コロナショックのあとのチャンスはあるのか(後編)
Written by admin on 2020年4月3日 – 17:00
前編に続く後編を送ります。テーマは、大底の想定と反騰の予想を行 うことです。コロナショックは、07年~08年のリーマン危機(=米国 発金融危機)より大きな、経済と金融へのショックを与える様相を呈 してきました。 ショックは、(1)GDPつまり「商品生産=所得=需要」の下落と、 (2)商取引と金融取引の媒介になるマネーの両面において起こって います。 都市の封鎖と、人の移動の制限は、工場の操業率を低下させ、店舗と サービス業の売上を、歴史上はじめての深さに、急落させているから です。NYやパリの街は、SFのパンデミックの映画ようです。 1人13万円を配る米国に続き、政府は、所得額とは無関係に、コロナ ショックで収入が減って生活が苦しくなった世帯に、1世帯一律30万 円の生活補助金を出すと決定しました。 市役所への自主申告が、審査されて、世帯にお金がおりるという。推 計1000万世帯(5300万世帯の19%)になる見込みです。総額では3兆 円のヘリコプターマネーです。 他にも、GDPの10%(約55兆円)を補正予算とし、経済対費にすると もいう。財源は、55兆円の新規国債発行と、日銀による全額買い取り です。 国債を発行し、中央銀行が買い取って、財政支出をすれば(財政ファ イナンス)、 (1)GDPは低下しない。所得と需要の減少は、回復する。 (2)国債の増発が、将来的な禍根を残すこともないというMMT論(現 代貨幣論)の実行になります。 すでに、約500兆円行ってきた国債の日銀買い取り(=マネーの量的 緩和)を、大きく増やすことで引き起こされる長期的な問題、つまり、 中央銀行の利下げに逆行する「円安と金利の上昇」ついては、別稿で、 観点を深くして検討します。 米国でも、FRBは1.6兆ドル(176兆円)の国債、住宅ローン証券の MBS、社債等を買い取って、ドルを供給しています。 本稿は、全号の後編です。コロナショックのあとは、物価が上がるが 経済は低成長の「スタグフレーション」になるから、株価の反騰は大 きくはならないという見方もあります(前号の7項:本稿の対論)。 経済と将来の株価についての見方は、どんなときでも、二分されてい ます。ここから上がると考える投資家と、ほぼ同数の下がると思う投 資家がいて、両方の売買額の一致点で、株価は形成され、変動してい るのです。 「大底とは何か、それはいつと想定されるか」から始めます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <1062号:コロナショックのあとのチャンスはあるのか(後編)> 2020年4月3日:無料版 【目次:前編:4月2日送付】 ■1.米国株のバブルの原因 ■2.収束に1年以上と見ている人が75%:日本 ■3.今回の要素(1):4週で30%という下落速度の速さ ■4.リーマン危機のときの株価を振り返ると ■5.今回は、直前のGDPの減少が大きかった(日本) ■6.今回の要素(2):政府の財政支出の大きさと、中央銀行のマ ネー供給の増加の大きさ ■7.ただし回復期の反騰のレベルへの異論はある(スタグフレー ション論) 【目次:後編:本日送付】 ■8.株価が下がりきった「大底」とは何か ■9.日米の株価の大底は、いつの時期か ■10.コロナショックの長期化を見込んだ大底と株価 ■11.日銀の株ETFの買い:1回2000億円の意味 ■12.2020年末の、NYダウと日経平均 ■11.後記:新刊が出ました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■8.株価が下がりきった「大底」とは何か 【資産を作る好機になる】 株価の下落で損をしていない投資家にとっては、大底を見極めた上で の株の買いは、金融資産を作る機会になります。反騰が大きければ、 生涯に数度(平均で12年に1回)しかないチャンスでしょう。 これから金融資産を作りたいと願う人にとっては、大底がいついくら の株価で来るのかを、予想する必要があります。 【大底の性格】 皆に大底が見えたときは、今回は、投資家が利用できる最大額のマ ネーで買うので、株価は、短期で反騰をしているはずです。反騰の初 期を見て買っても遅くはない。 〔回復は早いだろうと予想〕 新型コロナへの感染症は、4週間の急 性期の病であり、ガンのように数年の、慢性的なものではない。封鎖 されていた人が移動の自由を回復し、経済活動(生産、流通、需要) が再開されると、株価は急速な回復になるでしょう。 生産と流通の設備とインフラが破壊される戦争や大災害のように、回 復が1.5年以上と長引くことはないからです。 