乱気流の中の株価と債券価格
Written by admin on 2022年6月19日 – 12:00
インフレ対応を行っている米国FRBは、6月16日に、0.75%の利上げを しました(政策金利1.5~1.75%)。米国市場では、インフレ率の高 さから(5月8.6%)、1.0%の利上げを予想していた投資家も25%く らいは、いたようです。 予想より低かった6月利上げの決定直後は、米国株は逆に上げたので す。1.0%を織り込んで、株を売っていた投資家が、買い戻したから です。本稿は、有料版の水曜正刊並みの、20ページ。 物価も、気象のように複雑系の結果現象なので、解いた問題が多岐に わたり、10ぺージにまとめることができませんでした。極めて 簡単にいえば、「量的緩和をした通貨価値の下落→物価上昇→金利の 高騰→バブル株価と債券価格の暴落→金融危機とデフレ→ドル圏の日 米欧の、財政破産→通貨の変更」に向かっていくプロセスでしょう。 これは、法則的には自然な、恐慌のサイクルです。 20世紀は中央銀行と核兵器の発明により、恐慌と戦争はなくなったと されていましたが、大きな歴史的観点からは、「米国+西側が負ける ウクライナ戦争」が、これを変えたのでしょう。コロナ危機の直後の、 西側通貨の大増発のあとの、戦争だからです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <Vol.1245:日曜増刊:乱気流の株価と債券価格> 2022年6月19日:有料版・無料版共通 【目次】 ■1.利上げと株価 ■2.中央銀行の金利とマネーの操作と、民間銀行 ■3.株価以上に、債券価格に着目しなければならない ■4.円国債に、瞬間下落が起こった ■5.昨年比20%の円安による物価上昇は予想していない日銀 ■6.日銀は利上げに限界をもつため、論理を捻じ曲げる ■7.第二次石油危機並みのインフレ 【後記・・・生活苦の増加】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■1.利上げと株価 ・・・変な動きだな、と観察していました。ところがその後、NYダウ は741ドル(5.4%)、S&P500は、0.75%の利上げを織り込んで、123 ドル(3.3%)、ナスダックは435ドル(4.1%)暴落しました。日経 平均も531円(2.0%)下げています(6月17日)。1日で2%以上の下 落は、パニック売りが混じった暴落です。 例えば株価指数の3%の下落は10倍のレバレッジで買っていると、差 し入れている証拠金に対して、1日で30%の暴落になるからです。レ バレッジ投資は、利益も損も、時間短縮して拡大します。 【シャドーバンクの、3か月決算】 ヘッジ・ファンドが行うこともある10倍のレバレッジなら、1日の変 化が、10日分に延長されます。低金利のときは、信用借りの金利は低 いのでレバレッジ投資が増えます。普通は、3倍くらいのレバレッジ でしょうか。 利益を出さないと解約が増えるヘッジ・ファンドの運用利益は、ドル 金利が上がった22年は、年初来、-3%から-10%に分布しています。 ヘッジ・ファンドは、ヘッジ(買いと逆の反対売買)をして「年5% から10%」くらいの安定運用をすることが謳い文句の投資信託です。 (HFR:ヘッジ・ファンド・リサーチ:Table) https://www.hfr.com/ 投資家からの預託金の運用利益が、マイナスのまま、6月の四半期決 算を迎えると、45日ルールでの解約が増え、(1)レバレッジの解消 と、(2)売りを迫られる株式市場は更に下がり、債券価格も下がり ます。 [含み利益のある金は、益出しの売りに使う]このときヘッジ・ファ ンドは含み益があることが多い金(ETF)を売って、益出しすること が多いため、金価格も「短期的に」下げます。1200兆円のマネー運用 のヘッジ・ファンド、3000兆円のインデックス・ファンドの売りは大 きいため、個人投資家は買いきれず、暴落になるのです。(注)投資 銀行マネーが入っている、シャドーバンク(ヘッジ・ファンド+イン デックス・ファンド)は、株価と債券価格の上昇と下落の主役です。 【VIXの30%以上は、大きな下落予想を示す】 6か月前には、過半の投資家から、4万ドルに上がるとされていたNYダ ウは、心理的な節目の3万ドルを割りました。1年4か月前の、21年2月 の株価にもどったのです。 予想変動幅を示すVIX(=1年間の予想標準偏差)は、31%と今後の下 落も、示しています。ナスダックのVIXは、38%で暴落を示していま す。(注)VIX30%以上は、大きな下落予想です。20%以下が上昇予 想です。 https://nikkei225jp.com/nasdaq/ 【2022年インフレを見通せていない、日米欧の中央銀行】 ◎世界の、2022年相場の根底にあることは、マネーを動かしている中 央銀行・銀行・投資家が、共に、まだ「2022年インフレ」を見通せて いないことです。 このため1か月遅れで発表されるCPI(消費者物価:遅行指標)の実績 指標に、一喜一憂する。これが株価の乱高下として現れます。 