
多い。
▼ギャップを埋めるのが戦略
<目標(標語や数字・指標)―顧客が受け取る現実(業務成果)=
現実のギャップ>
大切なことは「顧客が受け取る現実が業務成果」だということです
。
目標と現実のギャップを計量し、埋めることを「戦略の策定と実行
」と言います。目標の設定ではなく、この戦略の実行のところで、
間違いを犯すところが多い。
【戦略に関する注】
長期の目標を実現するための手段を「戦略」と言い、戦略を構成す
る短期策を「戦術」と言います。長期とは、成果をあげるのに1年
以上かかること、短期とは4半期、緊急とは4週がメドですね。経
営においては、「期限の概念」がなによりも重要です。
(1)期間の定め、(2)予算・時間・使用リソース、(2)重点
化のがないものは、計画ではなく願望です。重点化とは、シーケン
ス(順序)の定めを言います。シーケンスの定めがないのは、戦略
ではない。
▼ギャップを埋める戦略とはなにか?
CRMは、一般には、
(1)顧客の購買データ、または見込み客のデータを集め、ABC
の顧客に分類(ソーティング)する。
(2)A顧客に対して、差別化のプレミアムサービスを提供し、ロ
イヤル・カスタマーを多く育て、維持する。
(3)BC分類の顧客への接点を増やし、サービスを増強して、A
顧客に引きあげる対策を打つ、というように理解されています。
この理解は、正しい。しかし、多くが実行のところで間違えるので
す。なぜか?その理由を、以下に示します。多くの会社の実態です
。
▼あらゆる改革・改善のポイント
業務は、特定の優秀な人(どこの組織でも約5%)だけが行うので
はない。優秀な人はもともとできている。「組織」には興味深い原
理があります。全て優秀な人を集めても、教育と動機付けを続けな
いと優秀な人はついに5%に減ってしまうのです。自己評価では約
40%の人が自分を優秀と考えていますが・・・ここに8倍のギャ
ップがある。
【20:60:20の原理】
製造では日産、NEC、流通ではダイエーの改革でも、(A)20%
が改革の同調者、(B)60%が情勢の傍観者、(C)20%が会
社の目標を冷ややかに眺めるグループに分かれていますね。
【フォロワーを引き上げる】
CRMでも、改革が成功するかどうかは、上記の60%の傍観者(
フォロワー)を、どうやって(A)のグループに引き上げるかかか
っています。20:60:20分布は、どの会社でも共通です。
さて、ここまで理解したところで、次は「戦略」です。
▼実際のCRM戦略も、「社内の業務改革」に帰着する(重要)
CRMも表面的には、<顧客へのサービス強化や、顧客が目的とす
る「こと」へのソリューション提供>のように見えます。
ところが、CRMによる改革の実際は、
(1)トップマネジメント・マネジャー・現場の、ミッション(使
命)とバリュー(価値観と行動綱領)の改革である。
(2)そして顧客満足とソリューション提供に向かった、部門間連
携の、社内業務改革なのです。これこそ「戦略」です。ここを記憶
してください。
(注)ソリューションとは、顧客が商品購買を通じて実現しようと
思っている「こと」を提供できるエージェント(代理人)役を、会
社が果たすということです。
(注)会社の価値観と行動綱領の概念は、↓を参照してください。
http://www.cool-knowledge.com/0505Leadership(4).html
社員は外形では会社のエージェントではあるが、本源では、顧客か
ら成果報酬をもらう代理人であるとするがCRMの思考方法です。
【ツールの導入(=手段)と、戦略(=改革)の混同】
CRMのソフトだけでは顧客満足を高めることはできない。最高の
包丁を使っても、料理の達人になることはできない。ましてや、顧
客が望む料理を作ることはできない。
包丁やソフトは業務支援のツールです。改革すべきは、社内の人の
意識、硬直した思考方法と行動様式、日常作業、部門間の連携にあ
る。
真の「戦略」は、どんな時も、目標を実現するための社内の改革の
設計図とその実行です。ツールの導入と業務改革を混同しないこと
です。
CRMやSCMのソフトを導入し、想定効果が上がらなかったとい
うところが多い。最高と思える包丁とまな板を買ったが、料理はま
ずいという状態ですね。なぜこうなるか?
