仕事における責任と権限を考察すれば マネジメント(2)後編
This is my site Written by admin on 2006年9月26日 – 08:00

こんにちは、吉田繁治です。前号に続きマネジメント論です。

マネジメントを端的に言うなら、目標とする成果をあげるために、
人を有効に動かす活動です。成果は数値で表す利益、または金額数
字では表せない状態変化です。

マネジメントは、単なる良好な管理や人々が気分よく働くためのも
のではない。成果目標を達成するという目的をもちます。

そのためにマネジメント(経営)という活動がある。期限ある成果
目標がなければ、マネジメントも意味がないのです。

従ってマネジメントという活動は、今期、四半期(または月次、週
次)の、各課の成果目標の定義から始まります。課が「約束したこ
とを果たす」という原義をもつことは前稿で示しました。この約束
がコミットメントです。

本稿のテーマは「成果を目標として行うマネジメントプロセス」で
す。マネジメントとはどういった活動であるかを明らかにします。

その前に、組織について、述べる必要があります。

会社で、日々発生している多くの問題の根にあるのが、このマネジ
メント問題です。単純なことなのですが、ややこしく考える人が多
い。原因は、マネジメントが、成果をあげるための活動だと考えら
れていないためでしょう。ここが根幹です。

前稿で述べたことで、もっとも重要なことを確認すれば以下です。

▼組織の第一原理

組織で、第一原理にすべきは「利益責任、または成果責任がない人
に、決定の権限はない」ということ。

従ってマネジャー(**長)は、そのチームまたは部下を有効に動
かし、目標とする成果をあげる責任(成果責任)があるという理由
で、部下に対し、作業、作業方法、作業変更を命じる権限をもちま
す。

本稿の目的は、こうした成果責任制または利益責任制の組織に、改
変していただくためです。

ところが、現状の組織形態にはいろんなものがある。その第一が
「身分組織」です。端的に言えば、課長は部下より「偉い」とされる。

偉い身分(=職位)に任命されたから、部下に命令ができるとされて
いる組織です。大臣の任命のようなものですね。

まずこの身分組織から述べます。わが国の多くの会社、おそらく99
%は身分組織です。職位が機能分業でなく、階級です。

身分組織は、ダメになる組織です。身分組織は、本稿で示す成果責任
の組織に、その組織の働きかたの基本デザインを変えねばならない。

(注)スタッフである人は、トップマネジメントに対し、利益責任制に
向かった起案をする責任があります。手始めに、本稿を、トップに送っ
てみてください。当然に、あなたの、意見と注釈が必要です。

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<Vol.240:仕事における責任と権限を考察すれば
マネジメント(2)後編>

【目次】

1.責任と権限が分離した身分組織
2.身分組織に関連して、稟議制の意味
3.スタッフとスペシャリストの責任
4.マネジメントプロセス
  :責任をもつ、責任をとる、責任を負うことの意味
5.コミットメント(契約する責任)
6.レスポンシビリティ(実行する責任)
7.アカウンタビリティ(報告する責任)
8.修正対策を立てる責任

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■1.責任と権限が分離した身分組織

職位(job class:部長、課長、係長)に権限(=分限)が付帯する
という組織であれば、その職位の人は、自分が決定権をもつ範囲で
の成果への責任(結果への責任)、利益への責任を負わねばならな
い。

これを組織の第一原理とすべきことは、既述しました。

(注)職位とは、責任の持ち方の分業を言います。係長は係りとい
うチームの成果責任をもつ。課長は複数の関連する係りをまとめた
成果責任をもつ。部長は、配下の課の成果責任をもつという縦の責
任分業が職位です。

▼しかし身分組織では・・・

上記と異なり、職位(job class)に決定の権限が付帯し、決定した
ことの結果(目標達成度)について責任を負わないという組織は、
「身分組織(または階級組織)」と言っていいでしょう

身分はまずは年功、そして入社時の序列、資格や試験、キャリアに
おける失敗のなさ(減点主義)、上司への忠誠などで決まります。

(注)封建時代は、身分を出自によって決定していました。そう言
えば今の政治家も、多くが2世3世であり、地盤を引き継ぐ出自が決
める世襲に近くなっていますね。国の衰退を示す1現象です。

官僚的な組織には身分組織が多い。大企業に多いのが、身分組織で
す。多くの銀行、金融機関、日銀も身分組織であり、財務省も身分
組織です。規制産業であるTV局も、身分組織です。