【予想できないことの意味】 投資家の買いで上がる株価にとっては、「予想できないこと=ボラテ リティ(VIX)が25%から30%以上」が、障害になります。 価格が予想できない株価は、予想より下落リスクが大きく、買うこと できないからです。このため、VIXが大きくなると、株価は下げます。 投資家の売買が減るからです。金融危機になる暴落のときは、VIXは 50%や80%にも上がります。 ウクライナ戦争での「米国敗戦(90%)」は、まだ織り込まれていま せん。この戦争は、ウクライナ政府から人間の盾とされた市民を犠牲 にする米ロ戦です。 仮に7月に停戦をしても、経済面の制裁(経済戦争)は続くでしょう から、エネルギー・穀物資源の下落はいつからか、これも、まだ予想 できない。 ■2.中央銀行の金利とマネーの操作と、民間銀行 もう一点、指摘せねばならないことがあります。多くの人が「金利と マネーの増発・縮小は、中央銀行が決めるもの」と考えています。 ◎株価は、民間が決めている。しかし、金利と量的緩和(=マネタ リー・ベースではなくマネー・サプライの増加)は、中央銀行が決め るとほとんどの人たちが見ているのです。 中央銀行は、なぜか「マネー・サプライ(≒企業、世帯、自治体の預 金総額1203兆円:2022年4月)は、中央銀行ではなく、民間銀行の信 用創造(=貸し出し)が作るとは言わない。 このため、国民には「日銀が、金利とマネー量を決めている」という 錯覚が生まれています(錯覚というより間違い)。 金融学に弱いエコノミストにも、この間違いを犯す人が多い。ここか ら「中央銀行による政策金利の利上げは直接に景気を低下させ、利下 げは景気を刺激する」と思われています。 (注)中央銀行の利上げ/利下げと量的縮小/緩和が、民間銀行の融資 と債券の売買に波及しない場合は、景気には影響が及びません。 ◎中央銀行も、市場では、投資家の一員です。使うことのできるマ ネー量が、銀行投資家より大きいため、中央銀行の政策に沿って、そ の国のマネーが動きやすいだけです。中央銀行は、金融の誘導役です。 【量的緩和は、直接には、マネー・サプライを増やさない】 量的緩和でも、中央銀行は、銀行の当座預金マネー(マネタリー・ ベース)を増やすことができるだけです。 当座預金マネーは、中央銀行が、 ・銀行のもつ国債・債券を買うことつまり「景気刺激の量的緩和」で 増え、 ・「景気抑制の量的縮小」つまり売ることで減ります。 マネタリー・ベースは、銀行の現金です。 企業と世帯のお金(預金:マネー・サプライ)ではありません。 [アベノミクス]日銀による量的緩和(=国債の買い)で、マタ リー・ベースは25%~8%増加した。しかし、銀行預金の総量である マネー・サプライ(M2)は3%台しか増えなかったというのが、2013 年から2020年の日本の常態でした。2021年は、「コロナ危機への政府 マネーの振り込み(補助金)と無利子・無担保貸付金」で、時ならず、 増えました。 (日銀マネーストック統計:マネーストック=マネー・サプライ: 2020~2022年5月) https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms2205.pdf 【中央銀行による金融操作】 中央銀行は、企業と世帯の、マネー・サプライ(=預金マネー)を、 直接には、増やすことができません。日銀が認めた金融機関以外は、 誰も、日銀には預金口座がないからです。日銀に預金口座をもつ人は、 ゼロ人です。首相や日銀総裁も、銀行預金しかない。 企業と世帯の預金であるマネー・サプライ(貯蓄して、自己判断で使 える預金)の総量が増えるのは、銀行の貸付金が増えたときです。 その総量が減るのは、貸付金が減ったときです(利上げと金融引き締 め)。仕払いのため、Aさんが預金を送金しても、Bさんの預金に振り 替わるので、預金の総量は同じです。 【口先介入】 中央銀行や政府(財務省)が金利や通貨を動かさないで行う「口先介 入」という言葉もあります。例えば、「円安は行き過ぎだ」と当局が 発言する。そうすると、円高に向かうことがあります。 その理由は、通貨投資家が、中央銀行や政府による「ドル売り/円買 い」があることを予想して先回りして「ドル売り/円買い」をするか らです。 ◎前々FRB議長のバーナンキは、「在任中は口先介入がもっとも効果 をあげた」と言っていました。ベン・バーナンキは、リーマン危機の とき、金融機関の救済のため、4兆ドルの増刷(=国債とMBSの買い) を行ったFRB議長です。 (注)ヘリコプターからのように、マネーを無差別にバラまけばいい と言ったことがあるので、「ヘリコプター・ベン」という。1929年か ら33年の大恐慌研究した学者です。 国債の売買を通じ金利に関与できる中央銀行も、物価(CPI)に関与 することはできません。物価が下がること/上がることは、中央銀行 のマネー政策からは、遠いところにあるものです。 このため、中央銀行による1年後の物価予想は多くの場合、ハズレま す。 例えば日銀は、2023年の日本の物価を、1%の上昇としています。2. 5%のCPI上昇は短期的で、3%や4%には上がらないという。 