おはようございます。吉田繁治です。今般、拙著『ザ・プリンシプ
ル』を、商業界から出すことになりました。
「経営の成功原則100:どこにでもいるような人が集まって、だれに
もできないことを成し遂げた物語り」が副題です。本稿では、時局を
解説しながら、若干の内容紹介をします。
ディスカウント・ストアとされる、年商37兆円(7000店以上:従業員
200万人)のウォルマートの「原則による経営」がどんなものかを100
項(約300ページ)にまとめ、専門語を少なくし、日常語で物語風に書
いたものです。
本書は、私にとっても感慨深い内容を含んでいます。
20年余の観察・研究を、まとめたものでもあります。
●今、わが国のみならず、世界が、2年前までとは一転し「ディスカウ
ント」に向かいつつあります。
2、3年くらい前でしたか、日本を含み、世界が好況と言われていた時
期に逆行し、<世界の小売業は、これから10年、ディスカウントの時
代を迎える>というテーマで、何回か、書いたことがあります。
(注)2007年まで、世界のGDP(=国民所得)は、5%くらい増えていま
した。
ある中堅小売業では、ウォルマートの経営原則から、その事業の初期
のものを、若干の応用を加えて実行しました。昨年春以降、既存店売
上は、毎月連続し+20%〜30%も増えています。
宣伝めきますが、こうした検証から見ても、ウォルマートの方法は、
わが国の現在の経営環境、消費環境にもってきても正しいと言えます。
ディスカウント・ストアの時代が、なぜ今後10年は続くと見たか、そ
の理由を言います。
●端的に言えば、先進国10億人では、今後、世帯所得は、物価の上昇
をマイナスした「実質所得額」では、増えないからです。
名目所得(給与額等)が3%増えても、物価が3%上がれば、実質所得
の増加はゼロです。その根底の原因は、戦後ベビーブーマーが60歳(
退職世代)を越え、65歳(年金・医療世代)に向かうからです。
(注)米国の戦後ベビーブーマーは8000万人(約20年分)と裾野が広
く、わが国の1000万人(5年分)の8倍という巨大さです。
消費額は、世帯の所得額が増えないと、増えることができません。あ
るいは合理的期待形成学派風に言えば、「将来の、所得増加の期待が
ないときは、世帯は消費を増やさない。」
米国で最初に、世帯所得の実質額が増えなくなったのは、約30年前の
1980年代です。国内製造業が、日本と欧州に先駆けて、海外移転した
ためです。
その後90年代、00年代と、米国の消費財のうち店頭で売られる商品の
約50%は(国内産の食品を除く)、中国を含むアジア、日本、その他
の新興国からの輸入に変わっていったのです。
1980年代から、最初はKマートが、続いてウォルマートが店舗数を飛躍
的に増やし、ターゲットを加えた3大ディスカウント・ストアの売上は
45兆円(わが国イオンの10倍)を越えて、小売の最大勢力になったの
です。
アパレル(衣料)のギャップやフェデレィティドのグループは、日本
では、ユニクロのようなSPA(開発輸入型小売りチェーン)です。デパ
ートに対し、ディスカウントグループです。米国小売は、それ以来「
ディスカウント・ストア」とは言わなくても、内容は、ディスカウン
ト型に変わって行きました。こうした、歴史的な事実があります。
世帯の実質所得が増えなくなると(あるいは減ると)、世帯の所得で
商品が買われる小売は、何らかの点で「ディスカウント型」でないと、
生き残りも難しくなります。
米国初の金融危機(08年9月のリーマン倒産ショック)以後、世帯所得
が減った分もあります。しかし基底は、先進国10億人に共通の、「高
齢化」です。
先進国共通に、人口の大きなカタマリ形成している戦後ベビーブーマ
ー世代が
・60歳を越えて退職し、
・3年後の2012年ころから65歳を越え「年金生活者世代」になるという
確実な事実があります。
こうした高齢化は、
(1)その国の商品需要額を減らし、
(2)60歳代以降に急増する医療費(医療保険の支給)を増やすことに
なります。
以上は、悲観論というものではなく、近未来の、事実を述べています。
必要なことは、1、2年後に景気が回復したと仮定しても、世帯の平均
での実質所得は増えないと想定し、今後の経営を考えねばならないこ
とです。なお個人ベースでは、いつの時代も、約20%くらいは、所得
の実質額が増えるグループが混じります。
経済の中心にある不動産の価格も、わが国では、
・700万戸(全住宅の12%:1800万人分:08年)の空き家が、
・今後、更に、余る状況を迎えます。
大都市部の中心にも、今、高齢者の1人住まいが多い。
(注)米国の空き家は3%です。
人口が増える地域以外では、価格では弱含みを続けざるを得ないので
す。
わが国で、もう一つ知っておかねばならないのは、
・今までは地方(人口約6000万人)の高齢化でしたが、
・2008年からは、東京・関西・名古屋圏(7000万人)にベビーブーマ
ー人口が多いため、東名阪が高齢化に向かうことです。
東名阪の不動産価格も、人口が増えるところ以外は、弱含みになるで
しょう。苦い記憶があります。北九州市に住んでいるときです。バブ
ル期で、他の都市では、住宅価格が50%〜100%上がっていました。
高層アパートを1500万円くらいで、1982年ころ(バブル前)に買って
いました。バブルの頂点だった1992年に、貸していた人に売った時、
買ったときと同じ価格でした。
理由は、1年に約3000人(住宅1000軒分)の人口減(100万人のうち0.