身分組織でも成果をあげることは、評価の対象にはなるでしょう。
評価とは、成果を計量しそれを長期または短期の待遇や人事に反映
させることです。

しかし、課長は***の利益責任、成果責任をもつとはされていな
い。努力目標と成果責任は、その意味の位相が違います。

身分組織の色彩が強くなると、企業の成長は止まってしまいます。

▼身分組織の管理法

成果責任があやふやな官僚的な組織は、利益責任ではなく法や規則
で動きます。権限は職位に付属します。(注)組織の長老が管理す
る慣習法も、法です。

身分組織では、仕事の手続きとプロセスが厳密に(法律風に)決め
られねば、組織運営ができない。

ところが仕事の手続き、プロセス、手順を、たとえば6法全書や行政
法のように決めることは、コスト的・時間的に不可能です。

そのために、暗黙の慣習法が発達します。
これが、しばしば悪しき企業文化を醸成します。

身分組織も、業界が無競争や規制されているときはいいのです。
規律正しく、秩序を壊さず動くからです。

しかし自由競争度が高まったときは、意思決定と戦略修正に時間が
かかって環境適合ができず、結果責任がないため堕落し、敗残して
行きます。利益責任、成果責任の所在がわからないからです。

封建時代も、階級と分限が固定していました。人々や集団は、法を
超える暴力を使い相手を負かさない限り、階級の枠を超えることが
できなかった。

そのため、身分組織でもよかった。封建社会が、社会と制度を固定
するために身分制度をとった理由であります。

封建制の徳川時代は300年も続きます。この身分制を支えたのは、暴
力でした。軍隊と言ってもいい。

(注)今も国際社会は、暴力が基盤になっています。「国際」とは、
国の法が及ばない範囲の外のことです。国境を超えると、その国
の法は無効です。「際」は異なるものの境界のことです。

しかし業界内外で入り乱れたダイナミックな競争がある現代社会で
は、身分組織は適合しません。利益責任の組織に改変しなければな
らない。

(注)これを民営化とも言っています。民営化とは、資本を変える
ことではなく、組織での働き方を、利益責任制に変えることです。

■2.身分組織に関連して、稟議制の意味

身分組織の会社で取られる、ボトムアップの方法が稟議制です。

【稟議】

稟議(りんぎ)は、
・自分の職位の決定権を超えること(=結果責任を持てないこと)、
あるいは他の職能や組織に影響を及ぼすことについて、
・上司に対して委細を書き(あるいは報告し)、具申して承認を求
める行為です。

決定の結果責任を負わず、稟議を回す上司に責任を委託することの
表明でもあります。・・・多すぎる稟議は、組織での責任のもち方
(各職位の分業責任)に不適があります。

▼会議

会議は異なる職能・職位に事情を知らせ、決定の合意をとる手段で
す。・・・ことあるごとに開かれる多すぎる会議は、その会社の職
能及び職位の責任と権限に、不適があることを示します。

▼身分組織と稟議(りんぎ)

身分組織では、定型的な仕事や、日常的な決定を越えることについ
て、上司の判子(承認の儀式)が順に並ぶ稟議制が発達します。

文書制も発達します。文書管理(文書課長)や秘書(秘書課長)が
、重要な職位にすらなる。官の組織は文書だらけです。デスクワー
クは文書の作成です。

うまく通る稟議書を作成するのが課長の技量であり、部下から信頼
を受けます。

しかし稟議では、上級マネジャーや経営幹部は、内容が詳細には分
からないことについて決定をしなければならない。稟議は形式的な
儀式に傾きます。

稟議に判子を押した上司は、自分が決定したことへの結果責任の意
識が薄くなります。

チームの意見を聞いた課長が、部長に稟議をあげ、部長は本部長に
稟議を回す。本部長は、トップマネジメントに具申する。

稟議の結果責任は、稟議が膨大に集まるトップマネジメントが負わ
なければなりません。しかし内容の分からないことに責任を負うこ
とはムリです

現場の細部までトップが分かる50人くらいまでの組織((1+7チー
ム×7人=トップ+7名のマネジャー+各7名のチーム)の、3階層組
織)なら稟議制でもいい。決定するトップが、現場や顧客までを分
かるからです。(注)チームの7名という単位は、経験則です。