日銀の過去のデータ解析と、物価を変える要因の分析が十分ではない と思っています。 異次元緩和の開始のときも、 (1)2年で物価上昇2%、 (2)実質経済成長2%、 (3)円安の歓迎も行うという、3つの派手な間違いをしています。 20%の円安になったのは、2011年の東日本大震災以降、円安でも輸出 数量が伸びない生産構造(国内生産は減り、海外生産が増えた)にな った日本経済の衰退の結果です。生産台数1000万台の、トヨタの国内 生産は25%、海外生産が75%に増えています。 円安でも、日本の製造業の輸出数量は、増えない。ドルでは同じでも。 円での輸出金額が上がるだけです。ただし国内生産であっても、円安 での輸入部品の高騰と不足は、国内からの輸出台数を増やしません。 全部の製造業の、海外生産の増加で、通貨は、貿易数量を左右するも のではなくなってきました。 2011年以降の円安では、価格が高くなっても、同じ量を輸入する、必 需のエネルギー・資源・穀物(合計100兆円)の輸入物価が上がる悪 影響のほうが大きい。 (注)これを追求すると、円安になることがわかりきっている量的緩 和(GDP比で世界最大)を日銀に指示した安倍首相の非難になるので、 メディアと学者が、行っていません。こうしたことが20%の円安も招 いて、日本経済の衰退の原因になっているのです。 【動かせるマネー量の、比較】 FRBが現在、管理しているマネーの総量は、バランスシートが8.9兆ド ルですから約1200兆円です。 しかし、民間マネーのヘッジ・ファンドは3倍のレバレッジとして、 1500兆円、インデクスファンドは3000兆円、合計で4500兆円のマネー を運用しています。 この他に銀行マネー(8000兆円か)と、個人投資家が動かすマネーが ある(5000兆円か)。つまり、FRBが動かすマネーの総量は、民間が 動かすマネーの総量と比較すれば、1/10以下でしかない。 世界の中央銀行とFRBのマネーは、いわば「呼び水」であり、先導役 です。中央銀行の予想は間違っていると判断して、民間のマネーが反 対の動きをすれば、中央銀行の金融政策は、無効になります。 FRBは、物価は下げたい。しかし株価と債券価格(≒国債価格)は下 げたくない。しかしそれらは、物価対策としてのFRBの利上げよって 下がるのです。 FRBが利上げをすると、民間金融機関やヘッジ・ファンドのレバレッ ジのマネー量が減ります。 金利が上がると、銀行間のレポ金融と信用借りの金利も上がるからで す。利上げは、民間銀行とシャドーバンク(ヘッジ・ファンド、イン デックス・ファンド)のレバレッジ倍率を下げ、売りが増える株価や 債券価格を下げます。 ■3.株価以上に、債券価格に着目しなければならない 株価下落は、注目されますが、同時に下がっている国債と債券価格の 下落への注目は、少ない。 実際は、金利が上がることでの金融収縮では、 ・国債(30兆ドル:4050兆円)、 ・住宅証券(12兆ドル;1620兆円)、 ・社債(10兆ドル:1350兆円)を含む債券相場が主戦場になります。 2022年の年初には、米ドル10年債の金利は、1.5%でした。現在3.5% 付近です。6か月での、普通ではない急劇な金利上昇です。 (ロイター:米国債金利と株価) https://graphics.reuters.com/USA-BONDS/LJA/gjnpwyblqpw/index.html 10年債の価格は、(1+1.5%×10年)÷(1+3.5%×10年)=1.15÷ 1.35≒0.85・・・すでに、15%も下げています。この下落幅は、住宅 証券と社債でも同じです。 市場化されている債券の、推計総額52兆ドル(7020兆円)が85%に下 がり、1053兆円の含み損が生じていると推計されます。 これらの債券と、25%下がった株価を時価評価すれば、すでに、金融 危機に至るボリュームです。 (注)毎週、ハイレベルな論文が出るGoldmoney Insightでは、米国 の、レバレッジ金融による不良債権の増加からの金融危機を、すでに 言っています。(注)金融用語と理論を知っている人には、難しくな い https://www.goldmoney.com/research しかもFRBは22年7月にも0.75%利上げをし、インフレ率が2%付近へ の着地が見える方向に向かって下がらない場合、9月、11月、12月に も利上げを予定しています。 2022年の、あと4回(7月、9月、11月、12月)の、追加利上げから (2022年末の短期金利は3.5%から4.0%:長期金利は5.5%以上)、 国債を含むドル債券の合計の下落が、2500兆円に大きくなり、2022年 秋から米国金融危機が確定したようにも思えるのです。 米国に6か月遅れて、22年7月から、短期マイナス金利の利上げを行う ユーロの金融危機に向かうことも、米国に3か月遅れで、確定したよ うにも見えます(7%台のインフレが長期化したとき)。 利上げをするFRBは株価だけでなく、債券価格の危機を知っているは ずですが・・・圧倒的に不利とされている11月の中間選挙に向かい、 民主党政権を支えるため、「政治的な利上げ」が入っているでしょう。 (注)ゼロ金利だったユーロのECBは、南欧(フランス、イタリア、 スペイン、ギリシア)の国債の危機と債券危機が予想されるため、イ ンフレ対策の利上げを、ウクライナ戦争のあと3か月間、躊躇してい たのです。 ゼロ金利から利上げに耐えることができるのは、ユーロ(19カ国)で は、国債残が少ないドイツだけでしょう。欧州では、スイスが0.5% 利上げしたことが、驚きをもって受け止められています(短期金利- 0.75%を-0.25%へ)。 ■4.円国債に、瞬間下落が起こった FRBの利上げに関連して、円国債の世界市場では、日銀の政策とは大 きく異なる、逆のことが起こりました(6月15日:国債先物市場)。 金利が0.25%だった円国債は、1日で1.4%価格を下げて、10年債の金 利は、一瞬、0.45%(0.25%の1.8倍)まで上がったのです。日銀は これを「(海外の)投機的な動き」と切り捨てましが、投機的とはど んな意味でしょう。 金融投資は、ほぼ全部、売買差益を求める投機です。 安く買っても長期保有はしない。価格が一定程度上がれば売って、利 益を確定する投機的な投資が、国内と世界の90%以上でしょう。この ため当方には、黒田総裁が言う「投機(Speculation)」の意味がわ からない。金融投資は、金の売買を含んで投機以外のものではない。 投資は、利益回収に10年以上を要する設備投資です。 国債の普通の売買を、投機的とした日銀の黒田総裁は、民間金融機関 やファンドの国債の売買を、上から見下していることです。 日銀による国債の売買は、日銀の利益が目的ではないからでしょう。 (注)他方、民間金融機関とシャドーバンクによる円国債の売買の目 的は利益です。 この現象が起こったのは、日銀のコントロール(0.25%での指値オ ペ)を「世界が、インフレ対応として金利を上げる中で0.25%の金利 を上限にする日銀は、間違っている」と考えた金融機関が国債を売っ たことです。(大阪の国債先物市場では、下落幅が大きかったので売 買を停止するサーキットブレーカーが発動されました) https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-JP10YT%3DXX%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on 瞬間とは言え、円国債が下落し金利が1.8倍に上がったのは、 ・世界の物価が7%から8%以上上がり、日本でも2.5%上昇の中で、 ・「10年債の金利を0.25%から上げない金融政策は、間違っている」 と投資家が突きつけたからでしょう。 (注)短期金利が-0.75%と、世界1低かったスイスも、2.8%のイン フレから、-0.25%へと0.5ポイント金利を上げています(6月)。7 %以上物価が上がっているユーロも、7月から、0.25%~0.5%の利上 げをします。 国債が多く、10年債の金利が3.9%のイタリア、2.9%のスペイン、4. 7%のギリシアの国債は、リーマン危機のときと同じ金利上昇、価格 下落の危機を迎えるでしょう。ユーロではドイツ経済だけが強く、フ ランスを含む南欧は、政府負債が大きく、金利上昇に弱い。 【日銀のディレンマ】 日銀の黒田総裁は、10年債0.25%上限を死守し、金融緩和(国債買 い)を続けるとしています。しかし22年7月に、FRBが0.75%の追加利 上げをして、仮に、1ドル=140円を超えたときは、どうか? 大きな円安からの日銀非難には、誠実に見える黒田さんは耐えられな いかもしれません。最近、記者の質問に対し、日銀官僚が書いた原稿 に目を落とすことが、多くなっています。自分の意見と違う見方を発 表しなければならないからでしょうか。 「安定的な物価上昇2%」とは何かという、市場の疑念もあるからで す。日本は、4.5%賃金が上がっている米国(22年3月)とは違い、賃 金の上昇がない。 加えて賃金の平均水準は、米国の1/2と低い。このため、CPI上昇2.5 %でも平均的な世帯にとって、米国世帯より「キツイ」。1/2の所得 に対し13万円のiPhoneは米国より2倍高い感覚になります。 日本は、インフレの中の低金利政策から、1000円だったポンドの下落 が止まらず、所得の上昇率が低かったため、生活水準が下がっていっ た英国の道をたどっています(英国病と言われました)。 (英国ポンドレート/円:1971年から2021年) https://finance-gfp.com/?p=3036 GDPの230%の円国債(1200兆円:現在はゼロ金利)の金利が2%以上 に上がると、利払いが増える政府財政が破産に向かうため、日銀が利 上げできないからです。 戦後の英国も、GDPの200%の戦争国債を抱えていて、現在の日本と同 じ事情でした。 日本の円安には、上げることのできない金利以外に、2011年以来、貿 易が赤字にという、構造的な経済事情もからんでいます(2022年は推 計15兆円/年の赤字)。 貿易が赤字の国の通貨は、輸入のためにドルを使うので(ドル買い/ 円売りになる)下がります。 ■5.