特別号:米国大統領選挙第四弾
Written by admin on 2020年11月8日 – 21:30
有料版でさっき送った、米国大統領選挙の第四弾です。 送る必要があると思ったのは、SNSのツィッターやYouTubeで、民主党 による選挙の詐欺的な不正が事実のように語られ、トランプ大統領 (1月20日までは大統領)が、「自分が勝っている。最高裁まで争 う」としているからです。 ▼(1)事実 現在の事実から述べます。(データはNBC) https://www.nbcnews.com/politics/2020-elections/president-results 〔1.選挙人獲得〕 バイデン 253人(過半数まで17人) トランプ 214人(過半数まで56人) 〔2.50州での得票数の差は2%:50人あたり1名の差〕 バイデン 74百万票(51%) トランプ 70百万票(49%) 全米の票差は2%ですが、選挙人獲得ではバイデン優勢を超えて勝勢 です。 〔3.未定の4州:カッコ内は選挙人数:11月7日:am4:00 NY時間〕 〔バイデン〕 〔トランプ〕 〔差異〕 開票率〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ NV(6人) 632,558人 609,901人(-3.5%) 93% AZ(11人)1,604,067人 1,504,206人(-6.2%) 97% GA(16人)2,461,456人 2,454,204人(-0.3%) 99% NC(16人)2,732,838人 2,656,303人(-2.8%) 98% PA (20人) 3,336,887人 3,308,054人(0.09%) 96% ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ NV=ネバダ;AZ=アリゾナ;GA=ジョージア;NC=ノース・カロナイ ナ;PA=ペンシルバニア 選挙人獲得が214人のトランプは、ペンシルバニア(選挙人20人) と残り4州のうち3州を取らないと当選できません。しかし、5州では いずれもバイデンが票数でリードしています。 残っているのは、ほとんどが郵便投票分です。 ・郵便投票では、本人であることの署名の確認が必要なこと、 ・消印は11月3日が期限でも、到着の有効日は各州で異なること、 ・軍人や海外勤務の人からの 郵便投票があることから、毎回、 集計の遅れが生じます。 郵便投票では、バイデン支持が約70%です。トランプは、約30%でし かない。 ・投票所投票ではトランプの勝ち(11月4日)ですが、 ・集計が遅れる8893万票の郵便投票を加えるとバイデンの勝ちだった のです。(注)期日前投票は1100万人。 郵便投票の確認(署名の照合)による加算が進むにつれ、バイデン票 が増えます。趨勢ではバイデン勝利が95%は確定しています。 僅差(7252票差)のジョージアは再集計が決定しています。 最終的な票の確定には、数日(5日か?)かかるでしょう。 0.5%未満の差のときは、自動的に再集計を行うからです。 再集計で動くのは、「一方に加担する意図がない限りは」、数百票 (1万分の1)くらいです。統計的には、両方への間違いがおよそ等分 になるからです。 このためもあって、米国大手メディアは日本のような「当確」を、ま だ出しません。3%になった残りの郵便投票分の70%トランプも100% ないとは言えないからです。 ▼(2)トランプ側の「不正選挙申し立て」の根拠になっていること いちばん大きなことは、ジョージア州で「突然、バイデン票が12.8万 票」増えたことでした。このとき、「(民主党側から)バイデンと書 いた10万票の不正な票の不正混入」があったとされたのです。 ツイッターで広まり、トランプ本人もツィートしています(500万人 が見る可能性があります)。日本でも、投票不正をいうYouTubeが多 い(トランプ支持が明確な人たち)。 しかしこれはジョージアの当局(知事は共和党)によって、「管理者 を経ていない担当者のタイプミスがあった」とされ、20分後に、修正 されています。不正な混入ではなかった。英国のBBCが事情を検証し ています。(日本語にされているので載せます↓) https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54835283 ところがツイッターとYouTubeでは、「ジョージア州の不自然なバイ デン票(約10万票)という犯罪的な陰謀」が、今も広まったままにさ れています。 