【戦略の5ステップ】
改革・改善に共通する戦略は、まず、権威あるリーダーによるゴー
ルの設定があって、
(1)目標実現のための設計図、チャート作りから開始する。
(2)20%の改革の同調者から、5%の各プロジェクトリーダー
を選定し、社内・社外の助言者を得て、チームを形成する。
(3)60%のフォロワーの現場改革を行うために、必要な教育プ
ログラム、作業訓練プログラム、組織改革、業務改革のプログラム
を作って実行する。
(4)部署、現場、個人単位の改善成果を「公正」に評価し、結果
を反省する。
(5)その反省結果を入れて(フィードバック)、次の目標を作り
、(1)からの改善サイクルを繰り返すことです。改善サイクルの
繰り返しが重要です。
※このとき、ボトルネック工程を見つけ重点的に改善するのが、最
小予算で即効をあげる、制約理論の方法です。↓
http://www.cool-knowledge.com/0623nissan-Ghosn(4).html
CRMも、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)も、CT
I(コールセンター)でも、他のソフトでも、方法は共通です。
【途中でのまとめの結論】
CRMソフトで、顧客の行動を変えることはできない。
CRMは全部門で、顧客中心を実現するための業務改革運動である
。
顧客の購買行動が変わるのは、社内の業務改革・改善の結果である
。
目標を設定し、改革と改善を推進するのが経営である。
以上までが、CRM経営の前提です。本論に入ります。
――――――――――――――――――――――――――――――
■3.CRM経営とは、なにか?
【導入部でのCRMの定義】
CRMとは、顧客のLTV(Life Time Value:生涯価値)を最大
限に高めるために、全部門が連携し、商品とサービス、及びその提
供方法の改善をおこなう経営活動である。
このLTV(生涯価値)を知るために、現状の売上を構成する要素
への分解から始めます。
▼売上の内容と、リピート率(わずかな公式と数字を使います)
【顧客数から見た売上の内容】
月間の売上は、顧客単価×顧客数です。
顧客数は、「過去の購買客のリピート」と「新規客」の合計です。
これを、売上公式にすれば、
月間売上(S)=顧客単価(T)×{過去の総購買客(C)×当月
リピート率(R)+新規顧客数(N)}になります。
数字を入れましょう。簡単な、算数です。
(S)9千万円=(T)6千円×{(C)2万人×(R)60%+
(N)3千人}
【解釈】
今月の売上9千万円は、「過去の購買経験ありの顧客の60%がリ
ピートし(1万2千人)、新規の顧客が3千人の結果」であるとい
うことになる。(顧客単価は、ここでは変動がないと仮定します)
【リピート率の算出】
当月リピート率を算出したければ、S=T(C×R+N)から、
R(リピート率)=(S÷T-N)÷Cが導けます。
数字を入れると、60%=(9千万円÷6千円―3千人)÷2万人
小学校高学年レベルの算数です。頭が痛くなった?(笑)
CRMは具体的な策ですから、説明には数字が必要です。
【リピート率という重要概念】
(S)月間売上、(T)顧客単価、(N)新規顧客数、(C)過去
の購買客数があれば、CRMの成果のキー概念になる「月間平均リ
ピート率」が計算できます。
どこでも売上と顧客単価、過去の顧客総数は把握している。従って
、(N)の新規顧客数の記録をとれば、現在の平均リピート率が分
かるのです。
【現場の実態は標語と違う】
どれかの数字がないとすれば、あなたの会社は、顧客第1とは言い
ながら、実際は、顧客第1を実践するための記録と作業がないこと
になる。(最初は、手での記録と集計でOKです)
冒頭で「会社の標語は、過去も現在も実際には出来ていないことを
