高齢化を転じる経済:住宅ローンを事例に
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おはようございます。8月は、米欧の再びの金融危機に関し、その
原因と展開を予測しました。金融危機は債務危機であり、経済取引
に必要な信用の収縮です。

▼国債危機が、まず欧州に起こった

8月の、ほぼ15%の、株価下落(表面の現象)の基底の原因は、PII
GS債の危機とされています。当然それも含みます。

ほんとうの原因は、米欧の国債の、ファイナンスの問題、言い換え
れば、米欧、そして日本のソブリン・リスク(国債危機)です。今
後、月を追うにつれ、焦点はここに移動します(断言です)。

ファイナンスとは、財政赤字の同時赤字で増える低利の国債(日本
1.02%;米国2.12%;ユーロ2.24%)を買うことの問題です。

変なことを言うと、思われるかもしれません。国債が債券市場で買
われるから、金利が低いのではないか。

株というリスク資産から、安全資産の国債に、資金移動が起こって
いるではないか。

これらを、あなたはどう説明するか。国債のリスクが高まっている
なら、国債価格が下がって、金利が上がるはずである。

円債が世界から買われるのは、日本の、阪神淡路大震災のあとのよ
うな復興需要でのGDP成長が見込めるからである。日本経済は、円
が買われ、$1=75円になったのだから、強い。

以上が、普通の見解(マスコミ&経済評論家の見解)です。注目す
べきは、世界の国債に対するCDS(債務の回収を保証する保険証券
)の価格、言い換えれば料率の上昇です。

スペイン・イタリア債のCDSは、すでに4%台ですから、これは言い
ますまい。世界の金利が低いなかで、CDSが5%以上になるとその国
の財政に破産の危機が高まったということです。

ギリシアの2年物国債の金利は、なんと40%でした(EUの支援決定
後 25%に下落)。これは、完全な、国家財政の破産を示します。

CDS40%では、国債発行(借り換え債発行)が完全にできない。借
り換え債が発行できないと、毎月満期が来る既発国債の償還(=返
済)ができず、これを、普通、デフォルトと言います。

欧州の金融機関が、額面の50%以下の時価に下がったギリシア国債
を抱き、EUの要請で満期を延長しているために、債務不履行にみえ
ないだけです。

マスコミ論調と違い、ギリシア・ポルトガルは、すでに国家破産し
ています。スペインがそれを追い、イタリアが続いています。

【高騰している、ユーロ債、円債、ドル債のCDS
                              :10年物:1年の保証期間】

・ドイツ、フランスを含むユーロ債
                        CDS 1.85%(11年8月:FT紙)
・円国債(10年物)      CDS 0.99%
・米国債(10年物)      CDS 0.55%
・参考:中国債         CDS 1.09%

ユーロの長期金利は、2.24%です。CDSを引けば0.39%のスプレ
ッド(利幅)しかない。CDSの 1.85%は、ユーロ国債のデフォルト
・リスクが高いことを示します。そうなら、ほんとうは、国債金利
は4~5%以上でなければならない。

日本の10年債の金利は、1.02%です。これ以下はないくらい低い(
ということは国債は最高価格)。保証保険料が0.99%ですからスプ
レッドはゼロです。円国債の金利は、3%以上でなければならない
。

米国10年債の金利は、2.12%です。CDSは0.55%と先進国では一番
低い。それでもスプレッドは1.57%しかない。米国の長期金利も
、恒常的なドル安のリスク(3%以上ある)を含むと、5%以上が妥
当です。5%以上ないと米国債は為替リスクが高すぎ、普通は買え
ない。

つまり、いまは「普通」ではない。CDSの料率が上がって、国債リ
スクが認識されているのに、国債金利が低いのか。中央銀行が、国
債を買い上げるだろうという期待です。

米国FRBの、QE3(国債の$1兆買いを予想)の期待かもしれません
。欧州ECBは、ユーロ国債を、いつものように金額は不明であいま
いですが、「買いあげる」とはいっています。(注)ユーロは情報
公開が少ない。その点、米国は多い。

中央銀行が、普通は金融の禁じ手とされる国債を、あえて買わねば
ならない理由は、何ですか? 言うまでもなく、市場で売れないか
らです。マスコミや評論家の、皮相な認識は誤っています。

債券市場では、CDSの高騰にみられるようにソブリン・リスクが高
まっています。売れない債券のCDSは、上がります(事実)。

CDSでは、日本国債のように、0.5%が0.99%に上がれば、2倍の高
騰です。

たとえば、10兆円の国債にかけたCDS証券の価格は、料率0.5%なら
10兆円×0.5%=500億円です。500億円で、店頭売買されるという
意味。これが0.99%に上がれば、そのCDSが990億円に上がって売買
されます。(注)CDSは日々、金利のように、証券価格が変わりま
す。