【リーマン危機では、大底のあと1年だった】 リーマン危機のあとの株価のゆっくりした回復には、50%下落の大底 から1年以上を要しました。今回の回復は、3か月以内になるでしょう か。未知のウイルスであるため、社会の恐怖は強く、株の売りも短い 期間で行き過ぎているからです。 カギになるのは、確認感染数が中国を超えて11万人と、世界1になっ た米国(3月28日)のピークと収束期の予想です。 【中国への懸念は残る】 加えて、武漢で4万3000人とされる感染未症状者(香港のSouth China Morning Post)による4月以降の再流行はないか?です。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032300117&g=int 〔無症状者はカウントしていない〕 「中国政府は、検査で陽性でも、 症状がなければ、病原体を広げる確率は低いと見なし、感染者にはカ ウントしないとの判断基準を示している。濃厚接触者を検査したため、 症状がない患者もあぶり出された。無症状の4万3000人も隔離され、 監視下に置かれた」(同紙) 〔集団感染で抗体ができたのか?〕武漢と湖北省で、再びの流行がな いとすれば、多くの人が知らないうちに感染して抗体をもって、ウイ ルスの基本再生産数が1未満(1人がうつす人が1人未満)になったこ とを示すでしょう。集団免疫の効果です。 英国は暗黙に、「集団免疫対策」をとっているようです。スウェーデ ンは、都市の封鎖と移動性制限をせず、60%以上を感染させる集団免 疫戦略です。メルケル首相が70%は感染すると公式に言ったドイツも、 暗黙の集団免疫戦略でしょう。 武漢・湖北省の収束とされるものが、50%以上の人が無症状でかかっ たあとの集団免疫によるものなら、感染の再爆発の恐れはないでしょ う。 【不動産のREIT指数は、価格を戻したが、再び下げている】 〔REITは48%下落〕 不動産の賃貸料と売買利益を配当するREIT (リート)は、株価と同時に3週で、2200から1138まで、断崖風に48 %下げました。 その後、日銀によるREITの買いと政府の超大型財政支出の表明という 2つの要素から1600(ピークの73%:27%安)にまで戻し、また1462 に下げています。 罫線の時間軸を横に大きく引きのばすと、大底後の株価の、回復パ ターンの半分までを見る感じです。J-REITは、遅行する実物不動産価 格のこれからの傾向を極端に示す先行指標です。2020年末の大都市部 の不動産価格は、相当下げるでしょう(-20%~-30%か?)。 低金利のため年率4%から5%増えていた銀行の不動産融資(残高96兆 円:2019年末)の不良債権化も、想定できます。株価の大きな下落は、 いつも不動産価格に及びます。 https://kabutan.jp/stock/chart?code=0105 ■9.日米の株価の大底は、いつの時期か ▼楽観的に見た、収束期と株価回復 【4か月目がメド】 中国での、新型コロナの感染の始まりは、19年12月でした。20年1月、 2月と爆発的に増加し、政府の発表どおりなら、3月の半ばから新しい 感染が急減しています。12月から3月まで4か月です。4か月目を、収 束期とみることもできるでしょう。 【日本では7月末】 ◎日本でのクルーズ船以外での、国内感染が出たのは、2月の半ばか らでした。米国より約1か月早かった。しかし金融と経済の中心であ る東京で確認感染数が拡大したのは、3月の終わりからです。4か月目 は7月末でしょう。 県別の跛行はありますが、中国の新規感染データがほぼ正しければ、 東京の収束期としては、第一の波の底が、7月末と想定できるでしょ う。 収束後も、第二の波があるかもしれません。しかし2021年には、利用 できるワクチンが出てくるので、経済活動は正常化に向かうでしょう。 ワクチンの利用は、2021年2月ころからとされています。 8月から、経済が正常化に向かう可能性があります。この時期に、日 経平均の株価は、大底を打つかもしれません。 なお、今日発表された北海道大学の西浦教授(専門家会議のメン バー)が、西欧のように外出を禁止し、人との接触を80%減らすと、 感染爆発になる前に、収束に向かうという数学的なシミュレーション を発表しています。(注)このシミュレーションをうけて、数日後に は、まず東京が外出禁止になるかもしれません。 【米国でも7月】 米国では、東京より1か月早くで3月初めから感染の拡大が始まったと 見ることができます。2月まで、トランプ大統領は、「米国には関係 がない」と公言していました。