昨年比20%の円安による物価上昇は予想していない日銀 黒田総裁は、日本のインフレは、国際的なサプライサイドのエネル ギー・資源・穀物のインフレから来たものだ。国内要因ではない。金 利を上げて国内の景気を低下させてもインフレには、効果がない、こ のため、日銀は、ゼロ金利と金融緩和(国債の買い)を続けるとも言 っています(6月15日会見)。 黒田総裁の、物価と円安への発言は、以下のように変化しました。 (1)21年12月:円安は、日本経済にプラス。 (2)22年1月:悪い円安ではない。 (3)22年4月:急速な円安は、マイナス要因が大きくなる。 (4)22年6月6日:家計の値上げ許容度が高まっている。 (この発言は、不適切だったと撤回) (5)22年6月13日:最近の急速な円安は経済にマイナス。 2022年4月まで消費者物価上昇(総合2.5%:値上がりが12%と高い生 鮮を除くと2.1%)は、2021年の、輸入物価の上昇が、主たる原因で した(国際商品であるエネルギー・資源・穀物の高騰)。 しかし2022年の8月ころからは、1ドルが130円台の20%円安になった ための、輸入物価の高騰が加わってきます。 例えば、国産のパソコンや電子機器の、インテルやAMDのCPU、エヌビ ディアのGPU(GEフォース)は100%、メモリやディスクもたぶん85%、 液晶パネルもほとんどが輸入です。国産の部品も、輸入の原材料で作 っています。 当方は、現在、国内で組み立てた受注後組み立て(BTO)のメーカー であるマウスのパソコンを使っています。 筐体の内部の部品は、たぶん99%が、輸入でしょう。22年8月ころか らは、金融要因である円安(130円台)によって、このパソコンの部 品が上がります。パソコンの組み立ては、プラモデルのように、付加 価値が高くない作業です。部品価格の合計≒本体価格、になります。 国産に見えるパソコン、液晶や有機ELのTV、モニター・ディスプレー、 スマホ、他の電子機器も上がって行きます。電子機器だけではない。 日本の機械生産の全体が、上がっていくでしょう。 トヨタの国産車ですら、鉄板と石油製品、海外半導体、加工の電気代 が上がると、(国内要因で)価格が上がります。 ・輸入のエネルギーを使う電気代、ガス代、 ・国産に見える輸入の金属資源を使う部品や機械、自動車、 ・穀物を使う食品、繊維を使う医療、 ・木材とセメントを使う住宅も、20%の円安(=日銀という国内要 因)による、これからの輸入価格高騰の分が、数か月遅れて消費者物 価に加わっていきます。 消費者物価に先行する企業物価(卸売物価)は、10%上げています (22年4月)。2021年の企業物価上昇は、7.3%でした。2022年は2.7 ポイント上がっています。これに、これから、20%の円安による、輸 入物価上昇分が加わるのです。 日本では、 (1)2021年までの、輸入の原材料の高騰から消費者物価+2.5%に、 (2)2022年の、金融要因からの20%円安が加わり、 (3)2022年7月、8月ころからは、3%台から4%台の消費者物価上昇 になる可能性が高いのです。 世帯所得の上昇がない国で、物価が4%も上がればどうなるか。 2%のインフレを目標にするという日銀は、円安の主な原因であるゼ ロ金利と金融緩和を停止しなければ、ならない。 「安定した2%の物価上昇」をいう日銀は、仮に、夏からの物価が3% 台に、秋には4%台に上がったとき、どう言うでしょうか。 ここで書いたように、部品在庫がなくなったときから、今度は、20% 円安による国産品の価格上昇が始まるからです。 日銀は、20%円安による消費者物価上昇(4%台)を予想していませ ん。 ◎日銀は、消費者物価が7%台のユーロを見習って、7月からは、利上 げ政策に転じなければならない。 (その理由)130円代の円安を、110円台の円高にもっていかないと、 日本のCPI(消費者物価)は3%台、4%台に上がっていくからです。 日銀の現在の金融政策には、物価上昇のマイナスの影響がある政治 (岸田政権)は、全く、関与ができていない。ここで理論実証的に、 申し上げた次第です。 物価の原理論では、2017年、ディスインフレが続く時期に書かれた、 元東大教授吉川洋氏の『物価と期待(=予想)』が正しい。 政府の。委員会の座長を何度も務めていたのですが、リフレ派ではな かったため、量的緩和と、円安主張派が占拠していた日銀に、無視さ れたのでしょう。官僚的意地悪の典型が、これです。政策に都合の悪 いことは反論(論争)するのでなく、無視する。無視は、もっとも強 い否定です。 https://www.nikko-research.co.jp/release/5952/ ■6.日銀は利上げに限界をもつため、論理を捻じ曲げる インフレのなかの日銀は、GDP比が世界1の2.3倍と大きく1200兆円の 国債があるため、金利を上げることができず、世界でひとり金融緩和 を続ける孤児でしょう。これが「2023年の1%の物価予想」として、 言い訳になっています。 国民から選ばれた政治家ではない日銀の政策には、経済の理論的な背 景が必要です。金融政策は、将来に働きかけるものですから予想が必 要です。 