50人(マネジャー7名以上)を超える組織は、身分制と稟議制の組織
では、人数が増えるに比例し、結果責任を負わない人たちが増える
集団になります。

集団とは、皆が並列的に責任を負う職位のない組織です。
全員責任は、全員無責任と同じです。

▼大企業の衰退原因

大企業が、もともともつ競争力を失う理由のうち最大の原因は、こ
うした身分型組織の多階層です。

意思決定はトップマネジメントが行う。しかし組織の多階層(=3階
層超)は、次第に現場を分からなくします。現場と顧客がわからず
決めれば、当を得た決定にならない。

これが重なって、多階層型で稟議型の大企業は、ほぼ必ず、成長力
を失い衰微して行きます。

■3.スタッフとスペシャリストの責任

課長の部下であり、主に定型作業を実行する人をラインと言います。
ラインは、課長(マネジャー)から指示された作業を実行する義務
をもちます。

他方、スタッフやスペシャリストは、自分の専門領域についての起
案を行い、上司をサポートする責任をもちます。

(注)スタッフ部門と言ったときは、経営管理や企画等で、経営者
をサポートする業務部門です。

スタッフとは定型作業を実行する義務をもつラインは違い、
(1)専門知識、
(2)場の知識、
(3)場のBI(Business Intelligence) 基づいて起案すること
を主職務とする職能です。KON(knowledge On Spot:場の知識)と
言ってもいい。

BIは、企業の内外のデータを系統的に蓄積し、加工・分析して得
られた知識や原則です。

知識とは成功と失敗経験を原則にし、概念にしたものです。
この知識や原則を、起案や意思決定に使います。

KON(新語)も同じですが、元になるのが内部データである点が
違います。小売業のPOSはKONを得る手段です。

▼作業実行を行うラインとは異なるスタッフの起案責任

スタッフ(またはスペシャリスト)は、自分の専門領域についての
起案を行って、上司をサポートする責任をもちます。

スタッフは「起案責任」をもつと言っていいでしょう。

▼起案責任とは何か

スタッフの起案を、利益責任をもつ上司(マネジャー)が採用した
とき、その案の、会社に対する結果責任は上司が負います。

スタッフはその上司に対し、起案したことが実行された結果の責任
を負わねばなりません。つまり起案したことが、うまく実行される
ようサポートする責任をもちます。

【起案責任で重要なこと】
起案責任は、案を書いて相手が分かるように説明するだけではなく、
その案の実行プロセスをサポートする責任も含みます。

相手に、理由(why)分かるように説明できる能力をコミュニケーシ
ョン力と言います。スタッフには、コミュニケーション力が必須で
す。

(注)コミュニケーションは、情報を解釈して伝え、その解釈に沿
って相手の望ましい行動を促すことです。単に話し合うことではな
い。

・上司は会社に対して結果責任を負い、
・上司に起案したスタッフは上司に対し結果責任を負わねばなりま
せん。

スタッフは、起案しただけでは職責を遂行したことになりません。
また採用される案を起案しないスタッフも、職責を遂行したことに
はならない。

▼ノン・コミットメントの原則

スタッフは上司が起案したことに対し、ノーと言う(ノン・コミッ
トメントの)権利をもちます。

しかしノーと言ったときは、上司の案より成果をあげる案を起案す
る義務があります。

これを対案と言います。

【重要なこと】
有効な対案を起案できないときは、原案の実行義務をもちます。有
効とは、相手が認めるということです。

以上が、仕事における責任と権限の内容です。

▼まとめ
まとめれば、
(1)マネジャーは、そのチームの利益または成果に責任をもつ。
  結果責任をもつことを理由に、指示・命令・決定の権限がある。

(2)部下は、マネジャーが指示した作業を実行する義務をもつ。
   実行方法が分からないときは、マネジャーが指示する。

(3)スタッフは、マネジャーに対し方法を起案する責任をもつ。
   採用されない起案は、職務を遂行したことにならない。
   スタッフは起案したことがうまく実行されるようにサポー
トする責任をもつ。

それぞれの内容は単純です。

次は、マネジメントのプロセスです。

以降のマネジメントプロセスを理解すると、結果責任の意味がもっ
とクリアになるでしょう。マネジメント(=経営)が何かというこ
とも分かるでしょう。

■4.マネジメントプロセス
  :責任をもつ、責任をとる、責任を負うことの意味

▼(1)腹を切ることではない

業務に責任をもつ、とる、負うことは、結果の悪さを理由に腹を切
ること、または降格や報酬で不利益を受けることでありません。

(注)成果の悪さを理由に、個人が何らかの不利益を受けるのは「
評価」であって、これは責任とは別のものです。

誰かが腹を切っても、評価が悪くなっても、結果は悪いままで残り
ます。

辞職はビジネスパーソンの哀歌としての最終手段です。
しかしそれは、成果責任を放棄することです。

▼(2)成果責任、利益責任を果たすことを、責任をもつという

業務に責任をもつことの意味は、目標とする成果(または利益、あ
るいは利益の改善)、または修正目標の成果をあげることです。

しかし、目標とする成果が上がらないときもあります。そのときは
どうするのか?