3%)です。このとき、100万人の中核都市でも、わずか0.3%の人口が
減れば、1000軒の空き家、空き地が増えるため、住宅価格は上がらな
いと心に刻んだのです。
1992年頃はまだ「日本では不動産価格は、絶対に下がらない。」とさ
れ、旧大蔵省も、そう言っていた時期です。その後、下げましたが・
・・
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<Vol.236:「目標」と「原則」による経営という方法>
2009年6月22日
【目次】
1. 米国世帯の過剰消費が減ることの、世界への影響が現在
2. 2000年代の先進国(10億人)の世帯の実質所得は、増えていない。
今後も、増えない。
3. ザ・プリンシプル:「はじめに」より
4. 「おわりに」より
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■1.米国世帯の過剰消費が減ることの、世界への影響が現在
現在のわが国の経済状況(09年1−3月期でGDPが15%減)の根底には、
金融危機より、米国の輸入減が影響しています。
(1)米国の1億世帯の過剰消費、言い換えれば、可処分所得を一年に
約100兆円(世帯換算で100万円/年)上回る買い物が、世界の景気を
引っぱっていた。
住宅価格の1年10%の値上がりが、ホームエクイティローンやクレジッ
トカードローンでの世帯の消費を増やすときの担保になっています。
この1世帯100万円分(米国で100兆円分)の、住宅関連、消費関連の需
要、今、急速に減っています。
借金の増加による消費は、「利払いおよび返済できる借金の限界」か
ら、臨界点(限界)を迎えるはずである。米国の消費は、所得の増加
ではなく、借金の増加によるものです。
(2)米国世帯が借金の限界を迎えると、消費が減る。店舗で売られて
いる商品は、国内産の食品を除けば、50%以上が輸入品(車、家電、
電子機器、衣料、住関連商品)である。この輸入が減る。
(3)米国への輸出で2桁の経済成長をしている中国の輸出は、減る。
同時に、円安による対米輸出と、中国への三角貿易(部品を中国に輸
出し、中国で組み立てて、米国へ輸出)を行い、国内消費不振の中で、
2000年代の経済を回復させた日本の輸出(80兆円)は中国より減る。
(4)米国の世帯の過剰消費が、借金の過剰から止まると、世界は相当
な期間の、不況に転じる。
以上は、予測が当たったというほどのものでもない。
米国世帯の1300兆円の借金は、利払いと返済ができるはずもないから
です。世帯の可処分所得(約900兆円)の1.4年分を越えているからで
す。
住宅ローンが1000兆円(うちサブライム150兆円、オルトAローン150兆
円:これらに延滞が多い)です。車や家具を含む消費者ローン、そし
て日常の買い物のカードローン300兆円です。合計で1300兆円。全世帯
平均で1300万円の負債です。負債のある世帯は50%くらいですから、
負債のある世帯の平均借金は2600万円と大きい。これはわが国世帯の
2倍です。
株が下落し、住宅価格が下がったので、世帯の過剰な借金は、500兆円
付近でしょう。一世帯当たりで、500万円にもなります。このため、米
国はこれから数年、GDPの70%を占める世帯の消費が減る時代を迎えま
す。
(注)もともと安かった米国の住宅価格は、1930年代から2007年まで、
70年間下がったことはなかったのです。住宅価格の下落は、米国人
の、消費過剰のライフスタイルを変えて行きます。
住宅価格と株価が下がると、「借金の利払いと返済」、そして借り換
えのための「リファイナンス」ができなくなります。そのため、高額
品の消費(車、家具、ファッション)を減らし、基礎的な消費の必需
商品でも、より安いものを選んで買う傾向を、強くします。
米国の世帯(1億軒)は、日本(5000万軒)に比べ、現金・預金は半分
しかない。
資産は、株、住宅、年金基金(多くが401Kの自主運用で株になってい
る)です。株価が40%も下がり、住宅が30%下がると「金融資産」が
なくなってしまうのです。
■2. 2000年代の先進国(10億人)の世帯の実質所得は、増えていな
い。今後も、増えない。
2006年にベストセラーになった『フラット化する世界』でトーマス・
フリードマンが描いているように、21世紀は、中国等の新興国とは「
差異化した商品」が作れない限りは、世界の被雇用者の賃金が、年々、
平準化へ向かう時代になることを受け入れざるを得ません。
