不動産、証券及びインフレと金利(前編)
Written by admin on 2023年2月27日 – 12:00
ウクライナ戦争後1年に経ち、メディア各社は特集を組んでいます。 共通した見方は、ロシアの不利、西側の兵器支援でウクライナ有利、 戦争は長引くというものです。 報道は、「事実→データ→評価または予想」という論理構造をもつも のです。 ◎ウクライナ戦争については、戦場の事実とデータが分からない。 (注)本稿は、有料版、無料版共通の月曜増刊です。後編は、水曜日 の正刊として有料版の読者に送ります。 【(1)事実の、メディア報道の間にあるもの】 現場にはいないメディアや専門家が予想できる根拠は、ない。 現場にいても、局所の情報であり、かえって、全体が見えない。 (被害を受けたウクライナ人へのインタビュー記事がこれです) ↓ 事実をもとにしていない、全部の予想や評価は、ロシア側かウクライ ナ側に味方する、「党派的なもの」になります。 与党と野党の、同じ事実であるはずの、経済や社会問題への見方と政 策が、正反対になることと同じです。 【メディアの党派制の高まり】 ◎2000年代に、世界のメディアの党派性は、高まっています。 西側の主流メディアは、現在、全部が米国民主党寄りです。 「事実の客観的な立脚点からの報道」はない。皆無に近くなっていま す。 【ウクライナ戦争での、軍人の死者の事例】 戦局は、軍人の戦死者数に、もっとも強く現れます。 有利なら死者数は少なく、不利なら多いでしょう。 ところが1年の、軍人の戦死者数は、以下とされています。 (2023年2月24日:朝日新聞朝刊:この数字は朝日がつくったもので はないでしょう) 【ウクライナ側の発表】 【ロシア側の発表】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 軍人死者数 ウクライナ 1万3000人 ウクライナ6万1207人 ロシア 14万4400人 ロシア 5937人 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・米軍の推定 ウクライナ軍の死者数 10万人 ・英国防省の推定 ロシア軍の死者数 4万から6万人 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ウクライナ軍の死者数については、以下の違いがあります。 ・ウクライナの発表 1万3000人 ・米軍の推定 10万人 ・ロシアの発表 6万1207人 死者データの誤差としては、大きすぎる7.7倍の違いがあって、西側 のメディアは、事実の根拠があやふやなまま総じてウクライナが有利、 ロシアが不利としています。 ロシアは、1桁まで出しています。数字は「ウクライナの発表1万 3000人+米軍の発表10万人」のほぼ真ん中の、6万1207人です。 ロシアの発表が正しいかどうか、分からない。双方のプロバガンダ情 報の、中点の死者数であることは事実です。 1)ウクライナ側は、海外から支援を得るため、自国の犠牲は少なく、 ロシアの犠牲を多くいいたい。勝てる見込みがないと、支援も得られ ないからです。 戦争のあとは「勝てば官軍(善)、負ければ賊軍(悪)」になるから です。それが世界の、近代の歴史です。 大東亜戦争のあとも、勝った米軍は、戦争犯罪の原爆(民間人の殺 傷)を落としても、民主勢力であり善とされ、日本軍は軍国主義で全 体主義であり、悪の軍隊とされたのです。戦争犯罪(ヒロシマとナガ サキの民間人の殲滅)の原爆を落とす決定をしたトルーマンは裁かれ ず英雄になっています。 敵対した軍人以外を殺すことは、現在の国際法でも戦争犯罪です。歴 史上では、米軍は、連続して大きな戦争犯罪を冒し続けてきましたが、 裁かれていません。 2)一方で米軍は、武器・要員支援の必要を言うため、「このままで はウクライナが負けるとして」、ウクライナ軍の犠牲を多く言いたい。 ↓ この結果が、ウクライナ軍の死者1万3000人(ウクライナの発表)と 10万人(米軍の発表)でしょう。 ロシア軍の死者数、 ・14万4000人(ウクライナの発表)、 ・5937人(ロシアの発表)、 ・4万から6万人(英国防省)については、この逆です。 いずれにせよ、メディアは、事実を把握した報道が、できていません。 兵器の損傷も、軍人の死者数に、おおよそ比例しているでしょう。戦 況の事実が分からないのに、メディアは、何を根拠に判断し、論を作 って書いているのか・・・と思います。 【(2)バイデンのウクライナ電撃訪問の意味】 バイデンの極秘だったウクライナ訪問(ポーランドから汽車で10時 間)から、「米国は秘密裏に停戦をゼレンスキーに通告した」という 推測報道もあります。 