そのすぐあとカリフォルニアとNYから 感染が拡大しました。 中国に倣って、4か月目を収束期と見れば、2020年の7月です。8月か らは米国経済では、レストランも開店し、人は街路に出て正常化に向 かうかもしれない。 【2020年7月が大底】 以上の延長では、米国株の大底は、日本より早い2020年7月と想定で きます。ダウ2万9000ドルのピークから、50%付近に下がった1万 5000ドル付近かもしれません(確率的な可能性)。 今のNYダウ先物は2万1600ドル付近(4月1日:午前10:20)ですから、 あと6600ドル下がったところになります。 【日経平均の、底値の想定】 日経平均先物は4月1日の前場では、1万8500円付近ですが、大底はNY ダウに比例し、2万4000円のピークから50%の1万2000円でしょうか (現在より-6500円)。 日本の株価がNYダウに比例するのは、米国の最終需要が大きい海外輸 出で、GDPを80兆円(輸出のGDP構成比15%)上げているからです。中 国への部品輸出も、中国で組み立てて米国と欧州に、輸出されていま す(部品輸出の三角貿易)。 9460億ドル(104兆円:2018年)の貿易赤字がある米国の、赤字の輸 入が減る割合に比例して、日本の総輸出は減ります。 【回復のパターン】 その後の回復は、 (1)リーマン危機のあとのように年率5%程度のゆっくりしたものか、 (2)3か月で2万3000から2万4000ドル台に急速に戻るか、でしょう。 NYダウが2万9000ドル、日経平均が2万4000円に戻ることはないと思え ます。日経平均の反騰率も、NYダウと同じでしょう。 スタグフレーションを想定すれば(1)のゆっくり戻る可能性が60% でしょう。 一方で、待機資金400兆円を考えれば、(2)が60%でしょうか。 日経平均の株価もNYダウと同じようになります。 ■10.コロナショックの長期化を見込んだ、大底と株価 CDC(米国疾病予防管理センター)からの報告を受けている米国政府 では、「いつ収束するか、世界の誰にも分からない」といっています。 これは、20年7月の収束は想定しにくいという含意でしょう。 中国のような急峻なピークがなく、感染数が漸増していくということ です。悪い材料としては、アジア・アフリカ・中南米の、途上国での 感染数の急増期とも重なります。経済封鎖は、長期化します。 ◎悲観的には、米での感染が9月ころにピークを迎え、10月から収束 期に入ることになるでしょう。楽観的予想から約3か月遅れです。 【コロナショックの長期化のときの大底は、ダウ1万ドルか?】 米国経済への打撃は、四半期分、大きくなります。経済封鎖の、6か 月間の企業利益の急減や赤字が多く出て、株価は、維持の材料を失い ます。 NYダウは、50%の下げ(1万5000ドル台)から、更に30%は下げ、1万 ドル付近(2万9000ドルの35%)を大底にするかもしれません。 【長期化したときは、日経平均では、8400円が大底か】 日経平均では、35%は8400円になります。日本の感染率が低く早く収 束しても、米国の経済が停止して輸入需要が減ると、その割合で80兆 円の輸出が減るからです。 GDP の15%が外需依存である日本は、単独ではGDPを維持できないの です。上場大手メーカーの売上の、ほぼ半分は輸出です。 米国が6か月の経済収縮なら、政府・FRBのマネーの投入額も大きくな っていて、エネルギーが溜まっていますから、終息宣言後の株価の反 騰は、大きなものになるでしょう。 ■11.日銀の株ETFの買い:1回2000億円の意味 現在の相場で、日経平均が間歇的に上げるのは、価格を考えない日銀 の株ETFの買いが、2000億円はいった時間です。 東証の1時間平均売買額(約5000億円)の、40%を占める大きさです。 日銀が介入する時間は、上がるに決まっています。 〔3時以降の利食い売り〕 東証が3時にひけたあと、海外からの短期 利食い売りによって、下げるというお定まりのパターン。今日も同じ でした(3月31日:午後3:30)。 国の政策で、3時までは株を上げ、3時以降に空売り、先物売り、株価 指数のCFD(差金取引)を売って下げるヘッジファンドに、安易な利 益を与えています。手の内が分る日銀の株ETFの買いは、外人に利益 を与えるように市場をゆがめています。 日銀の職員は、株価が下がって日銀が損をしても、公的年金を160兆 円運用しているGPIFと同じように、責任は負いません。自分のマネー で投資する投資家のようには、自分の損にならない。 このため平気で1回2000億円も買っています。金融のモラルハザード が起こっていますが、幹部職員は、それにすら、気がついていない。 