経済政策でもっとも重要な「物価予想」について、2021年から22の日 銀は、予想の誤りを犯しています ◎インフレのなかで、円安になる金融緩和政策を続けるために、 2023年は、消費者物価上昇は1%に下がると予想する不始末があるの です。これは日本だけは「インフレにならない」という意味のもので す。 1990年以降32年、政府は、よくも1200兆円の財政赤字(税収減-財政 支出拡大)を作ってきたものと感心します。ここまで、金利を上げず 国債発行を増増やすことができたのは、日銀が550兆円分(発行額の 50%)を買ってきたからです。普通は国債の発行が増えると、価格は 下がって金利があがります。 2013年からの異次元緩和では、日銀が400兆円余分に国債を買って円 を増発してきました。銀行・生損保・郵貯とかんぽ生命、GPIFでは、 引き受けきれなかったのが、この1200兆円の国債です。 中央銀行が関与しなくなると、発行が多く金融機関が買い切れなくな る国債の価格は下がり、デフレの中でも金利は上がります。 ◎1年に約40兆円の国債の増加により、放置すれば上昇していく金利 を、日銀はゼロ金利に抑えるため、約30年間、国債残の約50%を買っ てきたのです。 目的は、国債という負債が大きな政府の利払いを増やさないこととい う一点です。 ◎世界は、所得が増えない中で、物価がそれ以上に上がるスタグフ レーションを経て、リーマン危機以来の金融恐慌から、実体経済の恐 慌に向かう可能性が高くなっています。 リーマン危機のときは、日米欧の中央銀行が、マネーを増発し (1000兆円)、70年ぶりの「金融危機→恐慌」を防ぎしました。 当時は、金融間緩和ができるデフレでしたが、今回は、石油危機並み のインフレです。 ◎インフレのときは、利下げとマネーの増発ができない(金融理論上 できない)。このため日銀は、「日本のインフレ率は米欧より約5ポ イントは低いと主張し、2023年は1%だから、物価上昇は短期的であ る」としなければならない。 日着の間違った主張は、不適切な金融政策(長期金利0.25%の指し値 オペ+短期マイナス金利)の言い訳です。 世界の中央銀行では、年率2%以上が1年続くCPI上昇を、インフレと しています。2%基準とする根拠が、どこから来たのか、不明です。 しかし、金融政策上は2%とされています。 ■7.1980年の第二次石油危機並みのインフレ 米国の8.6%、欧州の7.5%は、確かにインフレです。40年間、物価の インフレはなかった。第二次石油危機以来40年ぶりです。 現役の金融トレーダーは、インフレと高金利の経験が皆無でしょう。 22歳で仕事を始めとして、40年間、低金利と、生産のグローバル化 (賃金が1/4以下の低い中国生産、アジア生産)によるディスインフ レに慣れて来ました。 【中国生産が下げていた、2000年代の20年の、世界の物価】 中国は、数量では米国の約3倍、日本の、10倍の量の低価格商品を生 産しています。 世界1の製造・販売業になったアップルの商品は100%、中華圏での生 産です。ユニクロの衣料、ニトリの家具・インテリア用品も、中堅圏 の生産です。先進国の工場は中国化しました。 中国のアマゾンである、アリババで商品を見れば、あふれるくらい種 類と量が多い。オーディオ機器の、主な買い先は、2年前からアリバ バです。最初の1台が届く前は、品質に不安がありました。使ってみ ると、日本の1/5から1/3と安い機器の音質は、優れていました。 回路と部品はいい。でも・・・スマートではない中華デザインは、今 日も、気になっています。日本の老舗、優れた商品を作っていたオン キョーはオーディオ不況を原因として潰れましたが、中国オーディオ。 中国の、広州とシンセンの工場を見れば、オーディオ不況ではないの です。 ◎従来、日本では、技術は上でも人件費が高く商品価格は高いとされ てきました。しかし、現在は、先端技術でも中国に負けています。今 後は、AIも使って技術を一層高度化しないと、日本の製造業の復活も ない。かつての英国のように、品質が低く価格が高い製造業になって しまいます。 インフレのとき、利下げとマネーの増発をすれば、インフレが10%、 15%亢進(こうしん)していきます。このため、リーマン機危機のと きの対策、「Too Big To Fail」の言い訳ができない。 【通貨価値の下落=金利上昇になる】 物価が上がっていくインフレの本質は、通貨の価値下落です(通貨の 機能である購買力の喪失)。インフレの中で、通貨を増発すれば、更 に通貨は、希薄化して、1単位の価値は下がります。 このため、インフレのときは、金融危機に対しても、量的緩和ができ ない・・・。 (注)通貨の増発は、ウイスキーのモルトに水を入れ、マネーが増え たとすることと同じです。コップにとれは、薄まっています。これが、 マネーの希薄化(1単位の価値の劣化)です。 以上から、 (1)過剰なレバレッジで買われた株価(世界の時価総額1京円)と、 債券(国債、社債)の下落から、 (2)中央銀行と世界中の銀行が、自己資本を失って、 ・金融危機(=レバレッジの縮小=株+国債+債券の売り+貸付金の 回収)になり、 (3)信用創造の減少から、金利は一層上がって、マネーが収縮し、 恐慌に至るのです。 