、表現していることがほとんどである」と申し上げた理由です。
POSや顧客データベース(DB)はあっても、効果を生む利用、
つまり、データベースマネジメント(DB経営)がない。
ほとんどの会社がリピート率を知らない。会社の中には驚くべきこ
とがいくらでもある。コンピュータ担当に聞いて下さい。それには
色々と理由があって・・・という答えで、あなたは居ても立っても
いられなくなる。多くのコンピュータが、入力マシンと、使われな
い帳票印刷機に堕落している。
▼重要なこと:always Find Basic and Return to Basic】
(1)現場作業としてあらかじめできていないことは、コンピュー
タをいれてもできない。
(2)コンピュータは、Bクラス能力の60%の人が、定めた標準
手順に従えば、熟練や名人芸がなくても、最適成果をあげることが
できるようにシステム化(単位作業を相互連携)するためのツール
です。
【原則を守るということ】
コンピュータというツールの利用原則を、忠実に守ったのが、セブ
ン・イレブンです。利益を出す成長経営や仕事の秘密は、高度なこ
とでなく、現場に基本を徹底させる執念の強さです。
頭のいい人が、意外に、経営ではうまく行かない理由の過半は、内
心では基本をバカにするからです。仕事と経営では、基本を知った
時、感動するナイーブさが必要ですね。経営は自己満足ではなく顧
客満足への奉仕です。
事業や仕事の成功者には、自己満足の「業界と社内」の常識に疑問
を持って立ち向かう、基本に感激するナイーブさがある。
▼売上の増減とは
売上の増減は3つの要素に還元(分解)できます。
(1)顧客単価(商品単価×購買数量)の、増減
(2)新規顧客の、増減
(3)過去の購入顧客の、リピート率の増減
新規顧客も、いったん買えば、過去の購入客です。ここで、
(1)購入客のリピート率の上昇、
(2)及び、顧客単価の上昇に、フォーカスをあてるのがCRMで
す。
※顧客単価上昇とは、商品単価上昇のみではありません。(顧客で
はなく「個客」シェアの概念として、最後で示します。詳細は第2
部で)
――――――――――――――――――――――――――――――
■4.LTV(Life Time Value:顧客の生涯価値)とはなにか?
【LTVの定義】
LTVとは、顧客が初めて当社の商品やサービスを購買し、その後
、離反するまでの総購買金額(正確には総粗利益高)を合計し、現
在の金額にしたものを言います。
以下では単純にするため売上で見ます。顧客単価を、時間軸で延ば
すことがLTVのポイントです。
【LTVの試算1】
(1)事例:顧客単価6千円、年間購買50回、年間では30万円
である。
(2)次の年も、顧客であり続ける割合が60%(0.6)である
とき、平均LTVは、以下の方法で計算します。
平均LTV=30×(1+0.6+0.36+0.216+・・・
)=30×{1÷(1-0.6)}=75万円です。
▼平均LTVの意味:重要
75万円の平均LTVとは、何を意味するか?店舗を例にします。
(サービス業、製造業でも、単価や商品こそ違いますが全く共通で
す)
新規顧客は最初に6千円しか買わないが、最終的に離反するまでの
生涯価値は、今日の購買の125倍、75万円であるということで
す。
【LTVが示す潜在売上と、逸失売上】
今日の顧客が100人なら、売上は60万円です。しかし100人
合計のLTV(生涯価値)で、その後付加される売上は、125倍
の7500万円です。今日という「点の売上」は60万ですが、実
際は7500万円というほぼ確実な「潜在売上」が隠れている。
レジに並んだ100人の客を見て、LTVの潜在売上の、7500
万円が見えるかどうか、ここが経営と仕事の分岐点です。あなたに
は見えますか?