政府の政策に乗っていると考えているからです。 日銀の、30兆円の保有株の移動平均原価は、1万9500円です(黒田総 裁が国会で答弁)。日経平均が1万9500円以下に下がると、含み損が 出ます。(注)他に、不動産のJ-REITの買いが5兆円(20年3月時点) https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2020/ac200320.htm/ ◎日銀が売ると言うだけで、すぐに日経平均は1万9500円以下になり、 売り進んでいくと1万2000円には下げるでしょう。日銀が株ETFを減ら すときは、巨大な損切しかできないはずです(これは円の価値の下落 に通じます)。確定した未来です。 2年後くらいの歴史が、証明します(30兆円も買ってきたのでほぼ断 言できるでしょう)。株を買っている人は、その時は売りです。 ところで・・・日銀が株ETFを買い続けると、結局はどうなるか。い つやめるのか。中央銀行が株を直接の買うことは、世界で異例です。 国家資本主義をとる中国のモノバンク(人民銀行+商業銀行)と同じ マネー供給の方法です。 【日銀の、株ETFの買いからの出口は、見えない】 GDPを減らし不良債権を作るため、やめることができなくなったゼロ 金利と金融緩和と同じように、株ETFの買いにも「出口」がない。 日銀が株の売りをいえば、その日から株価が、70%の価格を目指して 下落するでしょう。このときは、円がリスクマネーになるので、1番 の安全資産の金は、高騰するでしょう。 ◎日銀が株ETFを買い始めた2014年以来の株価は、米国の自社株買い の代わりに、日銀が量的緩和(増発マネーで30兆円の株を買うこと) で作った30%バブルでもあったからです。 年間に60回、総枠では、12兆円を行います。2021年はどうするのか? 日銀内部でも、五里霧中のはずです。延期されたオリンピックの来年 はすぐ来るのですが・・・。2025年は、経済の刺激としては小さい大 阪万博です。 心斎橋の地価高騰(18.6%上昇;2020年1月の公示地価)は、(1)イ ンバウンド消費、(2)オリンピック消費、(3)遠い大阪万博を織り 込んだものでしょう。2020末は(1)(2)消え、30%~40%は下げる でしょう。 【今日の株価】 現在、NYダウは2万1773ドル(-4.6%)。 ドル/円は、107.68円(-0.44%)です(4月1日:午前11:00)。 米銀システムのドル不足が収まると、「金利差のないドル売り/円買 い」が増え、ドルは下がり、円買いの傾向になるでしょう。 〔VIXが、変わらず恐慌並みに高い〕 株価のもっとも重要な評価指標である年間VIXは、変わらず65.54%と 高い。月間変動への換算では、√12分の1(=3.64分の1)の18%です。 1か月で±18%の幅の変動を、売買市場の中の投資家集合が予想して います。実際のオプション料から導かれたのがこのVIXです。 普通の時期なら、年間VIXは20%以下、高くても30%台です。 1日800~1000ドル(4~5%幅)の乱高下の時期は、まだ終わっていま せん。日経平均の年間VIも、57%と極めて高い水準です。 投資家が、上にも下にも価格を予想できない売買をしていることを示 すのが、VIXの45%以上です。一言でいえば、方向感がない混乱相場 です。 ■12.2020年末の、NYダウと日経平均 こうしたときこそ、戻り値の予想を、しなければならない。 根拠は、400兆円の、国債とAAA格の社債投資の安全資産になっている 待機資金(MRFという預金)しかない。日本ではどれくらいでしょう か。株式投資の、個人の待機資金は米国の1/10の40兆円か。 今はまだ、ヤマカンに近い直観を言うしかないのですが、敢えて行い ます。願望の価格はあっても、2021年の株価予想の方法は世界中の誰 ももっていません。要因(ファクター)が多すぎ、組み合わせと加重 化(多燃料解析)が無理だからです。 通貨では、金融危機のとき上がる債権国通貨は、円とスイスフランで す。そして通貨が増発されドル安になると上がるのが金です。 最大の債務国通貨であるドルは、ユーロ(マイナス金利)、円(ゼロ 金利)との、約2%の金利差を理由に買われて、ドル高になっていま した。3月のFRBの利下げ1.5ポイントで、この金利差が、ドル安を吸 収する幅ではなくなっています。 米銀のドル不足からの「ドル買い/海外通貨売り」が収まっていくと、 「ドル/円」は再び100円以下の円高・ドル安を、目指すでしょう。 90円台かもしれないとも思っています(2020年末)。 公的年金基金を運用しているGPIFは、160兆円の資産のうち、50%を、 利回りがあるドルベース(+ユーロ)で運用するという決定を、この 時期にしています。