途中経過を見て、修正目標を立てて承認を受け、その修正目標を達
成します。修正の修正になるときもあるでしょう。

▼(3)責任をもつ4つのプロセス

責任をもつプロセスは、4つに分解できます。

(1)成果目標に契約する責任(コミットメント)
(2)実行する責任(レスポンシビリティ)
(3)報告する責任(アカウンタビリティ)、
(4)目標や方法を修正する責任です。

マネジメントは成果目標(または利益目標)を達成するための作業
にコミットし、実行する活動(アクション)です。

単に、成果数字の集計や管理ではない。
数字の管理は、マネジメントの手段です。

以下で、このマネジメントのアクションを4つのプロセスに分けて
示します。

■5.コミットメント(契約する責任)

チームメンバーがマネジャーと、目標とする成果(成果目標)につ
いて達成を契約することをコミットと言います。
(マネジャーは上級マネジャーと目標達成をコミットします。)

コミットメントを曖昧(あいまい)にして、単に「指示しました、
伝えました、連絡しました。」で済ます企業文化(行動様式)は、
変えねばなりません。

仕事でYESと言ったときは、達成を約束(プロミス)したという
ことです。「課」が、言ったことを果たすという原義を持っていた
ことを思い出してください。

▼成果

成果:成果は、現在の状態からよりよい状態に向かうことを、時間
で割って決めたものです。これを成果目標と言います。

状態の改善、利益の改善、コストの改善、方法の改善、戦略の改善
等が成果です。損失の改善も、当然に成果です。

▼上級マネジャーとマネジャー

マネジャーは、会社の成果目標(または利益目標)に基づき上級マ
ネジャーとの間で、チーム(統括部署)に割り当てられる成果目標
の達成をコミットします。

その際、上級マネジャーとの間にセッション(交渉)があります。

セッションで、上級マネジャーが示す成果目標と方法に納得ができ
ないときは、(後日であっても)対案を出し、上級マネジャーの承
認を得る義務を負います。

上司が認める有効な対案(または修正案)が出せないときは、上級
マネジャーが示す成果目標原案の達成義務を負います。

これをノン・コミットメントの原理と言うことにします。

▼マネジャーとチームメンバー

マネジャーは、チームメンバーに対し、チームの成果目標と達成方
法を示し、チームメンバーと実行をコミットします。

チームメンバーが、マネジャーが出す成果目標、達成方法に納得が
できないときは対案を出し、マネジャーの承認を得る義務を負いま
す。

有効な対案、または修正案が出せないときチームマンバーはマネジ
ャーが割り当てる成果目標の達成義務を負います。

以上がコミットメントの内容です。

■6.レスポンシビリティ(実行する責任)

マネジャーはチーム・マネジメント(=アクション指示)を行うこ
とによって、チームメンバーは割り当てられた作業を実行すること
によって、成果目標を達成する責任をもちます。

マネジャー及びチームメンバーは、業務の実行にあたってそれぞれ
の現場知(BI:business intelligence)を使わねばならない。

マネジャーは以下の8項を計画化し、13週、4週、週間で実行しなけ
ればなりません。

▼重要:マネジメントプロセス

(1)成果目標を決める(Plan:What)
(2)成果目標を達成するための作業計画を立てる。
            (Plan:What&When)
(3)作業の方法、手順を決める。
(作業方法:How)
(4)作業方法、手順を説明し、不足する技術を教育する。
               (教育:How)
(5)作業をチームメンバーに割り当てる。
               (割り当て:Who:Allocation)
(6)実行結果を成果目標に照らし、評価する。
(評価:Assessment)
(7)進捗評価に基づき目標、方法、手順の変更を行う。
(変更)
(8)途中で必ず発生する、成果達成の障害の解決を行う。
(障害解決)

実行とは、以上のような実行計画をつくって実行することです。

この8項がマネジメント(=経営)ということの内容です。
マネジャーは、自分のチームを、以上の8項でマネジメントします。

■7.アカウンタビリティ(報告する責任)

チームメンバーはマネジャーに対し、マネジャーは上級マネジャー
に対し、週間、4週、13週のサイクル、または別途決めたサイクルで
アカウンタビリティの義務をもちます。

アカウンタビリティは、
(1)期限がある成果目標に照らし、達成状況を評価して報告し、
(2)目標達成が危ぶまれるとき、または障害が発生したとき、解
決法を起案することです。