500億円だったCDS証券が、約2倍への高騰です。わずか0.99%とは
決して言えない。0.5%のとき、500億円でCDSをかけていたAさんは
、490億円の利益になり、元金500億円が約2倍になります。他方、
その500億円をもらってCDSを引き受けていたBさんは、490億円の損
失です。

日本国債のCDSは0.5%(2011年の年初)から0.99%(11年8月)に
上がっています。金利は1.02%に下がって、CDSが0.99%に上がる
という矛盾。債券市場(国債引き受けのシンジケート団)が、価格
付けを間違えているのです。

これは、約30倍のレバレッジがかかる国債先物の売りに、大きな利
益の機会を与えます(ヘッジ・ファンド)。ヘッジ・ファンドは、
価格の歪みを、利益の機会にします。

「羊(つまり国債は)十分に太らせて(買って価格を上げ金利を下
げて)、食え(=先物売り)」 ******が、巨額利益を上げ
てきた19世紀からの、伝統的な方法です。決して、表には出ない。
いつも代理人(ヘッジ・ファンド等や特定の個人)に実行させてき
ました。そして何も言わない。******の利益は、国債の売買
からです。一貫して、国を相手に商売した。

ユーロや日本先物売りの時期は、もう少し後になる感じですが、上
がったCDSでは、すでにきています。これが、国債金利とCDSのスプ
レッドのなさです。この差の少なさは、とても変です。

●CDSの上昇が、約1年は早かった。米国の住宅証券(MBS,RMBS)
のときも、CDSが2007年に高騰し、08年8~9月にMBS,RMBSがAAA格
で60%に下がったのです。MBS,RMBSが、今回は、欧>米>日の国
債に相当します。

【余計なこと】
この時間差から、限月(最終決済日)が1年後なら、国債先物売り
に利益の機会を感じます。東証の最長は、限月9ヶ月です。ただし
、売買単位は1枚で、1億円です。個人のミニなら、10万円の倍数と
いう。(注)くれぐれも言います。万一行っても、自己責任で行っ
てください。当方、金融・経済への知的な関心のみで言っています
。

CDSの価格と売買のイメージが、つかめるでしょうか。金融機関が
相対(あいたい)で取引し、株のような公開市場がなく、一般には
みえないデリバティブなので、理解しにくいかもしれません。

CDSも独立した商品であり、%が流通価格です。金融機関とヘッジ
・ファンドは、このCDSを主たる金融商品として、株のように日々
、売買しています。

2010年12月現在で、このCDSのかかった国債・社債・株は$29.8兆
(2380兆円)です。日本の政府債務(950兆円)と米国の政府債務
($14.3兆:1140兆円)をあわせた額より大きい。

(注)CDS証券の、2010年12月での時価(流通価格)は$1.3兆(1
04兆円)でした。平均で104÷2380=4.4%の料率でCDSがかかって
います。(BISのデリバティブ統計)

絶対にデフォルト(債務不履行)がないとされ、そのため安全資産
とされる日米欧の国債にかかったCDSの料率が、米国の0.55%を除
き、2011年の年初から2倍に上がったのは、なぜか? 

●近い将来の、国債金利の上昇を示唆することにほかならないでし
ょう。

以上から、「11.8の危機(命名)」といえる、世界の株価の、時
価総額の喪失として表面化したことの、ほんとうの原因がわかるで
しょう。$56兆5900億×15%≒$8兆5000億=680兆円の下落です。
ヘッジ・ファンドの多くが、いま、元金を失っています(まだ含み
損です)。

金融機関が、日米欧の、国債の過半をもっています。このため米欧
日の金融株が、主導して下げたのです。ちなみに、三菱東京UFJの8
月株価の推移をみてください。ほかの大手銀行でもいい。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=8306.T&d=3m

米国に続き、国債の格下げが予想されるフランスの銀行株は、とん
でもない水準で、激しい。ソシエテ・ジェネラル株 -45%; BNP
パリバ株 -29%;クレディ・アグリコル株 -38%(いずれも8月1
0日まで) わずか2日間での暴落です。

一般に、50%も金融機関の株価が下がると、同時に社債金利が高騰
(社債価格は暴落)して、その銀行への銀行間の貸し借りの金利が
高騰するため、資金繰りが逼迫(ひっぱく)して、破産状態を示し
ます。

PIIGS債、およびユーロ国債の下落危機が、その持ち手である銀行
の危機になっているのです。フランス国債の金利は、2.85%と低
い。これは、近々、イタリア(4.92%)を追って、4%には上がる
でしょう。2011年8月、まず欧州に、国債危機が起こっているので
す。

              *

本稿は、 <高齢化と経済:住宅ローンを事例に>をテーマとしま
す。
わが国の少子高齢化を、転換させる方法を副題とします。

人口が減るなかでは、どうにも、経済は縮小します。高齢化が目立
つのは少子化だからです。5年はかかりますが、生まれる子供が増
えれば、高齢化は、緩和します。国の空気も変わる。子供たちが集
まっているところを目にすると、その場は違う空気が、醸(かも)
しだされています。