このうち10人の顧客に購買後の不満足があって離反するなら、今
日失われた「逸失(いっしつ)売上」は、750万円です・・・そ
して明日も、明後日も、これが続く。これが売上低下の真の内容。
【認識のギャップ:重要】
会社側から見れば、販売は終点(ゴール)に見えます。
ところが、顧客にとって今日の買い物は、そこから商品の使用と、
商品の再購買が始まる始点(スタート・ポイント)です。ここを認
識していない企業活動、経営行動が多すぎる。売上を作る顧客の購
買行動を見ていない。伸びる会社は顧客からの将来売上を見る。
しかし多くは、売る側と買う側の埋め難い「認識のギャップ」に気
がついていない。そうして、LTVを計算すれば、逸失売上が日々
現場で発生している。
▼事例:約10年以上前のこと、そして今も理解されていないこと
今は世界ナンバーワンになった小売り業ウォルマートが、小売史上
最初に「使用後でも不満があれば無条件で返品を受けいれる」とい
うカスタマー・サービスを開始した時、みんなが、とても驚いた。
その後10年間で、無条件返品をモノマネした会社は多いが、これ
が本当はどんな意味か理解していません。これを猿マネと言うので
す。猿マネは知恵に至るまでの思考がないから、すぐ崩れますね。
ウォルマートでは、今日の買い物は3千円かもしれないが、その顧
客を永久に失うことの「逸失売上」は、その400倍の120万円
であるという顧客の生涯価値の計算があった。
それなら今日の3千円の返品を受け入れることは、小さいコスト。
ウォルマートの幹部も現場もレジ担当も、今日の買い物は、「12
0万円の長いおつきあいの始点である」と考えていた。このLTV
の認識で、現場作業、カスタマーサービスが、根底から変わった。
短期で世界ナンバーワンになるには、理由がある。経営技術と思考
方法のイノベーション、そして顧客行動適合がある。ここを、見る
ことです。ここが、分かれ目です。
数々のイノベーションをやった世界最大の21兆円小売り業を知ら
ない人は、↓ここを訪れてください。来年は日本進出ですね。
http://www.walmartstores.com/wmstore/wmstores/HomePage.jsp
(さすがのウォルマートもWEB販売では成功していませんが)
▼LTVで急減、または急増する売上
年間リピート率の上記事例の60%を、CRM経営で70%、80
%、90%に上昇させると、75万円が以下のように上がる。
70%:LTV=30万円×{1÷(1-0.7)}=100万円
80%:LTV=30万円×{1÷(1-0.8)}=150万円
90%:LTV=30万円×{1÷(1-0.9)}=300万円
逆に、リピート率が90%から10ポイント低下し80%になれば
、1顧客当たり(300-150=150万円)の将来売上が失わ
れる。こうした、LTVの可能性と怖さの認識が、CRMの出発点
です。顧客との関係を点でなく、時間の軸で見る線の経営がCRM
。
▼離反率の概念
リピート率が60%であれば、その逆数、1-リピート率=「離反
率」は40%です。新規顧客が10人購買しても、何らかの顧客不
満足が原因で4人は離れ、永久に戻らないという意味です。
【販促費と利益のトレードオフ】
あなたの会社が、他社よりリピート率が低ければ、実は新規顧客を
集めるための販売促進費(営業費、商品割引を含む)が、利益を消
滅させています。それが、顧客行動から見た、真の赤字原因です。
会社の利益は、ほぼ全部を、顧客ロイヤルティがもたらすのです。
平均リピート率は、そのロイヤルティを計る「尺度」です。
「経営技術」とは、まず、成果を計る正しい尺度を作ることです。
どんなに商品回転率が高くても、リピート率の低いところは最終的
には販促費の過大で、潰れます。テスト購買の後、すぐ離反する新
興店や、下手な人員カット・経費カットをやったところにそれが多
い。
90年代に潰れた多くの新興安売り店は、LTVの考えがゼロだっ
た。バッタ屋仕入れの商品の価格だけを見て、リピートの購買行動
を見なかった。ですから次に行ったとき、顧客は失望したのです。
経営とは1人1人の顧客を生み、育てる活動です。我々が生きてい
る間は人口は増えません。しかし、顧客は育つ。商品中心の経営だ
けで済んだ時代は、1990年で終わった。店舗は商品置き場でな
い。
▼多くの経営が間違えていること