現在は、米国月給換算$3200(約30万円)、日本月給30万円レベル、
英国月給換算2200ポンド(34万円)、中国月給2000元(2.8万円)、韓
国280万ウォン(21万円)等です。(注)男女正規雇用分
通貨が投機的に売買される為替相場で、大きく変わりますが、日米欧
の先進国(10億人)は、ほぼ平準化し、その中心が30万円/月くらい
です。先進国では、2000年代の実質増加(物価上昇率のマイナス後)
は、ほとんどない。
ともかく、中国と同じレベルの商品価値の製品では、価格はまだ下がり
続けます。世界が作れない高品質商品でないと、世帯の平均所得も上が
りません。アメリカは無理でも日本だけには、その素質はあります。
(注)車もこれから、平均のものは、低価格化します。
2000年代の米欧では、低金利と過剰マネーによる住宅と株価の上昇が
あって、豊かになったような感じがありました。それが高額品消費を
生んでいた。今「米欧の世帯の、借金苦」を残しています。
世界の商品価格の平準化を促した90年代まではなかった要素は、
1.新興国の工業化、2.インターネットの世界普及、3.運輸費用の下落
の3つです。
【3要素】
(1)90年代からの中国のみならず、BRICsを典型とする世界の新興国
(人口30億人:世界の45%)に、先進国から、ファンド資本と工業技
術が導入された。そのため安価な賃金で、消費財を大量に作る工場が
できた。
複雑な、部品の多い商品の生産が「部品の集積でユニット化」されたた
め、どこで作っても、組み立てが容易に、品質が同質になったのです。
(90年代後期〜2000年代) ICがそれを象徴します。
(2)インターネットで10億台のパソコンが連結され、安価になった国
際電話(携帯電話も国際電話)で、世界がつながった。
あらゆるビジネスが、日を増して世界化した。商品価格は、パソコン
画面で瞬時に比較できる。まだ平均的には少ないとは言え、インター
ネット通販も世界からできる。商品に先がける海外ホテルの予約は、
ほとんどインターネットになっています。
(3)世界の運輸費が安価で容易になり、大量の商品が国境を越え、価
格の安い国から高い国へ短時間で移動するようになった。
世界の商品価格がだれにでも分かるように「透明化」し、企業と個人
を含んで、購買は世界化しています。モノ交易と、人の旅行の世界化
があるのです。そのため、世界の商品価格も、フラット化しています。
日本の工業が、米国のようにほぼ全部、コストの適地生産を求め
「中国化」するのではありませんが、作ったものに、数年で追いつかれ
る状況は続くでしょう。日本も、今後は輸入が超過する国に変わります。
これは、戦後経済の大転換になります。事実として、述べておきます。
経済に関する希望は、根拠のない夢想であれば、経営を誤るからです。
【現象:日本】
例えばわが国では、115万店の小売業の90%以上が売上を減らす中、中
国・アジアから開発輸入する家具とホームファッションのニトリと、
同様のビジネスモデルのカジュアル・ウエアのユニクロが好調です。
食品スーパーでも、各地で、新興のディスカウント型スーパーが好調
です。
ニトリとユニクロは1980年代後期から「世界価格の日本への導入」を
進めている会社の典型です。ずいぶん安くなったとは言え、国内の消
費財物価は、まだ高い。
そのため、店頭から発する、専門店チェーンによる消費財の開発輸入
モデル(SPAとも言う)が、価格の有利さをもたらすことができます。
【現象:米国】
米国では、低価格で売る超大型店のウォルマートが、店舗が売上を減
らす中、ほぼひとり、既存店売上を増やしています。
07年までは、資産価格の高騰から米国にも高級化現象があって、同じ
ディスカウント・ストアでも、デパート系(デイトン・ハドソン)か
ら出発したターゲットのほうが、好まれた時期もありましたが、昨年
秋以降の既存店は[−2%〜−8%]です。
大手小売業で既存店売上を伸ばしているのは、ウォルマート(+3%〜
+5%)と会員制のコストコ(0%〜+5%)のみです。いずれも、低価
格です。百貨店は日本よりもひどく[−10%〜−20%]付近です。ア
ウトドアウエアで人気があった、アバークロンビー&フィッチも、毎
月、既存店の前年比は−20%くらいです。
【現象:世界】
「所得が増えない、あるいは減る」、「優良な顧客にもローンが降り
ない」、「失業率が増える:日本は5%:米国8.9%:ユーロ9.2%)」