日本で平均年齢が若い順(65歳以上が少ない順)は、1埼玉、2沖縄
、3神奈川、4愛知、5千葉、6滋賀、7大阪、8東京、9茨城、10福岡
、11栃木、12宮城、13兵庫、14群馬、15京都、16広島、17奈良、18
石川、19静岡、20北海道、21岐阜、22佐賀、23三重、24青森、25山
梨、26福井、27岡山、28福島、29宮崎、30熊本、31香川、32長崎、
33富山、34和歌山、35新潟、36大分、37徳島、38長野、39鳥取、40
岩手、41愛媛、42山形、43山口、44鹿児島、45高知、46島根、47秋
田です。

子供が多い順という意味ではない。退職者後の人が、いま少ない順
です。あとで示す、県別の30年後の人口増減(ほとんどの県が人口
減ですが)と対照してください。

住宅ローンの損得を考えると、その意味、そして対策も浮かぶので
す。少子化は、変更できない傾向ではない。

1950年代からのフランスのように、税法で一挙に転換させることが
できます。わが国では知られていないフランスの税制と家族制度を
調べ、対策がわかったのです。次期政府への提言も含みます。「経
済を成長させる方法なら、どんなことでも教えてくれ」というのが
政府です。

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   <552号:高齢化を転じる経済:住宅ローンを事例に>
      少子高齢化を転換させる方法
       2011年8月24日号

【目次】
1.30年あとを考えねばならない住宅ローン
2.わが国の個人からの視点
3.ローン金利と住宅所有の総コスト
4.住宅を買うことの損得の結論
5.低い変動金利と高い固定金利の損得
6.人口動態と不動産価格の、原理的な関係
7.都道府県別の、30年間の人口増減
8.インフレのとき、不動産価格はどうなるか?
9.日本は将来人口を増やさねば、どうにもならない
【後記】

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■1.30年あとを考えねばならない住宅ローン

これから住宅を買って住宅ローンを組むこと、あるいは高い固定金
利から変動金利に変えることは、得か損かという質問をうけること
が、しばしばあります。

 住宅は多くのひとにとって、生涯で最大の買い物であり、ローン
も最大の借金です。企業にとっては、土地を買うことが、最大の投
資であることが多い。企業にとっても、不動産投資の考えは、住宅
ローンとおなじです。

 住宅ローンを組むことは、
・ローンという負債証券を引きうけ、
・対価として現金を得て、それで家(不動産)を買うという金融行
動です。

住宅ローンの損得では、金利、住宅価格、不動産価格の変化予想、
借家やリースのときの家賃という3要素を考慮せねばなりません。

・米国では住宅ローン残は、ほぼ$11兆(880兆円)、
・欧州で推測$10兆(800兆円)、
・日本では約200兆円です。

日本では1992年から、米国ではその15年後の2007年から、欧州全域
でも2007年から、住宅価格がいずれもピークのほぼ半額に向かい下
落しています。なお、米国の商業用不動産の証券も300兆円は残っ
ています(その価値は半減に近い)。

 ローン負債の回収権を担保にした住宅証券(RMBSやMBS等)は、額
面のまま残っています。市場価値が下落した、これらのローン債権
をもつのは、金融機関です。

●米欧合計で、当方の推計では、住宅ローン債権のみで、800兆円
の含み損があるでしょう。

 このため08年から金融危機になり、3年後の今も、償却するには大
きすぎため、金融機関と政府・中央銀行のバランス・シートに、残
ったままであることを示しました。08年以降の、金融緩和のため、
上がり過ぎた住宅と住宅ローンを抱える中国でも、米欧に似た住宅
価格の崩壊と、ローン負債の不良債権化が、2011年末または12年に
かけて起こるはずです。

 米欧の住宅ローンは、個人の破産のみならず、その国に金融危機
と信用恐慌を引きおこすくらい大きなものです。米国では国債の総
額($14.3兆)とならぶのが住宅ローン($11兆)だからです。

■2.わが国の個人からの視点

以降では、わが国の個人からみた視点を示します。企業が不動産を
買うときも全くおなじです。

 まず、借家やリースのときの家賃です。家賃は、住宅価格のよう
な大きな変動はしません。今、わが国の家賃の水準は、土地を含む
住宅価格の4%付近です。

1億円なら年間400万円、5000万円で200万円、3000万円で120万円(
1ヶ月10万円)の家賃(レントと言う)です。大都市部で、広さ約3
5坪(115平米の4LDK)くらいです。

 借家は住宅価格の約4%の家賃がかかり、家族の生活コストです。
ローン金利が30年固定で4%ならちょうど家賃に相当します。

5000万円の住宅を買い、全額のローンを4%固定で組んだと仮定し
たとき(普通は頭金が20~30%必要ですがここでは理論計算)、年
間金利は200万円です。これが、同程度の住宅の家賃に相当する部
分です。