LTVの事例検証を通じて、明らかになったことがあります。
(1)新規顧客を新たに呼び込む販促費を1万円とすると、
(2)既存顧客との、CRM経営での良好な関係の強化費は、その
「5分の1」の2千円であるということです。
これは何を意味するか。
(1)新規顧客を呼び込む、無差別なマス媒体の広告費よりも、
(2)既存顧客に対する「CRM活動」、つまり、リピート率の上
昇対策に使ったほうが、5倍も効果があったという発見です。
先のLTVのリピート率上昇の例で言えば、リピート率の70%か
ら80%への10ポイントの増加が、顧客1人あたりで50万円の
LTV(将来売上)の増加をもたらしましたね。
わが社の既存顧客が2万人なら、合計すると、100億円(50万
円×2万人)の将来売上の増加です。顧客対策は、直接効果を挙げ
る。逆に、リピート率の10ポイントの低下は100億円を失う。
LTVの発見は、90年代マーケティングを、80年代のマスを対
象にした無差別なものから、既存客メンテナンス、顧客フォーカス
の設定という方向へ、180度転換させたのです。これは産業の大
転換と言ってもいい。(日本は、これからです)
※米国では、LTVだけでなく、いろんな検証をやります。本ビジ
ネス知識源プレミアムでは様々な事例紹介と、その本質の解析をし
て提供します。見まわすと間違った紹介とマネが、とても多いので
す。
――――――――――――――――――――――――――――――
■5.まだ知られていない「スーパーエージェント」の概念
マス広告は、日々その効果を低下させています。なぜか?
根底の理由は、顧客の購買行動が、主体的なものに変化しつつある
からです。
ここで、最初浮かび上がって来たのが、「ロイヤル・カスタマーの
概念」です。20%のロイヤルカスタマーが、60%~70%の売
上を占めているという、今は誰でも知っていることです。
ここから、現在はもっと積極的な「スーパー・エージェント」の概
念に進みつつあります。
カスタマーと言った時は、あくまで社外の「お得意様」ですね。
ところが、エージェントは営業代理人。わが社の強いファン顧客は
、会社の営業の真の代理人を果たしてくれるということが検証され
たのです。常識のコトバでは「口コミ」です。スーパー・エージェ
ントは口コミを使ってくれる。
スーパー・エージェントとともに、パーミッション・マーケティン
グとか、バイラル・マーケティングという概念が生まれた。その意
味することはなにか?
▼「ブランド価値」の正しい解釈
メーカーは製品で、小売りは店舗で、「ブランド価値」ができた状
態とは、顧客の多くが他社の商品やサービスとの違いを「短いコト
バ」で、家族・友人・知人に伝えられることです。このコトバは信
用絶大。
【スーパー・エージェントの概念】
正のブランド価値を作ると、顧客が(口コミで)、信用絶大な営業
マン(スーパー・エージェント)になる。インターネット時代は「
口コミ」が真のブランド価値を作る。それも、驚くほどの短期間で
。
AOLの検証では、いい商品やサービスに接すると、顧客の20%
は、スーパー・エージェント役を果たすことが分かった。逆も真で
す。1.2の累乗で、いい評判も悪い評判も、インフルエンザのウ
ィルスのように短期間で伝播する。
この1.2が第5世代まで伝播すれば、1.2の5乗で、2.5倍
の売上の付加になる。
LTVの高い顧客は、スーパー・エージェントです。日本ではLT
Vもスーパー・エージェント作りの概念も、理解がすすんでいませ
ん。商品数字だけを見る80年代までの商品中心の経営から抜け出
していないのです。これでは、顧客第1ではなく、商品第1ですね
。
――――――――――――――――――――――――――――――
■6.LTV(Life Time Value:顧客の生涯価値)の深化
ここまでで、LTVが基本的に意味することは理解できたと思いま
す。LTVの概念を、どこかで聞いて知っていた人も多いでしょう
。単なる、DMや販促や営業マン強化と誤解しないことです。
本質はCRM経営でのスーパー・エージェント作りです。
▼80年代のLTVの米国での発祥と、2001年の日本
【LTVの概念の発祥】
80年代の米国は、ドル高で東南アジア輸入が急増。単価は下落。
国内流通網に頼っていた米国デパート、高級専門店、高コスト総合