その根拠は、 1)米国務省と国務省は、ロシア(総司令官はプーチン)と秘密の連 絡網を持っている(これは核兵器時代の事実です)。米国は、「バイ デンが汽車で行くから、ミサイルを撃たないでほしい」と依頼しプー チンは応じた。そのとき、武器支援の停止を言った。 2)米国下院では、共和党が多数派になっている。共和党は、米国の ウクライナへの武器支援に反対している。現在は、下院共和党が、米 国の予算(財政支出)の決定権をもっている。 ◎汽車は標的の位置が決定でき、容易にミサイルの標的になります。 しかも10時間、往復で20時間。「ポーランドから10時間かかけて汽車 で行くから、さあ、撃ってくれ」になるでしょう。欧州の要人のウク ライナ訪問も、全部が汽車です。 仮に岸田首相が行けば、同じように、ポーランドからの汽車旅行。制 空権はロシアがもっているからです。戦車、兵器、物資も、汽車で運 ばれていますが、ロシアのミサイルで撃たれて、少ししか前線に届い ていません。 ロシアとの約束なしに、要人が汽車で行くことは100%ない。 米国がプーチンに連絡したことは、事実です。 「武器支援の停止」を言ったかどうかは、不明です。ミサイルを撃た ないことの交換条件として、「考えられない」ことではない。 2023年、204年の世界と経済・金融を予想するとき、ウクライナ戦争 がどういう形で停戦するかが、欠かせない。 領土の地政学だけではなくエネルギー・資源・食品価格、世界のマ ネーの動きと金利、金融封鎖、経済封鎖、設備投資と消費に関連する からです。 2023年2月も、事実に基づかない「プロパガンダ報道」が続いている、 としておきます。 軍事専門家とされる人がTVに出てきますが、全員が、米軍とCIAのプ ロバガンダ情報を元にしています。 【(3)CSIS(戦略国際問題研究所)の操作情報】 ◎日本には、CIA+米国大使館→自衛隊を通じた軍事情報しかないか らです。 CSIS(戦略国際問題研究所)と自衛隊の情報は、米軍+CIAの、日本 操作のための情報です。諜報機関が出すのは、1ntelligenceであり操 作情報です。事実の、Informationではないのです。 (CSISの操作情報) https://www.csis.org/ 〔ウクライナへの、軍事支援の未来〕 1)米国のウクライナへの軍事支援は、今までに1130億ドル(14.6兆 円)だった。日本の自衛隊の年間予算(2023年度増額予定)6.8兆円 の、約2年分です。(注)ウクライナのGDP 2000億ドル(26兆円)に 対して、73%になる巨額です。米国が戦争をしていることと同じです。 2)追加の支援決定には、民主党と共和党の政治的な闘争がある 3)ウクライナ政府内には、海外支援金の不正流用の腐敗があったが、 一掃された。米国からの支援は、2024年までも続く(続ける)、とし ています。 ウクライナ戦争は長期化させる。米国の軍事支援は続けるという意思 が読み取れます。 (Google翻訳で、不完全ですが、日本語になります) https://www.csis.org/analysis/whats-future-aid-ukraine 日本の専門家は、こうした世界に向けての、米軍の操作情報を読んで 論を組み立てています。つまり、操作される人々です。 【(4)事実の推測】 この論と、バイデンのウクライナ汽車訪問の、隠れた目的は逆であり、 対照的です。事前にプーチンと連絡をとった汽車訪問の隠れた目的に、 真実がある感じがします。 * このあとは、米国金利の上昇を原因にして、下落の動きが見えてきた 米国不動産を、商業用と住宅用から分析します。住宅ローンの金利は、 2021年の3%から7%台に上がり、住宅価格の30%下落を示唆していま す。 米国の不動産マネー(推計15兆ドル:1950兆円)は、証券化され、金 融機関に売却されています。まず商業用不動産、次に住宅価格が下が ると、直接に、金融機関と不動産ファンドの、危機になって行くので す。株価の下落より、ダイレクトです。 後編は、水曜日の有料版正刊とします。 【(5)後記】 インターネットとSNSに、メディアの重点が移った現代は、政府・中 央銀行の統計データを、直接に、個人が得ることができます。 必要なものは、判断力と分析力です。 主流派メディアは、世論へのIntelligenceを出します。それは、解釈 と判断が含まれた、操作情報になっています。これを、国民の啓蒙と してきたのです。 民主主義の体制では、国民の投票が、政治を決めます。