▼住宅価格への見解

 4%以下の30年固定金利なら、ローンで買ったほうが得にみえます
。事実、1980年代までは、かりにローン金利が7%でも、住宅を買
うほうが得でした。住宅価格が1年に3%以上(ローン期間30年で2
.4倍以上)に上がっていたためです。

ところが今後は、住宅価格の、全体的・長期的な値上がりは、想定
できません。

●住宅に限らず、あらゆる資産価格は、あとで買う人が増えないと
、上がりません。買う人がふえるかどうかは、人口の年齢構成と人
口の増減で分かります。資産価格で唯一の真実は、買う人が今後増
えるかどうかです。増えれば上がる。減れば下がる。

 当方、住宅価格が高騰するバブル期の前に、北九州市にマンショ
ン(ほんとうはアパートメントと言うべき)を買っていました。価
格は1850万円で110平米くらいの3LDKでした。ローン金利は忘れま
したが、たしか固定で7%付近と高かった(現在水準は2.2%)。北
九州市の人口は、100万人くらいでした。

 ほかの政令指定都市(100万人の人口クラス)と違い、1970年代か
らの鉄鋼業のリストラのため、人口は1年に3000人(0.3%:住宅で
は1年に1000軒が空き家になる)くらい、継続的に流出し、減って
いました。

わずか0.3%/年の人口減です。
世帯所得は1年に5%くらいは上がっていた時代でした。

 1980年代の後期は、東京・大阪・名古屋を中心に、ほかの都市で
は住宅価格が、2倍、3倍に高騰していました。ところが、人口が日
本に約20年先駆けて減っていた北九州市では、不動産価格は、まっ
たく上がりませんでした。

 その後、仕事の関係で大阪に引っ越し、貸していた自宅を売った
時(1990年)、価格はほぼ10年前に買ったときと同じ1850万円でし
た。住宅価格のバブル期(1980年代はハイパー・インフレ的な不動
産の高騰期)に、北九州市は、住宅価格のインフレがなかったので
す。このとき、心にきざみました。

「全国で住宅価格が上昇しても、人口が減る都市や地域では、空き
家が増えるため、住宅価格は、維持はしても、上がることはない。
ただし、人口が増える都市、地域には、インフレで上がるところが
あるだろう。」

 それから21年、全国の空き家は、少子高齢化のため、756万戸(08
年)と多い。住宅戸数5759万戸(08年)に対し13.1%と高い(3大
都市圏でも12.1%が空き家)。1年に60万戸くらい増える勢いです
。

 100軒の町で、いま13戸もが住むひとがいない。米国のような移民
(現在人口3000万人)がないので、高齢化と人口減がそのまま、空
き家の増加になります。空き家の756万戸のうち、半分くらいは老
朽家屋でしょう。それにしても、空き家は今後も増えます。1年に6
0万戸くらいも増える勢いです。

▼結論

「国家財政の破産状態が続き、日銀がマネーを刷って、かりにイン
フレに転じても、日本全体では住宅価格の値上がりは期待できない
。インフレで上がるのは、人口を維持する都市と地域、人口密度が
増える地域だけだろう」。

 ほかの都市は、マネーが溢れて、ハイパー・インフレ的な資産バ
ブル期であっても、1年0.3%の人口減だった北九州市の住宅価格
、あまり上がらなかった。人口の面で、日本の20年先を行く先進都
市でした。

住宅価格のみではない。商品需要もほかの都市のようには増えず、
企業の、平均売上の増加率は低かった。つまり、北九州のGPD(約5
兆円:日本の1%)は、バブルが沸騰している最中ですら、さほど
増えなかったのです。

(注)いまの日本全体の縮図でした。世界はインフレですが、日本
はデフレです。

以上から、一生の大きな買い物である住宅を買うとき、多くのひと
が期待する住宅価格の上昇は、今後インフレがあっても期待はでき
ないとみています。

 住宅価格が長期トレンドで下がるときは、世帯所得が同じときは
、「買わない選択」が金融資産を増やします。ただし、時価5000万
円の住宅に対し4%(年間200万円)の家賃が生活のコストとしてか
かります。3000万円なら年間120万円です。

 現在のように、30年固定のローン金利が2.2%付近と、とても低い
ときはどう考えるか。固定金利は2.2%以下に下がることは考えに
くいのです。(注)金利上昇のリスクを負う変動金利は、当然にそ
れより低い(後述)。

▼実質金利という概念

不動産の購入で実質金利という概念を知る必要があります。
・実質金利=借入金の金利+不動産価格の値下がり予想率

不動産価格が年3%下がる見込み(10年で26%の価格低下)なら、
借入金利(名目金利という)が2%でも、実質金利は5%です。
借家の家賃が4%ですから、買うのは損です。

