講演会の骨子と、寄せられた質問への回答概略
This is my site Written by admin on 2012年3月6日 – 10:00
おはようございます。急に、湿った春風が吹いたような日でした。
明日からは寒くなるようです。いかがお過ごしでしょうか。講演会
には、ずいぶん多くの方から申し込みをいただき、ありがとうござ
います。

さっきまで、当日のレジュメをチェックしていました。50ぺージで
す。いろんなところでずいぶん行いましたが、自分の講演の主催の
立場に立つのは、2回だけです。前回は、ウォルマートの経営原則
を書いた『ザ・プリンシプル』の出版の後でした。参加の方への確
認の意味を含め、会次第を、記します。

●期日と時間:2012年3月9日 午後18:00時開場  
                              18:30分開演~終了予定21:00

受付が混雑する恐れがあります。時間が可能なら早めに来て下さい。

会場:サンケイプラザ3階会議室:東京都千代田区大手町1-7-2
      (地下鉄 大手町駅 徒歩1分:東京駅からは徒歩5分)
       電話03-3273-2258~9
*3階にある302号+303号+304号のセミナールールを使います。

会費:1万円 (受付で 申し受けます:領収証発行)
申し込み方法:メール(↓)
  宛先:  nakajima@keymannet.co.jp

<講演 次第>

1.開演・・・司会   18:30~
2.吉田繁治  講演   18:35~20:35
   『2010年代の金融と経済、そして個人の生き方』
  
   §1  マネーの本質;何がどうなっているのか?
   §2  現代のマネー=6京円のデリバティブ
   §3  官の財政と民間経済の方向、仕事と個人生活
   §4  国家破産とその後の経済、会社、生活
   §5  金融資産を減らさないために
   §6 金融・経済・仕事への41項の質問への回答集

3.質疑応答
4.終演              21:00
   (お会いできるのを楽しみにしています)

なお、他では禁じることが多いようですが、吉田講演は、
ご自分での利用に限り、録音はOKです。販売は禁止ですが・・・

申し込みのメールとともに、41項に共通化できる質問をいただいて
います。全部にお答えします。これからの通貨、金融そして会社の
方向、金融資産の運用についてのものが多い。

以降に、最初の8つ質問と、当方の回答の骨子を書きます。

▼ Q1:世界の金融危機の時期はいつか? 
  
A : 2012年8、9月から、2013年でしょう。損からの負債には、   
税府・中銀が貸したにせよ、金利が累積するからです。

・デリバティブ(対象資産6京円:11年6月:BIS統計)と、
・タックスヘイブン(租税回避地)のオフショア(総金融資産
1800兆円)に隠れている世界の金融機関の含み損は、
世界合計で2000兆円と見ています。

米国FRBと欧州のECBが、08年9月以降まず400兆円を、金融機関に貸
し付け、世界恐慌を防いでいます。

日本では、2000億円の企業年金を預かっていた投資顧問業のAIJが、
調査の及ばないオフショアで、1800億円の損をしていることが露呈
しました。デリバティブで数年は損を飛ばしていたのですが、決済
時期が来て、90%もの損が、次々に露呈したのです。1000億円の運
用損を隠していたオリンパスも、オフショアを使っていました。

これに類する損が、世界の金融機関の、オフショア金融に隠れてい
ます。世界の銀行資産の50%(1800兆円)は、本拠が、ケイマン島
など、世界の約100カ所のオフショアにあるからです。コンピュー
タ口座があるだけで、建物も社員もいませんが・・・

日本の株の70%の売買、及び日本国債の60%の売買は、このオフシ
ョアを経由した、ガイジン・ヘッジファンドです。世界の全金融
(お金の流れ)の、50%~60%がオフショア経由と言われます。
(『タックスヘイブンの闇』:ニコラス・シャクソン)

2011年~2012年1月は、このオフショアからヘッジファンドが日本
国債の買い越しを約30兆円も行っています。日本国債は、国内が
94%を持つから安全と言われてきましたが、2011年からは様変わり
しています。

突然、ガイジン・ファンドの買い超が60%に増えたのです。
日銀が、
・急遽、インフレターゲット1%と言い、
・2012年には日本国債を40兆円の枠で買うと言った理由は、このガ
イジン・ファンドの、現物売り、空売り、先物売り、オプション売
りに備えることが目的でしょう。