店は、次々に会社更正法の適用で買収された。今の日本と同じです
。
ここで、従来の商品管理の軸に加えて、顧客という軸を経営の内部
に組みこむことが、利益改善に直接効果があることが検証された。
現在の日本の悪条件は、人口のゼロ成長です。人口のゼロ成長が根
源的に示すことは、「顧客メンテナンス・マーケット」になるとい
う意味です。つまりCRM経営の時代が来た。
【米国80年代の新興ストア群】
品種総合店で伸びたのは、ウォルマートを筆頭とするディスカウン
ト・ストアだった。(01年現在、売上21兆円で世界史上最大)
専門店では、開発輸入で単価を下落させたLimited(女性アパレル
)、Gap(ユニセックスカジュアル)、住関連ではHome Depot(住
宅リフォームの部材・部品)だった。急成長は、単価下落の80年代
からです。単価下落が、従来の店舗を撤退させ、機会を生んだ。
(↓以下に米国店舗リンク集を作っています)
http://www.cool-knowledge.com/usa-shoplink.html
米国Gapと「ほぼ」同じ手法の、日本のユニクロが急に伸びたのは1
997年からですね。10年~15年のタイムラグがあります。
(※先日ユニクロの役員の方からのメールで、私のユニクロの戦略
分析、↓に掲載に感動されたとのこと。すこしびっくり(笑))
http://www.cool-knowledge.com/1023uniqlo.html
LTVの顧客生涯価値の比較では、低価格のウォルマートが商品単
価が何倍も高いデパートより、大きい。知られていない事実です。
生涯価値が大きいと、手厚いサービスがコスト割合を低くしてでき
る。顧客ロイヤルティは高まる。スーパー・エージェントが増え、
顧客から感謝を得ながら、利益が拡大する。
▼米国ディスカウントストアは、LTV発想
米国ディスカウント・ストア群と、米国の80年代から勃興した専
門店チェーンは、基本のビジネスプランを、顧客の生涯価値から発
想したものです。
(1)売上=商品単価×購買数量×(既存客リピート数+新規客数
)の売上公式を使い、
(2)商品単価を、開発輸入、3ヶ月前予約数量発注、ロジスティ
クス(物流)によって、3割~5割くらい下落させ、購買数量とリ
ピート率を高め、結果としてLTVを大きくする方法です。
【価格弾力性】
5割の単価下落での「顧客数、売上数の弾性値」は、1÷(0.5
の2乗)=4倍だった。単価50%×顧客数4倍=売上2倍。
ユニクロも、現在のマクドナルド(半額バーガー)も、全く同じ、
価格弾力性の原理を使った。
半額バーガーは、価格弾力性が典型的に働いた例です。マックは半
額バーガーで、リピートを含めた顧客数が4倍から5倍になってい
る。ポケットマネーが少なくなったサラリーマンは、中学や高校の
ころ食べた味を思い出し戻ってきた。これでマックの平均LTVが
急上昇した。サラリーマンが戻ることを見ぬいたのが、藤田田です
。
人口構成で主力の10代は急減、どうするか?並の人は、味をよく
したり、飲みものをつけ単価アップを図って失敗する。藤田田は、
人間は幼い頃食べた味に戻ると考えた。コンビニ弁当が500円以
下になっている。顧客が増えないネックが価格だ、半額にしよう。
一見は冒険に見える冷静な計算です。安全策に見える顧客単価アッ
プは、マックでは危険だった。いつも安易な考えが、結局は企業を
潰します。
▼LTVの深化とは、「個客シェア」の概念の導入
顧客シェアと「個客シェア」は違います。顧客シェアは、市場の全
体需要の中での、顧客数と購買額の当社シェア。
一方、個客シェアは一人の客の総購買額における当社シェアです
個客シェアの概念の導入で、以下の、6つの要素からなる利益公式
が導けます。
<A社の利益=全体需要×「顧客シェア」×「個客シェア」×粗利
益率+「スーパー・エージェント効果」-コスト>
ここで、生涯価値で計算できる「個客シェア」を高め、「スーパー
・エージェント効果」で「新規顧客」を増やし、利益を拡大するの
がCRM経営です。
LTV、言い換えれば「個客シェア」の観点で見ると、今日も失っ
ている多額の売上、利益がある。第2部でそれを示します。売上は
、顧客に着目すれば、作れるということが了解できるはずです。
(<CRM経営の本質を解く:導入部>終り:第2部へ続く)
お疲れ様でした、サンプル版はいかがでしたか?