・実質金利=借入金の金利-不動産価格の値上がり予想率

不動産価格が年3%上がる見込み(10年で34%の価格上昇)なら、
借入金利が5%と高くても、実質金利は2%と低い。
買いが得になるでしょう。

■3.ローン金利と住宅所有の総コスト

▼ローン金利と、住宅価格の関係では、所有の費用をくわえねばな
らない

 以降では計算しやすくするため、5000万円の住宅を全額ローンで
買ったケースとします。金利にくわえて、借家のときはかからなか
った固定資産税が、ほぼ0.5%(1年に25万円)くらいかかります
。ローン金利(30年固定で2.2%とします)と、両方をあわせたコ
ストは、2.7%です。

 給湯や水回りの住宅設備が壊れたときや、寿命になったときのメ
ンテナンス費用(家賃には含まれる)がかかります。この必要積み
たてを、1年平均で15万円(0.3%)とします。金利2.2%、固定資
産税0.5%、メンテナス費0.3%の合計は、3.0%(150万円/年)
です。

 家賃は1年に4%としました。ローンで買ったときのコストは1年3
%です。金利が30年固定で2.2%なら、買ったほうが1年1%(50万
円)得なように感じます。

 しかし住宅の寿命は約30年です。5000万円の戸建て住宅の、建物
・設備は広さが35坪(115平米)なら、約2000万円でしょうか。

30年後には、商品にするときはリフォームや建て替えが必要になり
ます。60年が寿命のマンションも、似ています。木造住宅で、30年
後に1000万円のリフォーム費用がかかったと仮定します。この必要
積立金が1年に5000万円に対し0.66%(33万円)です。

以上の、住宅所有のコストを合計します。固定ローン金利2.2%+
固定資産税0.5%+メンテナンス積立0.3%+30年後のリフォーム費
用の積立0.66%=3.66%(1年平均183万円)です。

■4.住宅を買うことの損得の結論

 借家のコストは4%(5000万円の住宅で年200万円)としました。
以下の結論が導けます。

「買った住宅が30年後に同じ価格で売れるとすれば、30年固定金利
が2.2%であるときは、住宅をローンで買ったほうが、同程度の借
家よりわずかに得になる。」

 住宅価格が下がるとみれば、買わないほうがいい。上がるとみれ
ば、買ったほうがいい。これは以降で示す人口増加地域にあるかど
うかに、かかっているでしょう。

▼暫定(ざんてい)的な結論

3%付近の固定金利なら、年1%平均で住宅価格が上がらないと、買
うのは損になります。1%の価格上昇は、30年で1.35倍です。5000
万円で買った住宅が、30年後は6750万円に上がることです。以上で
十分でしょうか。しかし、まだ続きがあります。

▼建物の流通価値は、30年経つとほぼゼロになるという現実

 5000万円の住宅で、土地価格を3000万円、建物・設備価格を2000
万円と仮定しました。わが国では、米国の設備寿命60年~100年と
比較し、流通価格には大きな違いがあります。建物と設備部分は、
メンテナンスがよく、買ったひとが十分に使えても、30年経った住
宅ではその流通価値はほぼゼロとされることです。このゼロは残酷
です。建物で500万の価値は残ったと仮定します。

 地価が3000万円のままの場合、その住宅の30年後の転売価格は、3
500万円です。これが、住宅価格が下がらず維持されたときの、市
場価格でしょう。

 住宅価格が下がっていないので、5000万円で売れると思っていた
、あるいは持ち続ければ5000万円の価値と思い込んでいた戸建て住
宅が、土地の価値だけの3500万円です。

 所有者には、自分がもつ住宅の価格には思いいれがあります。実
際に売るときは、それを買う顧客がきめる市場価格です。買うひと
にとっては、ほかのひとが住んだ古い建物は無価値です。そのため
、大きくリフォームするか、建て替えること多い。

 5000万円で売れるには、土地価格(購入時が3000万円)が、30年
後に4500万円と評価され、建物が500万円で、買われる必要があり
ます。つまり、30年で1.5倍に地価が上昇せねばならない。

 30年で1.5倍は年率平均で1.36%平均の地価上昇です。マンショ
ンも、建物・設備の評価が30年を過ぎると急速に下がりますから、
木造住宅に似ています。

人口が増える地域でないとかりにインフレがおこっても(通貨が無
価値になるハイパー・インフレでない限り)、不動産価格は上がり
ません。

 ▼結論

「買った住宅の周辺の地価が、30年後に1.5倍(年率平均では1.4%
)に上がらないと、ローンの固定金利が2.2%と低くても、住宅(
あるいは不動産)を買うのは損になる。他方、30年に1.5倍以上に
地価が上がるとみるなら、住宅を飼ったほうが得である。地価の上
昇が全く見込めない地域の住宅を買えば、損になる。」 

 ローンを組んだ場合は、節約をする。家賃は消えるが、ローン支
払いは貯蓄になる。だから買ったほうがいいという考えもあるでし
ょう。多くのひとは、その考えから、若干の無理をしても住宅を買
っています。従来、不動産は、家計の金融資産をもっとも大きく増
やす貯蓄でした。米国や欧州でも2008年以前は、そう考えられてい
ました。今の中国は、まだ、その考えが強い。