ということから、先進国10億人の消費者は、防衛的消費に変わってい
ます。これが一時的か(あと1年で回復)というと、実に残念ですが、
そうでなくて、短くても数年続くという想定をせざるを得ないのです。
その理由は、米国と欧州の、返せない世帯の借金が大きいためです。
[参考:日本の世帯]
総務省のデータでは、日本の世帯の借金は、2人以上の全世帯平均で4
89万円(08年:平均年収637万円)と少ない。負債のある世帯はこのう
ち41%です。
ローン残がある世帯(41%)で、1211万円の負債です。他方、貯蓄高
の平均は1680万円(全世帯平均:08年)で健全です。米国の世帯の負
債は、日本の世帯の、約2倍です。 株の保有も少ないので、株価下落
の影響も少ない。
日本の問題は、戦後ベビーブーマー1000万人(5年間)の先頭が2007年
に60歳を越え、65歳に向かう高齢化です。60歳を越えると70%は再雇
用されますが、賃金は現役時代(約600万円)の半分の300万円に減り、
65歳を越えるとほぼ全員が年金世代(年金額平均200万円)に下がりま
す。
日本は、世界最高の高齢化によって、世帯の平均年収が減る時代に向
かいます。団塊の世代とも言われるこの世代は、1年齢が約200万人と、
他の世代より1.5倍から2倍も人口が多いからです。
他の世代の賃金の上昇があっても、団塊の世代の分が300万円の賃金(
61歳〜64歳)、200万円(65歳以上)の年金と減る分を補えません。
加えて、医療費では
・65歳以下の平均が15万円/人なのに対し、
・65歳を越えると1人当たりで51万円(世帯で102万円)も、医療費(
70%が医療保険から支給)が増えます。(厚生労働省)
以上、(1)60歳以後の所得減少、(2)東名阪の高齢化、(3)65歳か
らの医療費の51万円の増加は、まだあまり指摘されていない事実です
が、すぐそうなるので、前もってお伝えしておきます。こうしたこと
を含んで、長期経営計画を立てる必要があります。
高齢化は「言われてきた」。しかし2008年からは「高齢化本番」を迎
えています。(注)高齢化本番への変化と、経済については、今週、
詳細に、まず有料版で書いて送る予定です。近未来経済は「予習」し
ておく必要があるからです。
以上が、これから10年、ディスカウント・ストアの時代になると言っ
た背景です。
書籍をどう紹介したらいいか、考えたのですが、「はじめに」と「お
わりに」に、要約的な包括記述をしていますので、適切ではないかと
思い、それを、若干の説明的な分をはさんで載せます。書いたのが本
人ですから、引用は自由です。
■3.ザ・プリンシプル:「はじめに」より
【45年後】
45年後は、2054年です。ほぼ確実に、30歳の人は75歳に、40歳なら85
歳になります。資本ゼロから始めるしかない小さな創業から45年後に
、世界ナンバーワンの事業を作ることができるかどうか。
(注)資本になるのは、マネーと知識です。サム・ウォルトンには「
小売業は、こうすれば、うまく行くはずだ」という知識はあっても、
マネー資本はなかった。その知識を、周囲は信頼していなかった。妻
だけが信用した。
27歳から45年で、これを行ったのがサム・ウォルトンです。半世紀先
を見通すことができる人は、どこにもいません。来年も、わからない
。明日すら、実際のところ、どうなるか不明です。「終わった今日と
似たような傾向か」としか言えない。
【唯一確実なことは何か?】
唯一、確実なことであり得るのは、「自分は明日こうする」というこ
とでしかない。経験は、終わった過去であり、歴史です。過去は、確
定していて遡って変更はできない。
しかし人は、昨日までのことを改め、「明日はこうする」と言う(約
束する)ことができる。これが、人に共通に備わる意志でしょう。
未来に向かい、われわれは、おぼろげな予見と、決めたことの実行へ
の意志しかもつことができない。信念と、それに根ざす意志の持ち様
だけが、自由と言われることの正体です。
【原則と基準による経営という方法】
しかし、未来に向かう唯一の方法である意志と目標をもってはいても
、新たに起こる状況や目先のことに紛れ、あるいは忘れ、せっかくの
意志で決めたことを実行しない人が多数でしょう。
人が意志することは、明日へ向かった改善です。破滅や衰亡を意志す
る人は、心を病んだ例外でしょう。ほとんどの人は、よりよき明日を
意志する。善きことに向かうことを、決めることができる。ところが
、明日になれば、実行をしない。
ここに、どんな方法があるのか?