まず米国、欧州、次に、3ヶ月位の間隔をおいて日本の順序です。 支払いのために必要な借り入れができないと、マネーが枯渇する企業 は、潰れます。 【金融危機から恐慌】 銀行の自己資本危機は、中央銀行がマネーを増発して銀行に貸さない 場合、必要な借入金を減らされる企業から潰れていく恐慌、つまり失 業の激増(15%以上)になっていきます。 銀行と企業は、必要なマネーを借ることができない資金繰りによって、 潰れます。銀行融資があれば、5年の累積赤字でも潰れない。 赤字企業には、普通、銀行融資がされないので、潰れるのです。 支払うべき借入金利が上がることも、資金繰りの困窮になっていきま す。 実体経済が、物価上がる不況(スタグフレーション)から恐慌に至る 過程では、売上に対する借入金の大きな企業から借入金の金利が上が って倒産し、その倒産が、買掛金(短期負債)のある仕入れ先に連鎖 していくことから起こります。 失業(所得のない人)が増え、売上が減った小売業が多く潰れると、 次は卸が潰れ、卸が潰れれば、メーカーが潰れていくのです。 【確率は40%か】 もちろん、経済の将来は、「確率的な可能性」です。2023年には、こ うなる確率が、40%くらいに高くなってきた感じです(予想が外れる ことを願ってはいますが・・・数字は冷厳です)。 株価が回復しないと、2022年の秋には、不動産価格も下がって自確率 が60%に上がるかもしれない。 【米国が金融危機で先行するのは、住宅ローン金利の高騰から】 不動産価格を決める、米国の住宅ローン金利は5.75%に上がりました。 昨年は、半分の3%でした。金利の支払いは、1.5倍に増えます。毎月 の元利合計の支払いは、30年固定なら約30%は増えるでしょう。 これが、住宅価格を下げて行きます。「購入件数の減少→価格の低下 →ローン担保証券のMBSの価格低下」になって行きます。 住宅価格と賃貸料に、約6か月は先行する、不動産REITの価格低下は、 MBSの価格低下幅と同期します。(注)REITは、「プールした不動産 の賃貸料-固定資産税と管理費=不動産収益」を配当にする証券です。 ローン金利が上がると、価格が下がる米国のREIT(リート)は、22年、 3、4月のピークの189から、すでに、150へと21%下げています。FRB の今後の利上げから、40%には下がると見ています。 (S&P米国REIT 指数) https://www.spglobal.com/spdji/jp/indices/equity/sp-us-equity-all-reit-index/#overview 2022年秋からは、米国の住宅価格は(確実に)下落します。すでに、 住宅の購入軒数と一致する住宅ローンの申込数は、5月に、25%から 30%減っているからです。 住宅の購入が30%も減ると、ほぼ3か月目からは、売れ残り在庫の販 売価格が下がります。全米の住宅価格が25%下がると、リーマン危機 のときと、同じになります。 ゼロコロナの政策から、ロックダウンをしたコロナ不況の中国に続き、 米国も、2022年秋の金利の上昇から、不動産価格が下がり、銀行のレ バレッジ金融を縮小させ、金融危機の本命になっていくでしょう。こ れは、8年ぶりのリーマン危機とそっくり同じです。 【後記・・・生活苦の増加】 現在の日銀の、機能不全の原因は、20013年から8年間、異次元緩和の 失敗し、その原因解析と反省をしていないことから来ています。 反省=結果の原因解析をし、原因対策を立てること。 1985年からの、円高なかのバルブ経済、1990年のバブル崩壊も、日銀 の、不適切な金融政策がきっかけで起こったものです。インフレのな かの今回も同じです。 安倍首相、黒田日銀総裁+岩田副総裁、政府に、サラリーマン的なゴ マをすったリフレ派経学者とジャーナリストの、異次元緩和賛美の論 調の結果責任は、重いでしょう。 日本人の美点、「過去は水に流す」が発揮されています。米欧、中国、 韓国では過去の追及が厳しい。韓国では歴代の大統領は、逮捕・拘禁 されるか、不慮の自死です。軽重はあっても、何らかの不正を行って いない政治家はいないのです。総理の在任中の犯罪は、一件3億円以 上でないと逮捕されないようです(検察の無言の内規か?)。 政府・日銀政策の、失敗の事実は残る。その損を引き受けるのが、実 質賃金(名目賃金-インフレ率)がマイナスになった国民です。 ・2064万人(2021年:36%)に増えた非正規労働と、 ・政府の機関が運用している株と債券の価格下落から、GPIFの170兆 円の年金基金(公的年金保険の基金)が減る、65歳以上の3640万人は 犠牲者です。 日本の非正規労働は、希望して、非正規になったものではない。米国 の制度からいえば,労働許可を持たない移民の、水面下の準失業者に あたるでしょう。 2000年代の経済的犠牲は、男性では働く人の22%(5人に1人)、女性 では54%(2人に1人)に増えた平均年収160万円の、非正規労働に集 中したのです。 この非正規(2640万人)と、夫婦で200万円の年金生活者(3640万 人)が、スーパー(SM)の物価の上昇で、実質が5%減ることを想像 してください。