成果の未達成には、必ず原因があります。できませんでした、達成
はムリという報告ではアカウンタビリティの義務を果たしたとは言
えません。

■8.修正対策を立てる責任

チームメンバーはマネジャーに対し、マネジャーは上級マネジャー
に対し、週間、4週、13週のサイクルで、成果目標、作業手順の修正
を起案し、承認を受けて実行する義務をもちます。

これを、修正対策の起案と実行と言います。

(1)目標達成のために当初立てた作業手順を変更し、修正対策
(予算、人員、方法)を起案する。

(2)マネジャー(または上級マネジャー)はその修正案を承認ま
たは再修正し、新たな実行をコミットする。

(3)作業手順を変更して、可能な追加対策(予算、人員、方法)
を立てても当初目標達成が危ぶまれるときは、目標そのもの
を修正する起案をする。

以上の[コミットメント]→[レスポンシビリティ]→[アカウン
タビリティ]→[修正]がマネジメントプロセス(あるいはマネジ
メントサイクル)と呼ばれます。

本稿は、ドラッカーが提唱したMBO(目標による管理:Manageme
nt By Object)を、より実務的にしたものでもあります。

以上、今回は、責任と権限をテーマにし、マネジメントまでを示し
ました。

以上のような方法がとれないと、どうなるか? 

業界全体が伸びている間は、生存業績も確保できるかもしれません
。しかし業界平均以上の業績はあげることができないと言えます。
平均は、最良のグループの最悪、最悪のグループの最良です。

平均以上の業績をあげることが、あなたと会社の責務であるはずで
す。以上のような、利益責任の組織を提案してみてはいかがでしょ
う。企業文化(=暗黙の行動原理)が変わります。

see you next time!

【後記1:再掲】

内田洋行主催のソリューションフェアで公開講演をします。
セミナー料は無料で、どなたでも参加できます。

06年10月12日 大阪会場(ホテル・ニューオータニ大阪)
         基調講演:午後13:00−14:10

06年10月25日 東京会場(元赤坂にある明治記念館)
         基調講演:午後13:00−14:10

以下のサイトで、申し込みができます。
http://www.uchida.co.jp/2006s/osaka/index.cfm?AppAction=EventTimeTable&HallID=1

恒例ですが、申し込みが多いことがあるのでご希望の方は早めにエ
ントリーしてください。まだ2週間以上先ですから空きがあるようで
す。

【後記2】
厚生労働省の『医療医薬の流通改善に関する懇談会』で、講演形式
での意見陳述をしてきました。中央官庁に呼ばれて話すのは、7年ぶ
りでしょうか。どんな基準か不明瞭ですが「識者」と呼ばれる人た
ちが集まっています。

講演の主旨は、(1)1998年からの米国のスパー・バリュー(食品
卸の最大手:年商2.3兆)や、(2)95年ころから医薬品卸のカーデ
ィナル・ヘルス(年商8.6兆円)が採っている流通コスト(=卸コ
スト)のABC(Activity Based Costing)です。

ABCは活動ベース原価計算と訳されます。取引方法ごとに、商品の流
通コストを計算する方法です。流通とは、工場から顧客にまで商品
を供給する活動です。

このABCは1995年ころ、その概念と計算法がわが国にも紹介されてい
ます。しかし極少数の卸にしか普及していません。

流通については、初歩的なことが知られていないと感じます。流通
コストが何か、分かりにくいからでしょう。

医療用医薬は6兆円マーケットです。高齢化による健康保険財政の逼
迫(ひっぱく)から、製造と、調剤薬局で野販売をまでを含む流通
のコスト合理化が求められています。大きなテーマですね。

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、ビジネスの成功原則、関連事項、経済を原理からまとめ、明快に
解いてお届けしています。以下は最新号の目次です。

<289号:小声で語られ始めたこと
:認識変化の兆候:訂正&増刊>
2006年9月18日

【目次】

1.実物経済の増加をはるかに上回る世界の金融資産の増加
2.投機マネーで資産経済が膨張する。
3.金融のディレンマ(自己矛盾)
4.思潮の変化
5.借金を返すべき借金と思わない
6.低利の債券の現在価値は、金利が上がれば大きく下げる
7.問題が起こるのが必然
8.危険水域が刻々と近づく米ドル
9.危険水域が日々近づく米ドル
10.11月の米中間選挙

<290号:あらゆる変化の基底は人口構造(1)>
     2006年9月20日号

【目次】

1.地価の変化と地域の年齢構成の例から
2.食品購入の世代別構成の変化
3.世帯の内容変化
4.人口の年齢構成変化
5.変化の意味
6.ドラッグ・ストア世代が増える
7.70歳代以上の倍増(1917万人)の意味

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