それしか、考えられられないのです。

2010年5月からに続き、再びPIIGS国債の下落危機が襲った2011年に
は、米国FRBと欧州のECBが、合計約200兆円を、緊急に貸し付けて
いると見ます。

2012年2月、3月の株価上昇(日米欧でそれぞれ約10~15%)は、こ
うした中央銀行のマネーが、ヘッジファンド(世界で8000本:元本
資金$2兆:運用額$20兆(1600兆円))に流れて、株買いになっ
たことが原因です。

日銀も、合計で資産買い受け枠(65兆円)を使い、株を、投資信託
を使って覆面買いしています。これで、日本株が上がったのです。

現在、世界同時に、中央銀行が、「巨額マネー印刷」です。

世界の国債残は、世界のGDPの1年分で約5000兆円です。2012年の、
主要国の国債の新規発行は、1000兆円が予定されています。

中央銀行が、マネー印刷して買い受けない限り、国債が暴落して、
金利が高騰します。このために、日米欧の中央銀行が、同時にマ
ネーを刷るのです。すごいことになってきました。

中央銀行の、マネー印刷と供給で注意すべきは、金融機関に緊急に
貸付たマネーは、いずれ回収せねばならないということです。

無際限にマネーを刷って増加貸付を続ければ、1.5~2年後から、
悪性のインフレになります。悪性のインフレは、世帯所得が上がら
ず(むしろ減って)、物価上がるということです。現在の、ギリシ
アやスペインに似た状況になるのです。

(後の分は、短く、結論のみを書きます。理由を述べれば、とても
長くなります。)

Q2:金融資産の防衛には? 
A:高い利益率を狙ってはダメです。10%の利益で満足することです。
金融資産の運用では、20%の利益の可能性は、20%の損と同じ可能
性だからです。 

利益の可能性のみを見て、おなじだけある損の確率を見ないで、結
局、損をする人が、実に多い。AIJの運用の大失敗は、損を回復し
ようと、リスクが高いものに、大きな相場を張ったからです。金融
では「うまい話」は、いつの時代も、今後も皆無です。

Q3:日銀の2012年の40兆円の国債買いの目的と、副作用は? 
A:2011年から、突然ガイジンが日本国債を買い越しているからです。
これが売り超になると、国内の金融機関では買い支えができない。
このため、日銀が40兆円枠で買うと言ったのです。 
副作用は、円が売られ、円安、株安になる恐れが高いことです。
現在の日本株の上昇は、日銀の覆面買いが、先導したものです。 
  
通貨ではGDPに対して、最も多く国債を買う国の通貨が下がります。


Q4:国債暴落時の、生保、不動産への影響 
A: 生保の基金と、金融資産の価値が、下がります。 
  不動産は、人口が増える地帯は上がり、他は下げます。 

Q5:国家破産後の、ハイパーインフレは? 
A:ハイパーインフレの可能性は、小さいと見ています。 
  他方で、資源価格、食品価格は上がります。 

Q6:国家破産では、預金、債券は国が没収するのか?    
A: 預金引き出し額の制限の可能性は、残るでしょう。 
    預金税、資産税、相続税の増税が考えられます。 
    相続税を無税にする国債を発行するかも知れません。
    でもこうした荒技は、実行できない気もします。 

Q7:円の価値は下がるのか?  
A:GDP比で、中央銀行が最も多く国債を買う国の通貨が下がり
ます。日本がそれなら、円が下がります。 ユーロ→円→ドルの順
に、思えます。 

Q8:今からでも金を買うべきか? 
A:上がっても下がっても、毎月、財布に合わせ、長期 で一定額を
買うことは、奨められます。 金鉱山株や、短期の利益を狙う買い
は、奨めません。 

上がっても、利益確定売りはせず、保有し続けることを推奨。売れ
ば、利益に約20%の税金がかかります。 現金が必要なときは、金
を担保に、銀行から借りればいいのです。時価のほぼ70%には、評
価されます。 
(注)ドル基軸通貨の崩壊は、金を高騰させます。 