サム・ウォルトンが、彼自身にとっても不確定な未来へ向かった方法
は「判断と行動の原則を作り、決めた基準を達成する」ということで
した。
そして、自分にとって、自分自身を信用に値する人間にするために、
決めたことを守ることでした。「顧客満足」への一層の貢献(他店よ
り貢献)が、顧客を集め、売上を増やし、経費以上の売上から出る利
益を増やすことを知っていた。
毎週、多くの店舗を調べ、そこから導いた成功のための原則(プリン
シプル)と基準(スタンダード)を、黄色いノートにメモする。
その原則と基準を、まず自分が守り(リーダー)、周囲にも、決めた
原則から外れず、仕事を行うように言う(引き寄せる)。
シンプルにした原則を、命令せず、それの顧客満足とのつながりを皆
が理解できるよう話し合って(コミュニケートして)、実行し、
(1)与えた顧客満足の成果を表す売上と売れた商品、
(2)経営の結果である営業利益を見る。
「基準」に達しない不都合なことが起これば、原則に遡って修正し、
新たな原則を加える。
具体的に、そのため小さく考え、実行するこの方法なら、多くの人や
会社に可能でしょう。45年間続けることができるかどうかを別にすれ
ば。
ウォルマートと競争相手を見ていると、企業は競争に負け、退散する
のでなく、自己原因からの自滅をしていることがわかります。自家中
毒と言ってもいい。
多くが、いい方法を継続できず、あるいは改善できず、または改革を
せず、過去の成果に密かに満足し、伸びている会社を非難し、欠点を
探しそれを見つけて安心し、炎が消えるように消えて行きます。
Kマートも、それに漏れなかった。わが国でも第一次流通革新組(大手
5社)のうち3社は、顧客満足を高め続けることができず、自己のコス
トを正当化したことを原因に、消えています。
1945年に、顧客がまばらな田舎に、義父からの借金で、小さなバラエ
ティストア(雑貨店)を作って以来、1990年に世界ナンバーワンにな
り、1992年にガンで亡くなるまで、「原則と達成基準を作り、それに
基づいて仕事を行うこと」を貫いています。
それを行わせたものは、顧客満足を高めることを通じた成功への、持
続する意志でしょう。なぜこの意志が、持続できたのか、確定的に言
えます。
【ビジョンへの情熱】
本文で述べる「決めたビジョンの達成への情熱」が、強かったからで
す。情熱が、起点です。それは、大きな成功の達成という目標に向か
う情熱でした。
そして、自分を、自分自身にとって、信用に値する人間にするという
意志でした。決めたことを守らないなら、(他人は信用しても)自分
を信用できなくなるからです。
彼は1店舗のとき「世界で最良の店を作る」と決めました。方法が(当
時、革新的な概念だった)顧客満足を高めることであると知っていた
からです。
しかし周囲は、実現を、信じるわけもない。例えば今日、わが国の人
口3000人の過疎めいた町で、「自分は世界最高の店を作ることを行う
。」とだれかが言ったとき、周囲は、言葉(概念)でしか語れないそ
の未来を、信じるでしょうか。
最良の店は、最大の店舗ということではない。顧客満足において、商
圏となった地域で、店舗を出した州で、そして全米でベストの店とい
うことでした。
こうした段階と順序を経るなら、多くの人に、可能かも知れません。
顧客満足で最良の店舗を作り、それを各地に広げる。これが、正当な
意味でのチェーン・ストアです。
【最良には改善が必要】
しかし、最良は、他との比較で、言えることです。
自店を取り巻く競争環境と、顧客満足の内容は、新しく、優れた、よ
く売って利益率が高い店ができる度に、高度になり、変わって行きま
す。昨日の最良は、明日のベストを、保証しません。出店の地域が広
がれば、一層、強い競争相手が増えます。
変化する中で最良を求めることは、競争環境の中で、一層の高みに上
るための改善と改革を、実行することでもあります。
改善と改革は、過去の成果に自己満足したことへの、苦痛を伴う変更
を強いるものでもあります。トップマネジメントの自己満足の水準と
達成基準が低ければ、企業の成長も、そこで終わります。
【欠点の克服】
サム・ウォルトンだけは、比類なく未来への意志が強かったのか。お
そらくそうではない。彼自身は「より高い基準の達成に向かい、構え
た情熱の強さによって、自分の欠点を克服できたように思う。」と言
っています。だれにでも欠点はある。肝心なのは、それを、どういう
方法で克服するかでしょう。
希望は、自身が、未来に向かう言葉で描くものです。
与えられるものではない。
根底的なところを言えば、「成果目標を決め、その目標の達成に向か
い、大きな情熱をもって仕事を実行し、自分で決めた目標の達成に喜
びを感じ、他の人が実行できるよう原則を作り、目的を達成する方法
を作って、次の達成目標を高くし続けた」ということにあるように思
えます。
*
本書の原則は、机上でまとめたものでは、ありません。すべてに、実