 しかし持ち家には、借家にはない「所有の満足、生活や家族の成
長にあわせたリフォームの満足、社会的信用や安心感」があるでし
ょう。これらは、マネーに換算できません。計算したのは、金融商
品としてのマネーに関する部分です。

 金融資産という観点で認識すべきことは以下です。不動産は、199
0年まではマネーを生む資産でした。しかし地価が下がった1992年
以降、生活のコストになったという転換です。

また、30年後に人口が減る地域では、地価の上昇は見込めないとい
うことです。この21年間のように、今後も名目GDPが成長しないと
、住宅もコストになるという認識の転換が必要です。

■5.低い変動金利と高い固定金利の損得
 
変動金利か、固定金利かで悩むことも多いでしょう。今、短期金利
である変動金利は0.98%~1.2%付近と極度に低いからです。他方3
0年固定の長期金利は2.2~2.4%付近です。3000万円をローンで借
りると、1年の利払いが約1%(30万円)は変わります。

変動金利は、市場の金利が上がると(国債の流通価格が下がると)
上がります。固定金利は、契約ときの金利が、変更されません。住
宅ローンを貸す銀行は、多くが、変動金利である短期金利と、固定
金利である長期金利を、ほかの銀行との間でスワップ(等価になる
金額で交換:これもデリバティブです)し、金利上昇のリスクを負
うことを避けています。

つまり、長短の金利は、リスクを計算したあとの等価で交換されて
います。

 これが、いまの住宅ローンの短期金利(0.98%~1.2%)と、長
期固定金利(2.2~2.4%)の差です。1%の短期金利には、ほぼ2
.4%の幅のリスクが含まれているといっていい。ローン金利が3.4
%かそれ以上に上がる可能性も高いという意味です。

 変動金利と、固定期金利の将来リスクは50:50で等価です。計算
したリスクが50:50になるように、住宅ローンの変動金利、固定金
利がきまっています。真実を言えば「変動金利でも、固定金利でも
、将来リスクは同じ」です。

 住宅ローンの支払いは30年続きます。元利均等払いは、最初の15
年間は金利の払いが多い。このため、今、1%という低い短期金利
で借りても、15年後に政府財政が破産し、金利が大きく上がったと
きは、大変な金利上昇になります。

今後15年、政府の財政は破産しないでしょうか? 今の40兆円のペ
ースで財政赤字が続くと、政府部門の負債は950兆円+40兆円×15
年=1550兆円で、わが国の個人金融資産を超えてしまいます。いか
にも無理です。

 家族の生活は、ローンの支払いで大きなリスクに晒すべきではな
いでしょう。目先の損をするように思えますが、不動産ローンでは
長期固定金利をお奨めします。金利差は、生活の保険と考えるべき
ものです。

■6.人口動態と不動産価格の、原理的な関係

 人口減がある地域では、ほかの都市がインフレになっても、全国
に20年先駆けて人口が減った北九州市のように不動産価格が上がり
ません。人口増の地域では、インフレになると、不動産価格は上が
るでしょう。

 今後、減少する地域人口は、政府の統計の傾向から、町別に誰で
も容易に判断できます。県と地域によって、今後30年の人口増減に
は、大きな違い(分布幅75~100)が生じます。

先進国が未経験で、日本が最先端の変化です。人口が減ると、それ
以上に、1人当たりの生産性が上がらないと地域のGDP(商品の生産
と売買額)は増えません。

住宅価格、不動産価格を長期予想するとき、肝心なデータは、その
地域の20年後、30年後の人口です。

 1年に0.3%(10万人:住宅戸数3万3000戸のうち300人)の人口減
はわずかです。しかしこれが30年の傾向なら、8.7%(8700人)の
人口減で、約3000戸もの住宅が、空き家として増えます。08年の空
き家の全国平均は13.1%(3万3000戸の地域で4320戸)です。

30年後の空き家は7320戸(22%:5軒に1軒)にもなるでしょう。半
分以上は取り壊されますが・・・こうした将来状況が想定できると
き、住宅価格や土地価格が上がることを予想すれば、無責任でしょ
う。以下の30年後の人口が90以下になる地域は、不動産価格は弱含
みを続けます。もちろん県では人口が10%減っても、A市やB町は、
維持するというのは十分にあります。

住宅や不動産価格も、金融商品に似て「将来、買うひとが増えるか
減るか」できまります。なお、人口の予測では大きな誤差は生じま
せん。大震災があれば別ですが・・・。

■7.都道府県別の、30年間の人口増減

(1)北海道:2005年の人口を100としたとき、30年後の2035年の北
海道は78です。町別には、50~95に分布します。

(全市町の人口予測データ)
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/kekka1/kekka1.html