41の質問のうち、最初の8つについての回答の骨子です。
参考のために、載せました。

                         
【後記】
すでにお読みの方が多いと思いますが、可能なら、拙著を読んで参
加いただけると、講演の短い時間でも、理解が腹に落ちると思いま
す。ネットでの在庫は補充されています。

アマゾン(紙)            : http://www.amazon.co.jp/
紀伊国屋Web(紙+電子)  : http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
楽天書店(紙)            :http://books.rakuten.co.jp/
廣済堂bookgate(紙+PDF版): http://www.bookgate.info/
セブンアイネット(紙)    :http://www.7netshopping.jp/books/

【著者へのひとことメール、および読者アンケートの送信先】
yoshida@cool-knowledge.com

●インターネットで、偶然見つけた、書評サイトでの評価のひとつ
です。気恥ずかしいのですが、当方の意図をよく理解していただい
ていると感じたので、掲載します(掲載の承諾は、頂戴していま
す)

Kitは今、世界を覆う財政危機や金融不安の本質がどうなのか気に
なっているのですが、
本書はこれ一冊読めば、
・国債の信用リスク
・デリバティブの恐怖
・米ドル安と円高の行方が及ぼす影響
・不動産価格の見通し
・国家破産の可能性
・資産防衛のためにすべきこと
など、すべてが関連付けて理解できます。

とはいえ、ひとつひとつ理解しながら読んだので、読み終えるのに
たっぷり1週間かかってしまいました。この本のすごいところは、
徹底的に数値をもとにした論理展開を行なっていること。

読者をいたずらに怖がらせたり脅したりするような表現は、一切使
っていません。類書では、著者が金融ビジネスに携わっていたりす
ると、自分の商品の販売に結びつけたり、自分の権威を高めようと
したりするポジショントークが含まれていたりするものですが、そ
んなポジショントークも一切なし。

著者の吉田繁治さんは、【ビジネス知識源】というメールマガジン
の発行人で、ビジネスメールマガジンではNo.1の人気を誇ります。

書いてあることは難しそうに見えるのですが、変に楽観論や悲観論
に偏っておらず、データを丁寧に紐解きながら、重要な部分は繰り
返し解説してくれるので実にわかりやすい。

読了した後、もう一度ななめ読みしただけで、理解がさらに深まり
ました。ここに書かれている事実を自分はどうとらえるか、そして
どう行動すべきか。腑に落ちるまで、何度も読み返すべき本だと思
います。

現在、そして今後の世界経済を語る本の決定版ではないでしょうか。
http://blogs.yahoo.co.jp/kit_45104/29108188.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ビジネス知識源アンケート:感想は自由な内容で。以下は、項目
の目処です】

1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点、ご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。

気軽に送信してください。感想やご意見は、励みと参考にもなり、
うれしく読んでいます。時間の関係で、質問への返事や回答ができ
ないときも全部を読み、共通のものは、記事に反映させるよう努め
ています。

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【有料版の最近号の目次】

<578号:40兆円の国債買いを表明した日銀:その理由と展開>
                2012年2月15日号

【目次】

1.2012年1月から2月の、世界の株価回復の原因は、公的マネー
2.日本の株価上昇の事例:なぜ上がったのか?
3.日銀は、インフレ・ターゲット策と言うが・・・
4.重大な動きと、カモフラージュの発言
5.日本国債の、投資家別の売買を見れば、かつてない異常な動き
がある
6.ユーロ、円、ドルの順・・・

■2.解約していないのに、月初めから、有料版メールマガジンが
来なくなったとき(このメールが当方によく来ます)。
主な原因は2つです。

(1)クレジットカードの有効期限:
登録しているクレジットカードの有効期限(期間は数年)が切れて
ないか調べてください。
ほとんどの原因は、登録していたクレジットカードの期限切れで
す。お手間をかけますが、「新しいカード番号と有効期限」を再登
録してください。月初めからの分の再送を含み、再び届きます。
https://mypage.mag2.com/Welcome.do
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でログインし、出てきた画面で、新しい期限と番号を再登録します。

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ガジンが不特定多数への「迷惑メール」になってしまうことがあり
ます。
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ば、元に戻ります。
(以上)


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