行の裏付けと、結果としての成功があります。
(同時代人の)ドラッカーが方法として提唱した、成果目標の達成度
による管理(マネジメント)は、サム・ウォルトンが目標を掲げ、実
行したことでもあるのです。
【真実になることはシンプル】
サム・ウォルトンが作った原則には、経営学者が調べて書くような、
複雑で、実行が難しいものはない。自身が先頭に立ち、それを実行し
たリーダーだったからです。(注)リーダーは先行して実行し、周囲
を導く人を言います。多くの人が、仕事に当たり守ることができるシ
ンプルなものばかりです。
100の原則には、彼が実際に行った店舗経営から読み取り、筆者が言語
化した原則も含んでいます。「原則による経営を行う」とは彼自身が
言っていることでもあり、実際の経営から、原則が見えるのです。小
売業は、予備知識をもって店舗を、注意深く、他と比較しながら観察
すれば、すべてがわかります。
【書く姿勢】
本書は、ウォルマートの歴史や、過去を振り返る評論ではありません
。サム・ウォルトンの主観に、可能な限りのイマジネーションで寄り
添い、言い換えればサム・ウォルトンの目によって、明日に向かう不
確定な外部世界と自分の事業を見るという姿勢をとり、書いています
。
不確定な未来に向かう目標作りと、原則を作って実行し、成果目標と
自らが決めた基準を、希有(けう)に達成し続けた意志の、45年間の
物語りです。
サム・ウォルトンが目標としたことにこそ、大切なことがあります。
欠点を探す視点は、採りません。相手の欠点を見ることは、サム・ウ
ォルトンも言うよう、有効な意味をもたらさない自己肯定でしかない
からです。
ジャーナリズムは、多くの場合、記事の対象としたことの欠点を、問
題にします。いわば、短所に興味をもち、失敗に焦点を当てます。自
分は正しいとして・・・その根底の理由は、ジャーナリズムの機能が
、政治権力と行政のエスタブリッシュメント、あるいは仕事の達成度
が高かった有名人が行ったことの非難だからです。
権力が志向するのは、自己利益と権益であって、顧客満足ではないか
らでしょう。三面記事として犯罪を取り上げるのも、非難からです。
普通は、他人の不幸のほうが、幸福より面白いから・・・
(注)確かに、政治権力や行政には、違法、倫理の堕落、自己権益(
権力による組織の拡張)を含め、非難すべき点が多い。
【経営体の内部構造】
本書の理解の助けになることは、以下です。
経営体の内部構造は、
(1)達成目標(ビジョン)、
(2)価値観(バリュー)、
(3)戦略(目標を達成する方法)、
(4)その戦略を実行する現場の仕事(オペレーションあるいはワーク
)から構成されるべきものだということです。
写真に写すことができる建物、設備、商品、組織・人は、事業の外見
です。サム・ウォルトンが作った事業では、社員のあらゆる部署の仕
事は、事務や配送ですら最終目的としての顧客満足に仕えるべきもの
とした。
仕事(ワーク)を、原義から言えば、「**に仕えること」です。一
体、何に仕えるのか? ここが肝心でしょう。仕えることができた対
価が、マネーです。
【階層1:ビジョンあるいは目標】
最上階の階層には「ビジョン(達成目標)」が来ます。顧客にとって
、どういう会社になりたいのか、何の提供を目指すのかということで
す。
顧客に、どんな、他と違う有用な価値を提供するのか(価値の差異化
)ということでもあります。あなたの会社が、顧客に、どんな、他と
違う価値を提供するのかということです。その価値の提供によって、
会社が目指すビジョンが達成されます。
価値とは、顧客にとっての商品の効用であり便益です。その価値を、
他より低い顧客の負担(売価)で提供できたとき、大きな成長がもた
らされます。本書では原則としてまとめたサム・ウォルトンのビジョ
ンは、クリアです。
【階層2:価値観あるいは原則】
次の階層は、価値観です。価値観は、幹部と社員のものの見方と判断
、そして仕事で守るべきルールでもあります。経営で言えば、何を他
より大切なこととして、仕事の中で守って行くかということです。
この価値観を、経営の原則としてまとめたのがサム・ウォルトンです
。彼は、自身と幹部および社員が、仕事において追求すべき目的、お
よび仕事に当たって守るべきことを、原則として遺しています。
本書では、その原則の由来、理由、そして、他のどこよりもすばらし
い成果を生んだ実際の展開(オペレーション)を見てゆきます。
【階層3:戦略あるいは方法】
この価値観から導かれ、ビジョン(成果目標)を達成するための方法
となるのが「戦略」です。戦略とは、成果目標を達成するために最適
な方法を言います。その全体が、経営戦略です。
小売業なら、店舗戦略、部門と商品構成、商品の調達戦略、価格戦略
、プロモーション戦略等が来るでしょう。戦略は、成果における成功
を収めるためのものです。上記のビジョン、価値観とも、密接に関連