【第2部の内容予告です】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.新規客の呼び込みコスト1万円、既存客維持コスト2千円とい
う検証結果の意味と、LTV
2.「個客シェア」を高めるための、4つの売上拡大要素とは?
3.近年の需要対応で、みんなは、なにを間違えているのか?
4.CRM経営を実現するための4層のフレームワークとは?
(以上を中心に、目からウロコが落ちる内容をお届けします)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●インタラクティブなアンケート項目
(1)テーマと内容は、興味が持てるか持てないか?
(2)内容は、理解が進んだか?
(3)疑問点は?
(4)要望や、ご意見は?・・・等、お気軽にひとことメールで
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CRMシリーズ:CRM経営の本質を解く(第1部)
著者へのひとことメール yoshida@cool-knowledge.com
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Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治
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■ビジネス原理を基礎から示し、実践の原則にして、エッセンスを
分かりやすく提供 ■時間がない、基礎の原理や方法の本質を知り
たい、最新情報を得たいという方に ■経営・IT・SCM・CR
M・流通・物流・経済・金融・米国情報をカバー
▼個客シェアの内容とはなにか?
個客シェアの内容とはなにか、そして何が、機会損失(逸失利益=
とりこぼし)になっているかを示します。
これで、個客シェアとLTVとはなにかも、分かる。
(1)ライフ・ステージ・マーケットからのとりこぼし
ライフ・ステージ・マーケットとは、誕生、入学、誕生日、進学、
結婚、就職、旅行、転居、住宅購入、昇進、加齢、転職、退職、年
金生活、死亡・・・といった節目での需要です。我が社の商品で、
こうした大需要を、個客の属性別に、時間軸で把握できているかど
うか。日常生活のお祭り化が、現代需要の本質的性格ですね。
(2)アップ・セリング・マーケットからのとりこぼし
現代の消費では個客の予算は、商品とサービスへの納得がキーで、
大きく伸縮します。別のコトバではCS(顧客満足)です。CSが
高まれば予算が拡大し、高付加価値商品のアップ・セリングができ
る。顧客の「こころ」に触れるブランド・アイデンティティですね
。
(3)クロス・セリング・マーケットからのとりこぼし
クロス・セリングとは、主力の商品に関連する商品やサービスの提
供です。ここでは、社員が「個客のエージェント(購買代理人)」
になる必要がある。ワン・ストップも、正しくは個客のエージェン
トです。「会社の外に顧客がいるという従来の関係」の、転換です
。実は、eMarket Placeが向かうところもそこです。どんな商品が
、わが社の主力商品のクロス・セリング・マーケットか?
(4)アフター・セリング・マーケットからのとりこぼし
アフター・セリングは商品購買の後の、使用過程で現れる需要のこ
とです。車で例えれば整備、部品購入、レジャー情報の提供・・・
PCでも、ファッションでも食品でも、家具でも同じです。アフタ
ーサービスは、アフター・セリング・マーケットを対象にする活動
であることが本質ですね。
こうして、以上4つの個客シェア(LTV)の増加の観点で、わが
社の販売、主力商品、サービスの全体を見なおす。個客との関係が
強化(LTVが上昇)できると、個客は自主的にスーパー・エージ
ェントになる。これがCRMの目的です。
以上は、サンプル版として、CRM経営の導入部です。
第2部以降で、事例を交え、更に深く、具体的に解説します。
売上と利益拡大の機会は、いくらでもころがっている。
経営資源を殺すのが、「硬直化した思考方法」です。
【ケーススタディ】
「販促効果の5分の1原則(呼び込み)、逆には5倍原則(既存客
)」、これは何を意味するか?