このため、既 得権をもつエスタブリッシュメント側は、自分たちの権益の維持・増 加のために、国民世論の操作情報を出すのです。米国では、金融資本 からマネーを得ている5つのシンクタンクが、国民の啓蒙の役割を担 っています。 しかし、自民党を含み米国に支配された日本では、主流メディアの情 報が、世論の操作を目的にしたIntelligenceだという見方はない。 当方は、解釈の言葉ではなく、数字を重視します。数字には、ウソか、 本当しかないからです。政府統計の不正は、時系列で見るとある程度 は、見破れます。 【(6)今日の事例】 今日の日経新聞は、一面で、岸田内閣の支持率が49%に上がったとし ています(4ポイント上昇)。「おかしいな」と思って読むと、回答 数は、819件の携帯電話という。回答率は37%。37%の回答率しかな い、819件のデータです。これで、有意な世論調査と言えるのか? 内閣を支持しない人や無党派の回答率は低く出るからです。支持政党 なしの無党派は約60%と言われます。 データ数と回答率を示すのは誠実ではありますが、その情報の信頼性 はどうでしょうか? 実は、当方の携帯にもかかってきたことが、約2年で2度あります。ご く低い確率のはずですがどうなっているのでしょう。「1億分の2000 人=10万分の2」です。2回ですから10万の2乗=10億分の1の確率です。 これが世論調査の実態です。当方は回答しましたが・・質問は、AIの 人工音声でした。 世論調査は、質問の言葉と方法で、結果が、大きく変わります。 時事通信の世論調査は面接なので、日経より正確度は高いようです。 時事通信の調査では、内閣支持率は27.8%と低い、不支持が42.2%で す(2023年2月16日)。日経新聞では岸田内閣は安全であり、時事通 信では危険水域になる。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2023021600787&g=pol メディア情報は、この程度のものです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ 【無料版:読者アンケート&感想の、項目のメド】 1.内容は、興味がもてますか? 2.理解は、進みましたか? 3.疑問な点は、ありますか? 4.その他、感想、希望テーマ等 5.差し支えない範囲で、横顔情報があると、テーマ設定と記述の際的 確に書くための、参考になります。 気軽に送信してください。感想は、励みと参考になり、うれしく読ん でいます。質問やご要望には、可能なかぎり回答をするか、あとの記 事・論考に反映させるよう努めます。返事や回答ができないときも全 部を読み、頭にいれています。読者の率直な感想・意見・疑問・質問 は、考えを広げるのに役立ちます。 著者のメールアドレス:yoshida@cool-knowledge.com 購読方法と届かないことに関する問い合わせは、ここにメール(↓)。 配送の管理は、著者ではなく配信サイトの「まぐまぐ」が行っていま す。著者は、どこに配信されたか、分からない仕組みです。 reader_yuryo@mag2.com ■1. 新規登録は、最初、無料お試しです(1か月分)。その後の解除 は自由です。2か月目から、消費税込みで660円が課金されます。 (1)『会員登録』で支払い方法とパスワードを決めたあと、 (2)登録方法を案内する『受付メール』が送ってきて、 (3)その後、『購読マガジンの登録』という、安全のための2段階の 手順です。 【↓まぐまぐへの会員登録と解除の、方法の説明】 http://www.mag2.com/howtouse.html#RSegist 登録または解除は、ご自分でお願いします。 著者は、登録、解除を行うことができません。 (有料版↓) http://www.mag2.com/m/P0000018.html (無料版↓) http://www.mag2.com/m/0000048497.html ■2.購読に関する問い合わせ窓口 (まぐまぐの事務局がメールで対応します)。 http://help.mag2.com/contact.html ・・・以上 ~~~ ◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます ※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです ◎ビジネス知識源:経営の成功原理と実践原則 の配信停止はこちら ⇒ https://www.mag2.com/m/0000048497.html?l=hpt0a0092e |