します。戦略は手段です。
小売・製造・卸を含むあらゆる業種に共通するのは3項、
(1)コストの競争戦略((注)マイケル・ポーター風)
(2)商品の価値の差異化戦略((注)ブルー・オーシャン風)、
(3)仕事を効率化する内部業務戦略((注)多くは情報システム化)
でしょう。
ビジョン(企業が目標とした状態:成果)を達成するために、
・商品の競争戦略では何を行うか、
・商品とサービスの価値の差異化戦略においては何を実行するのか、
・そして仕事を効率化し、社員の生産性を高めるためには、内部業務
をどんな方で実行するのかということです。
100の原則には、ウォルマートの基幹となった戦略を含んでいます。
【階層4:現場のオペレーション】
それらの戦略を実行する現場の仕事の手順と方法が、オペレーション
です。
描いた戦略は、各部署の現場社員の、仕事の方法と手順にまでブレー
クダウンされねば有効ではありません。
その社員の仕事の実行を管理し、部門で目標とする成果をあげるよう
に結ぶものが、マネジャーが行うマネジメントです。オペレーション
における方法も、サム・ウォルトンは原則化しています。
なお巻末の年表には、ウォルマートの業績と、販売、物流、ITを含む
技術の歴史をまとめています。
本文を読みながら、その年度の、いずれも世界に先駆けた技術利用を
参照すれば、具体的な映像が浮かぶはずです。ウォルマートは、商品
流通と小売の技術において、他より先行した会社でもあります。
以上、5つの観点から、100原則を見てゆけば、理解が深まると思いま
す。顧客が少ない商圏に、小さな1店舗しかないと想定し、そのただ中
に、読者の方々と一緒に、入って行きましょう。
■4.「おわりに」より
【準恐慌】
2008年9月の金融危機以降、米国も日本も、準恐慌状態と言える不況で
す。
ディスカウント・ストアの同業を含め、他の小売り業が、軒並み売上
を減らし、営業利益で赤字に陥る中、ウォルマートは既存店の売上も
伸ばし、高い営業利益を上げて、その利益を投資し、成長を続けてい
ます。
根底での理由は、今もサム・ウォルトンが決めた原則をはずさずに守
って、仕事が行われているからでしょう。
(注)資本買収で行った海外事業では、わが国におけるようなはかば
かしくない業績のものも見られます。理由は、買収した店舗の立地、
店舗規模、商品仕入れと物流、そして企業文化の不整合によるもので
す。日米の商品に対する文化性と趣向の違いという問題もあります。
【60年間の成長の継続という驚異】
一時的にあるいは数年間、幸運な時流に乗り、あるいは需要の成長分
野で、売上と営業利益を伸ばす会社は、数多くあります。
しかし、創業以来60年、一度も、全体業績(売上と営業利益)を低下
させた年がないどころか、世界最大の売上規模になった後でも低くと
も10%、高い年度は30%と伸ばし続けた会社は、歴史上、ウォルマー
トだけです。
これは、サム・ウォルトンが原則化した方法が、
(1)「普遍」に至り、
(2)シンプルさに至っているため実行が可能で、
(3)本質に迫っているため多くの人の共感を得るからだと思えます。
原則への共感が、他の人の実行を誘うものです。
1.ビジョン(事業目標;達成の基準;達成後の状態)
2.価値観(経営と仕事で大切に守るべき原則)
3.目標と基準の達成のための戦略(方法)
4.オペレーション(戦略を現場作業の手順・方法・働き方にしたもの
)
今、その方法(オペレーション)は高度化し、物流と店舗作業はシス
テム化され、規模は巨大になって、精緻になっています。方法に精緻
さと完全さが加わらねば、巨大になることができません。
現場の商品作業や物流作業の、事業目的にそぐわない10分の無駄も、
300万人の社員なら3000万分(50万時間)であり、コストでは10億円分
の無駄(利益の減少または売価に上昇)になるからです。
現在の37兆円($1=100円換算)の売上に対して言えば、1%の狂いや
コストの無駄が、3700億円にもなるからです。
【売上規模と方法の精緻さ】
売上規模が大きくなると、方法の精緻化と、事前計画化が必要です。
いや、原因と結果で言えば、方法が精緻化し、事前計画化ができるよ
うになるから、事業規模も大きくなりえます。
商品を仕入れるときも、1アイテムで、5000店用の10万個、20万個、3
0万個の量となると、3ヶ月前に予約(=調達の計画化)をしないと、
工場も生産できないのです。CPFR(ベンダーとの協働商品計画・予測
・棚補充)と言われる技術がこれです。
後に、これらの方法を生む元になったものは、サム・ウォルトンのメ
モが元になった原則に遡ることができます。本書では、それらに立ち
入り、100項にまとめ、具体的に内容を見ています。
【学習】
ここ約30年、1年4回くらい、合計では約120回、米国の流通業視察の度
に、ウォルマートを訪問しています。一回も欠かすことなく、ウォル