(1)週間広告費100万円、週間売上2000万で、広告費5%
の店舗とします。
(2)商圏人口1万人で、その店舗での購買経験ありが2000人
(顧客シェア20%)、未購入客8000人とします。
週間広告費は、商圏人口1万人の1人当たりで100万円÷1万人
=100円ですね。これは、1万人に対して無差別にばら撒かれた
コストです。(年間では、商圏人口1人あたり5300円)
【広告効果の試算A】
1週の広告費が100万円ですから、週間顧客を1000人(売上
2000万円)としたときの購買客1人当たりでは、1000円に
なります。広告費は、週間売上2000万円ですから一見では、売
上の5%です。ここまでは、分かり切ったことです。
【広告効果の試算B】
(1)購入経験あり客の800人のうちで、広告がなくても来た人
が600人だったとします。200人が、広告効果での集客ですね
。
(2)新規顧客の200人全員は、広告を見てきたとします。
さて、ここから簡単な思考訓練です。
広告効果での集客は、実際は400名の顧客ですね。600名は広
告がなくても来たのですから。
そうすると、週間広告費100万円÷400名=2500円、これ
が実際の広告コストです。つまり、週間顧客単価2万円に対して、
2500円、つまり12.5%が費やされたことになる。
【80年代の米国と現在の日本】
80年代以降の米国では、
(1)海外開発輸入の急増で、米国の平均的労働者の賃金が伸びな
くなり、
(2)生産の合理化、流通の合理化、店舗作業の合理化のビジネス
モデル3点セットを使い、
(3)商品単価を下落させることによって、逆に、大きな利益が確
保できる新興流通業が急速に伸びた。
どこまでも日本の現在ですね。米国の歴史は他国で繰り返す。日本
は米国より更に、すでに世界の生産拠点になった中国に近い。鮮度
管理が命の野菜ですら中国からの輸入です。
食品スーパーは、顧客単価が下落するからと、中国野菜の取り扱い
に歯止めをかけているところが多い。これこそ、他店へチャンスを
譲る安易な方法です。短期の安全策は長期の危険策という見本です
。
▼LTV(顧客生涯価値)とカテゴリマネジメント(CM:売り場
の商品管理)が合体し、SCMとCRMへ(若干専門的です)
【LTV、CRM、SCM、カテゴリマネジメント(CM)の連繋
】
LTVの概念は、PCと通信回線が安価になって普及した1990
年代(特にWindows95以降)になると・・・
(1)対顧客の側面では、CRMのシステム
(2)店頭商品管理の側面では、売り場部門別のカテゴリ・マネジ
メント
(3)物流・倉庫管理・生産管理の側面では、継続補充のSCM
(4)この欠品と在庫過剰のない継続補充を行うSCMと、CRM
、CMの連繋へとつながっていったのです。
【90年代の停滞】
ところが、わが国の90年代は、個人消費の面での不況、資産価値
の大幅下落による企業危機、及び金融危機が隣り合わせの状態が続
き、CRMを含む必要な業務改革が停滞したのです。
以降で、LTVの概念を更に深化させます。
▼標語の間違いではないのだが・・・
標語(または目標やミッション)に、間違いがあるというのではな
いのです。実現へ至る方法に問題がある。
以下の、基本的な5つのマネジメント・サイクルが必要ですね。
(1)標語やミッション(多くがコトバ)、及び目標(多くが数字
や指標)を実現する方法が示され、
(2)必要ツールが導入され、業務ルールを変えて、教育され、
(3)作業化され、つまり手順が標準化され、
(4)改善成果が適正に評価され、
(5)標準作業の、継続的な改善工程が組みこまれていることが必
要です。
(※継続的改善工程の組みこみがあるとエクセレント・カンパニー
)
PDCA(Plan―Do―Check―Action)の方法と言ってもほぼ同じ
です。ここで、以下の注意が必要です。