死者とされた人の投票も「同姓同名の人」のものだったことも明らか になっています。 ウィスコンシン州で「登録有権者数(319万人)より多い投票数だっ た」ということも、当局は、319万人は古い年度の登録のものであり、 20年11月1日時点では。368万4726人であるとしています。 また、同州は、投票日当日(11月3日)の登録を認めるため、実際の 登録はこれより多いという。 米国では、選挙で投票する前に、有権者登録が必要です。投票のため に登録した人は投票する可能性が高いため、投票数÷登録数は80%以 上になります。 ▼トランプは敗北宣言をせず、不正を告訴する(可能性) 【トランプの告訴】 トランプは、開票の結果を認めず、民主党の不正を告訴し、州の裁判 所から、連邦最高裁まで行くとかねてから言っていました。 ただし不正の証拠は、出していません。 ワシントンの連邦最高裁が乗り出すのは、各州にある最高裁の判決に 間違いがあったときだけです。何か、証拠があるのか? たぶん上記 の3つ以外の「ツイッターの噂」以外はないでしょう(これは、すで に、正式に否定されています)。 激戦州の票の再集計は行われますが、トランプの当選にはならない。 しかし、トランプはどこまでも文句をつける気でしょう。 21年1月21日に大統領でなくなると不逮捕の特権が消え、過去の事件 (約10件)で起訴される可能性が高く、韓国で多い元大統領の逮捕も あるからです。赤字の不動産事業(負債総額は1000億円ともいう)で は、銀行から返済を迫られ、ほぼ確実に破産します。 今、CNNにバイデンが出ていますが、余裕の自信が、顔の表情にもあ り、「大統領の顔」になってきました。立場や役職は、人を作ります。 トランプはホワイトハウスに閉じこもり、共和党の知事に電話をかけ、 怒鳴っているという(BBC)。共和党内には一部議員のトランプ離れ が見られます。本人は会見に出てきません。開票が確定しても、敗北 宣言はしないという。 現在、選挙人の獲得ではバイデン253人:トランプ213人のままで、2 日間、動いていません(CNN:NY時間11月7日:午前5:30)。 【連邦最高裁】 保守派6人の最高裁であっても、証拠からの論理がない限り、票差を 覆すことはできない。不正が立証されない限りは、選挙を無効とする 判決も出せないでしょう。どんな判決になるのかは、不明です。 【ナローパスだが・・・】 投票日に届かなかった「郵便投票の一部」が、不当とされる法的な決 定はないとは言えません。(注)この決定は、間違っていますが、裁 判の判決は間違えることもあります。 【選挙の大統領選挙】 州民の投票で選ばれた選挙人が、それぞれの州で投票するのは、12月 14日です。 選挙人は、普通は、指定されている大統領に入れます。しかし毎回、 数人(2016年の前回は4人)の棄権もあるのです。 〇トランプ側から何らかの報酬約束を受け、民主党の選挙人が共和党 のトランプに入れることも考えられます。 選挙人が自党の候補に入れるのは、法的な義務でない(規定そのもの がない)。ただしこれも、バイデンとの獲得選挙人の差が10人以内で ないと、無理でしょう。 【選挙人選挙が、同数になったとき】 万一選挙人が同数になり、決定できない事態が生じたとします。 法の定めのない、その次は、慣例ではどうなるのか? 〇各州で多数派になった下院の議員が、州で1名の選挙人を選びます。 全州で50人の選挙人になります。大統領選挙と同時に、1/3が改選さ れる民主党議員の分布では、 ・26州が共和党優位、 ・24州が民主党となる可能性が高い (人口割りの民主党の下院議員は、都市部の州に多いためです)。 〔下院は大統領を、上院は副大統領を選ぶ慣例〕 50州全体の下院議員の総数では民主党が上回ります。しかし各州で1 人の代表では、共和党が優位でしょう(可能性)。このとき26(トラ プ):24(バイデン)で、トランプ大統領の再選です。 下院と同じ1/3が改選され、共和党が多数派になる見込みが高い上院 では、副大統領(ペンス)を選ぶことになるでしょう。「トランプ- ペンス」の共和党コンビです。 (1)上院は「各州2名×50州=100人」の定員ですが、現在、民主党 が46名、共和党が48名です(残りは6名)。 (2)下院では、民主党が212名、共和党が194名です(過半数は218 名)。民主党のバイデンが大統領になっても、上院が共和党多数のね じれ国会になるので、株価を下げる増税はできないとして、世界の株 価が上がっています。 下院による大統領投票が25:25で「同数」になったときは、最後は下 院の議長(民主党のペロシ女史)が大統領になります。 〇米国大統領選挙は、選挙人の選定からして「南北戦争時代からの古 色蒼然とした変な制度」です。歴代の大統領と議会が、現代風の直接 選挙には変えて来なかったからです。 「議員の有利、不利の思惑」がからんだからです。大統領選挙では、 できる限り国民の票数の直接の関与を減らし、議員の権益を大きくし ようとしたのです。 ●トランプが再選されるのは、共和党が優位になる州1名の下院議員 の選挙になったときだけです。可能性はあるでしょうか。当方はない とみています。 最高裁の判決にも「事実からの合理的な論理」が必要だからです。保 守派6人:リベラル3人であっても、まさか、でっち上げることはでき ないでしょう。 【最高裁の良識】 最高裁が権威を失ってトランプの道具になる「まさか」はあるのか? 英国と同じ慣習法(コモン・ロー:慣習法とも言う)の米国は、法の 規定がないときは、過去の慣例に従います。 コモンは、コモンセンス。国語では常識。「常識は、同じ社会の人々 が共有する認識または意識」です。哲学的には、社会の道徳と文化に からんで、難しい議論が、ギリシア時代から続いているのが「常識」 です。社会とは、個人が何らかの立場として組織化された共同体です。 米国には、米国の常識があります。 小林秀雄は「常識について」として、古代の仏教の「識(=認識の方 法)」について書いています。 哲学的な、科学ではない形而上学的な議論は、WIKIPEDIAで眺めてみ てください。常識の上位のものが、良識とされます(三木清)。 米国最高裁の判事に、われわれの認識に通じる「良識」があるのかと いうところまで行くかもしれません。 一方で、7000万人が票を入れたトランプの人気は、「訴訟」問題から 衰えていることが、メディアのキャスターの口調からうかがえるから です。 デジタルの時代になって、米国の民主主義はいよいよ古色蒼然として います。制度改革の必要があります。日本の議院内閣制(議員が首相 を選ぶ制度:英国の制度を真似たもの)も、ブロックチェーンでの直 接選挙制に変える必要があります。 偽造ができない仮想通貨と同じブロックチェーンで投票すれば、一挙 に解決します。少数で支配したい既存勢力が、抵抗するでしょう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【ビジネス知識源無料版:感想は自由な内容で。 以下は、項目の目処です】 1.内容は、興味がもてますか? 2.理解は進みましたか? 3.疑問点、ご意見はありますか? 4.その他、感想、希望テーマ等 5.差し支えない範囲で、あなたの横顔情報があると、テーマ選択と 内容記述の際、より的確に書くための参考になります。 気軽に送信してください。感想やご意見は励みと参考になり、うれし く読んでいます。時間の関係で、返事や回答ができないときも、全部 読みます。共通のものは、後の記事に反映させるよう努めます。 【著者へのひとことメール、および読者アンケートの送信先】 yoshida@cool-knowledge.com ■1. 有料版の新規登録は、最初、無料お試しセットです(1か月分: 毎週水曜日発行):月中のいつ申し込んでも、その月の既発行分は、 その全部を読むことができます。その後の解除は自由です。継続した とき、2か月目分から、課金されます。 (1)『会員登録』で支払い方法とパスワードを決めた後、 (2)登録方法を案内する『受付メール』が送ってきて、 (3)その後、『購読マガジンの登録』という3段階の手順です。 【ビジネス知識源:有料版】 https://www.mag2.com/m/P0000018.html このページから、登録のページにすすむことができます。 【↓会員登録と解除の、方法の説明】 http://www.mag2.com/howtouse.html#regist 登録または解除は、ご自分でお願いします。 (有料版の登録↓) http://www.mag2.com/m/P0000018.html ・・・以上 |