GPIFには、損をした時の弁済の責任感と金融の基 本へのリテラシーがない。 2020年末にはこの決定とは、逆にドル相場は動き、GPIFは大きな損を することになるでしょう。「表面利回りの高い金融資産は、下落リス クも高い」というが、古今東西、未来永劫の金融(ファイナンス)の 基本原理です。年金生活者にとっては、困ったことです。 金利(および利回り)の高さは、高い金利でないと、マネーが集まら ないことを示しているからです。ゼロ金利でも価値を107円に維持し ている円と、大きなマイナス金利(-1.25%)のスイスフランは、ド ルよりは強い(比較上の強さです)。 【2020年末の、戻り値】 米国ダウ:大底からの戻り値 2万4000ドル(次期予想PER 18倍) 日経平均:大底からの戻り値 1万8000円(次期予想PER 16倍)。 新型コロナでは、失業はあっても、設備と技術の破壊はないからです。 恐らく自社株買いが少なくなるので、ピーク価格(NYダウ2万9500ド ル=PER22倍:日経平均2万4000円=PER19倍)には回復しないでしょ う。なお、この回復価格は、とても楽観的な見方のものです。 ■11.後記:新刊が出ました タイミングはよくない時期ですが、拙著、『新しいチェーンストア理 論』が出ました(4月1日~)。当面、アマゾンでしか売れないでしょ う。 4万か所あるショッピングセンターの閉店で先行する米国を追って、 (1)2020年から大閉店時代に向かう100万店(雇用700万人)の小売 業だけではなく、 (2)卸売業(雇用400万人)、製造業(雇用1100万人)、飲食業 (220万人)、サービス業(570万人)、IT関連(100万人)で、 (3)そして経営指導している経営コンサルタントには読んでいただ きたいという願いから書いたものです。 低すぎるわが国小売業の、人的な生産性を2倍、3倍に上げる方法を詳 細に書いています。小売業は、2020年から施行される働き方改革の 「同一労働・同一賃金」はとれない。 平均の生産性(粗利益÷総労働人時)が、米国の小売業の38.4% (2010~12年)と低いからです。米国の、ほぼ1/3の、人的生産性と 平均賃金でしかないのは、驚くべきことでしょう。 https://www.jpc-net.jp/research/rd/report/pdf/sd2.pdf 情報化、IT化、AI化と、流通のDC化(集配センター化)、そして、使 う顧客、着る顧客、食べる顧客にとっての商品価値(機能・品質÷価 格)の高い商品の、開発方法を示しています。 商品価値の高いものを売る製造小売業では、行列が観察できます。 消費者の、商品に求める価値が1990年代とは変容したからです。 チェーンストアのあるべき商品戦略は、商品開発が主眼の製造、卸、 飲食、サービス業、IT関連にも共通します。商品開発の章は、チャ ン・キムの『ブルーオーシャン戦略』の実践編でもあります。(アマ ゾン↓) 新しいチェーンストア理論-吉田-繁治 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【ビジネス知識源無料版:感想は自由な内容で。 以下は、項目の目処です】 1.内容は、興味がもてますか? 2.理解は進みましたか? 3.疑問点、ご意見はありますか? 4.その他、感想、希望テーマ等 5.差し支えない範囲で、あなたの横顔情報があると、テーマ選択と 内容記述の際、より的確に書くための参考になります。 気軽に送信してください。感想やご意見は励みと参考になり、うれし く読んでいます。時間の関係で、返事や回答ができないときも、全部 読みます。共通のものは、後の記事に反映させるよう努めます。 【著者へのひとことメール、および読者アンケートの送信先】 yoshida@cool-knowledge.com ■1. 有料版の新規登録は、最初、無料お試しセットです(1か月分) :月中のいつ申し込んでも、その月の既発行分は、その全部を読むこ とができます。その後の解除は自由です。継続したとき、2か月目分 から、課金されます。 (1)『会員登録』で支払い方法とパスワードを決めた後、 (2)登録方法を案内する『受付メール』が送ってきて、 (3)その後、『購読マガジンの登録』という3段階の手順です。 【ビジネス知識源:有料版】 https://www.mag2.com/m/P0000018.html このページから、登録のページにすすむことができます。 【↓会員登録と解除の、方法の説明】 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