(2)東北6県:
青森73;岩手75;宮城84;秋田68;山形76;福島78と推計されてい
ます。北海道・東北は、75くらいに25%も減ります。

(3) 関東9都県:
 茨城は82;栃木86;群馬84;長野80;山梨83;埼玉88;千葉90:
東京100;神奈川97です。小数点以下は、切り捨てています。

 東京・神奈川は、全国の人口が減るなかで、増えることはなくて
も、現在の人口をほぼ維持すると予測されています。このため東京
・神奈川は、不動産価格が、ほぼ維持される可能性が高い。大きく
上がることはないでしょう。

(4)北陸4県:
 新潟77;富山79;石川81;福井82で、北陸はほぼ80です。
岐阜83;静岡85;愛知96;三重86で、中部圏は85~95です。

(5)関西6府県:
滋賀97;京都85;大阪83;兵庫85;奈良77;和歌山71です。関西圏
は72~95です。

(6)中国5県:
鳥取81;島根74;岡山85;広島83;山口73です。中国圏は75~80で
す。

(7)四国4県:
徳島76;香川79;愛媛76:高知74で、四国はほぼ75~78です。

(8)九州・沖縄 8県:
 福岡87;佐賀82;長崎75;熊本82;大分80;宮崎79;鹿児島79;
沖縄104です。福岡県も減りますが、沖縄が全国でもっと高い人口
増加率です。

世界共通に、平均年齢が上がると、南西部のあたたかい地域に退職
者が移動するため、人口が増えます。米国と欧州も同じ傾向です。


いまも不動産が、地域経済に比べて高い沖縄は、今後も、不動産価
格が上がるでしょう。下がることはない。沖縄に不動産を買えば素
敵かもしれません。

 目処を言えば、今後、30年で、今100人の町の人口が75人になるこ
とは、1年に1.0%人口が減ることです。80は1年に0.75%の人口
減少です。地域は空き家だらけになります。不動産価格の上昇は、
考えることができません。

全国で言えば、
2005年の日本の人口を100(1億2776万人)としたとき、
・2010年99.5(0.5%減)
・2015年98.2(1.8%減)
・2020年86.1(3.9%減)
・2025年93.3(6.7%減)
・2030年90.2(9.8%減)
・2035年86.6(13.4%減)です。

 30年間で、日本の人口は13.4%も減って1億1067万人になります
。1年平均で0.48%も減ります。ここから、インフレになっても、
日本全国の地価が、今後上がることは考えられません。

■8.インフレのとき、不動産価格はどうなるか?

 商品物価が上がるインフレのときでも、
・人口増加地帯や維持地帯(都道府県単位では東京・神奈川・沖縄
)のみが上がり、
・ほかは維持か下落です。

地価は、人口構成でみて、上がった価格で買うひとが増えないと上
がらない。これは、あらゆる資産(金融資産や会員券等)に共通し
たことです。

 上記の都道府県別での、30年後の85は1年に0.55%の減少です。90
は1年に0.35%の人口減です。事例に上げた1980年代の北九州市(
年0.3%減)にちかい。他の地域で大きな不動産のバブルが起こっ
ても、年率で0.3%人口が減っていれば、その地域の価格は上がら
ない。人口が減らない地域が、不動産価格で横ばいなら、1年に0.3
%減る地域は、価格が下がります。人口の増減率は、長期で変りま
せん。ある年は1%増え、次年度は1%減るというような変化はしま
せん。そのため、上記の人口推移で、容易に予想できます。

30年後の95は、1年0.17%の人口減少です。これがほかの地域が住
宅価格インフレのときも、不動産価格が上がらない人口です。

 30年後の人口が、100付近で維持される都市、地域、市、町は、イ
ンフレがあると、その率で不動産価格は上がるでしょう。

 住宅ローンを抱える人(約1000万世帯:3000万人)、そしてこれ
から組む人(団塊ジュニア:約800万人)にとって、以上に示した
地価の、将来の価格の問題は、ライフ・プランで肝心でしょう。

もちろんこれは、住宅ローンを終えたひとや、もともとローンがな
かった人(約3000万世帯)にとっても、将来住宅価格の目処になる
ものです。今売ったほうが得か、そのままか。

企業経営にとっては、設備投資のときの、重要な考慮事項です。

▼企業経営にとって

 企業の経営にとっても、おなじです。工場、店舗、物流センター
の不動産価格が上がって、それによって信用が増える。転売で利益
を増やすということは、例外的な地域を除いて想定できません。

 経営では、売れる商品をつくり、経費を合理化して、ひと的な生
産性を上げ、営業利益を上げることが、ますます重要になります。
不動産の多さではなく、営業利益の時代になります。

 1980年代までの企業経営とは、様変わりしています。売る側は、
常に、「今が底値」とは言います。そう言わねば売れません。当人
は、嘘ではなく底値と信じ込んでいるのでしょう。

しかし底値とは、それ以降、その周辺の土地を買うひとが増えると
いうことを意味します。ところが、人口が減る多くの地域では、買
うひとが増えないのです。

 将来、金融の要因から商品物価のインフレになれば、地価や不動
産価格もインフレ率に比例して上がるのではないかと、漠然と想定
しているひとたちは多いと思います。

 人口が維持または増える地帯にはこれがあてはまります。しかし
長期予想で、1年に0.3%(30年で約9%)でも人口が減る市・地域
・町は、インフレでも不動産価格は上がりません。空き家が増える
からです。