(非正規との合計では、6280万人になっていて、人口 の約50%です。50%の世帯が、米国では貧困層になる年収300万円以 下です。 米国並みの1世帯1000万円の所得なら、5%(50万円)実質所得が減っ ても影響感は小さい。2人の必需品を買うにもギリギリの、1世帯300 万円の、実質所得(固定された名目年金-食品を含む必需品の物価上 昇率)が15万円も減れば、20%円安の2022年、2023年,2024年の生活 が、一層苦しくなっていくことが想像できます。 政府と日銀の「金融・経済(経世済民)」では、こうした、国民の生 活を見なければならないでしょう。 生命の維持に必要な商品は、高くなっても何らかの形で買わねばなら ない。輸入品が100%の100円ショップの閉店も、目立ってきました。 外食のメニュー価格、SMの価格、ユニクロの衣料、ニトリの商品価格 は上がっています。 「時間給で働く非正規労働がよくない」、のではない。非正規労働の 1時間あたり賃金が、同じ仕事の正社員の1/3(1000円)であることが 非難されるべきです。 米欧より、物価が上がりにくい構造には、1990年から正社員を減らし、 非正規雇用にしたことが、大きく関係しています 1990年から就職した45歳以下は、運良く大企業と公務の正社員になれ た人以外は、年収が200万円/人以下のロスト・ジェネレーションと 言われます。 米国では、3000円から5000円/時間です。日本に移民したいという人 は、低賃金に嫌気がさし、減っています。成績優秀で米欧には行く人 は、日本には来ない。移民の調査をすれば、わかります。 生鮮価格(国産が多い野菜)の150%や200%への価格上昇には、農業 の現場で働く移民労働の、コロナでの減少が関係しています。 1年-0.6%(-70万人)と、世界1の速度で人口が減っている日本の、 在留外国人労働者は、265万人(雇用の約5%:2019年)と、米欧に比 べて激しく少ない。 後発国から見ても、1ドル79円の円高もあった1995年までは、スイス のように高かった日本の所得の魅力は低下しました。 「GDPの上昇=1人あたり生産性上昇×労働者数増加数」、です。 ウクライナ難民(総数600万人)も、受け入れがニュースになるくら い少ない(820人:4月30日時点)。 2022年7月は、国民が国政に参加する参議院選挙です。全部の政党が、 以上の日本経済の2022年、23年問題を捉えていないように見えます。 政府は、「緊張感を以て、注視する、検討する」とだけしかいわない。 どんな検討を行っているのか、不明です。 軍事と外交、政治、経済の線領域で米国に従属するだけで、自己決定 の主権をもつ独立国ではない弊害(プーチンが指摘)が、現れていま す。プーチンは、山口県の大谷山荘での会談では、安倍首相にそう言 って北方領土の、返還交渉の相手にしませんでした。安倍首相がどう 答えたかは不明です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【ビジネス知識源無料版:感想は自由な内容で。 以下は、項目の目処です】 1.内容は、興味がもてますか? 2.理解は進みましたか? 3.疑問点、ご意見はありますか? 4.その他、感想、希望テーマ等 5.差し支えない範囲で、あなたの横顔情報があると、テーマ選択と 内容記述の際、より的確に書くための参考になります。 気軽に送信してください。感想やご意見は励みと参考になり、うれし く読んでいます。時間の関係で、返事や回答ができないときも、全部 読みます。共通のものは、後の記事に反映させるよう努めます。 【著者へのひとことメール、および読者アンケートの送信先】 yoshida@cool-knowledge.com">yoshida@cool-knowledge.com ~~~~~~~~~~~~~***~~~~~~~~~~~~~~~ ~~ ■有料版の新規登録は、最初は無料お試しセットです(1か月分:毎 週水曜日の定期発行):月中のいつ申し込んでも、その月の既発行分 は、全部を読むことができます。無料登録後の解除も、自由です。継 続したとき2か月目から、660円/月(消費税込み)が登録したカード から決済されます。 【新規の会員登録】 (1)『会員登録』では、支払い方法とパスワードを決めた後、 (2)登録方法を案内する『受付メール』が送ってきて、 (3)その後、『購読するマガジンの登録』という2段階の手順です。 【↓ビジネス知識源プレミアム(有料版)】 https://www.mag2.com/m/P0000018.html">https://www.mag2.com/m/P0000018.html このページから、登録のページにすすむことができます。 【↓会員登録と解除の、方法の説明】 http://www.mag2.com/howtouse.html#regist">http://www.mag2.com/howtouse.html#regist 登録または解除は、ご自分でお願いします。 (有料版の登録↓) 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