 人口減の時代は、過去の、人口がわずかでも増えていたときでき
た先進国共通の観念を、転換せねばならない。21世紀は、いまのま
まなら不動産も大きく変わります。

ただしわが国の、不動産や株価を、これから長期で上げる方法はあ
るのです。これは日本経済の、大きな成長策でもある。

住宅価格も株価も、将来上がるという期待がないと、いま、上がら
ないのです。人口が増えないと、企業の商品の、売上数量も増えま
せん。

■9.日本は将来人口を増やさねば、どうにもならない

▼戦後フランスの税法と家族制度

 戦前に、人口が世界に先駆けて減って、いずれ国がつぶれると言
われていたフランスでとられた政策は、以下でした。子供が減った
原因は、実にいろいろ言われていた。強い個人主義、夫婦の享楽主
義、経済の将来悲観・・・いずれ嘘でした。税法の転換で、様変わ
りしたからです。

家族数で、所得を割って、その1人当たり所得に対して、累進課税
する方法です。年収が多くても、子供が多ければ、限りなく所得税
が無税になる制度です。実に単純な制度です。

 夫婦は2名、第一子と第二子は人口を増やさないので、0.5名と0
.5名、第三子以上は、国の人口を増やすので、1名と数えます。子
供が6人なら、夫婦2+0.5+0.5+4で、家族数は7人です。

この7名でたとえば1000万円(夫婦共稼ぎ)の世帯年収を割る。1人
が143万円です。ほぼ無税です。賢明な政策に思えます。フランス
人は、ときどき、こうしたしゃれたことをします。学校にはあまり
行きませんでしたが、ずっとフランスを意識してきた仏文科出身と
して言えます。

 結婚して、子供を3人以上に増やせば、所得税はどんどん減って、
1000万円の年収以上でも無税になる。子育て支援金などより、はる
かに大きい。この政策で、個人主義がとても強いあのフランス人が
、子供を増やしました。

離婚すれば(子供も減ります)、一挙に、所得税が増えます。結婚
と子育てが、ライフ・プランで得になる。世論があれば、この政策
がつくることができます。独身は、所得税で大きく不利になるため
、結婚を急ぎます。

 日本も、戦後のフランス流の家族制度と税法を導入したら、人口
は一転して、来年から増えるでしょう。人口が減って不動産が下が
り続け、人口減に比例して商品消費量が減れば、どんな対策を打っ
ても、国の経済は浮上しません。

人口が増えれば、日本の社会は一挙に、昨日までのことが別世界の
ように明るくなります。敗戦後が、いまよりはるかに貧しくとも明
るかったのは、子供が大きく増えていたからです。

 家族政策の結果、戦前の1944年に3800万人にまで減っていたフラ
ンスは、
・1970年5077万人、
・1980年5388万人、
・1990年5670万人、
・2000年5905万人、
・2005年6070万人へと、
  60年間で60%も増えました。人口爆発と、言っていい。

 日本は、いまの制度のままでは、前記のように、地域人口は激減
という変化をします。根本対策はあります。

フランスで成功した制度、つまり子供が増えれば増えるほど、急速
に所得税が減る税法をつくるだけでいい。住宅価格の将来予想も上
げに、株価も上げに転じます。売上の将来予想がプラスになるから
です。いまはマイナスです。

 高齢化を支えるため、10代、20代、30代、40代のひとたちの将来
負担が、大きく増えるという方向では、国は、暗くなりなります。
子供を生めば、将来負担が減るとなると、国の空気は、変わります
。

 そのための財政赤字、そのための国債なら、国民は喜んで買うで
しょう。50代も、高い所得税を減らすためガンバルかも知れません
。60代は無理でしょうか。人口が増え、いまは減っている消費が、
近い将来増えると変われば、不動産のみならず、株価も1970年代ま
でのように上がります。一家4人の子供で、これが実現できます。2
万円程度の子育て支援金では、方法がダメです。

なぜ政府は、フランス流を行わないのでしょうか。戦後の人口を60
%も増やしたフランスの家族制度と税法は、知っているはずです。
消費税を上げるだけが、方法ではない。米国のような移民だけが方
法でもないのです。次期政権にも提言します。障害は、財務省です
。ドイツや米国しか知らないのかなぁ・・・

【後記】
前回、工夫をしたスピーカーづくりのことを、みじかく書きました
。テーマとは異なるので、増刊号として、書いて送ります。たぶん
99%の、興味がないひとは無視してください。オーディオの、商品
論でもあります。当方も書きたい。毎日、生々しい音で鳴っていま
す。自称ですが、最高傑作です。音の感じは、自分だけしかわから
ない。絵や美術とおなじです。

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