マートの店舗を観察して棚の商品コード内容を調べ、毎年の詳細なア
ニュアルリポートも、店舗現場の観察結果と照らし合わせて読んでき
ました。小売業は店舗現場に、すべてが現れるからです。レジに立て
ば、顧客が何を、どんな目的で買っているか見えます。
観察を続けることができたのは、ウォルマートに進歩と発展があり、
毎回、面白かったからです。(注)商品には、日本人には合わないも
のも多い。アメリカ人の生活に合っているからです。
陳列棚(ゴンドラ)を見て、前回見えなかったことが、次回は見えた
、なぜこうするのか、その方法と意味がわかったというような、発見
の連続でした。
ところが商品だけを見て、自分には合わないと言う人も多い。原因は
、方法が見えていないからです。そして、顧客が見えていないからで
す。大切なのは、顧客と方法を見ることです。
(注)商品には、国の文化(集団で共有する価値観)が反映します。
例えば、ウォルマートの、ファッションの原色カラーはきつく、日本
人には合わないものが実に多い。ファッションのLMSのサイズ基準、食
品の大きな容量、好まれるパッケージデザインは、国で大きく異なり
ます。逆に、日本人の趣向に合うものでも、米国では好まれないもの
も多い。
ウォルマートに関し、雑誌や論文に書いた論考は、相当数にのぼりま
す。講演も多い。100%の理解に至ったかと問われれば、自信は揺らぎ
ますが、経験を経るに従い、日増しにサム・ウォルトンは正しいこと
を言っているという確信が、強くなっています。
小売業、物流、組織マネジメント、商品のマーチャンダイジング、情
報システムの研究の中心に、いつもウォルマートがあり、それとの比
較で、他を見てきたと言えます。ウォルマートは、私にとっても羅針
盤の役割を、果たしてくれました。
【生き方にも】
サム・ウォルトンなら、この局面で、こう考え、こんな方法をとった
に違いないという想像が、自分の、生き方までを含む判断基準になっ
たことも多い。
【実証】
ある小売業では、経営と商品戦略のコンサルタントとして、サム・ウ
ォルトンが初期に実践した原則に、応用を加え、実験的な試行も行っ
ています。その売上増加と利益における成果は、すばらしかった。は
っきりと言えます。「ウォルマートの原則と方法は成功を導く。」
その地域で買う顧客の満足が、他より、あるいはその店舗の去年より
高まらねば、既存店売上と利益の、継続的な伸びはないからです。そ
の顧客満足を、他店より高める方法を作れば、現在のように、小売業
の既存店が売上を大きく減らす中で、売上は増えます。
「サム・ウォルトンの原則、基準、方法は、他の小売業が真似て実行
すれば、成功する。ただし、原則の本筋をはずさないこと。そして局
面・状況・環境は、各々の小売業で異なるので、原則から導いた若干
の応用が必要であること。」
願いは、サム・ウォルトンの原則と方法を引き継ぎ、これから、ビジ
ネスを大きく成功させる人が、この国に現れることです。
親から引き継いだマネー資本がないことから始めたサム・ウォルトン
を想えば、1店舗あれば、可能なことです。社員としての立場から読ん
でも、戦略の起案と実行に、役立つでしょう。
小売業(115万店:従業者800万人:商業統計)に限らず、製造業(14
万事業所:従業者778万人:工業統計)、卸売業(27万事業所:従業者
336万人)、そして、外食産業、サービス業においても、100項の、普
遍的と思える原則は、業種に合わせ対象を変え、応用すれば、有効に
活きるはずです。そのまま、わが社の仕事の原則にすらできるでしょ
う。
「私たちのものの見方(価値観と原則)は、これから10年、そして次
の世紀には正当に評価されるようになると信じている。世界で成功す
るビジネスは、ウォルマートが常に目指してきたことを、実践するよ
うになる。」と予言しているのは、他ならぬサム・ウォルトンです。
現在の経済における環境と人々の気分は、サム・ウォルトンが育った
大不況の時代に近接し、類似します。(以上で終わり)
【後記】
まだ、掲載されたばかりのようですが、アマゾンにも載っています。
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興味のある方は、ザ・プリンシプルまたは吉田繁治で、検索してみて
ください。大手書店での発売は、先週末からと聞いています。
7月16日に、気恥ずかしいのですが、出版記念セミナー&パーティを、
東京のホテルで開催することになりました。追って、案内を送ります
。
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る情報価値をe-Mailでお届けする」ことを趣旨に、ビジネスの成功原
則、経済、金融等のテーマを原理からまとめ、明快に解き、週1回お届
けしています。最近号の、一部の、目次は以下です。
以下はここ1ヶ月の分の、目次です。金融・経済論について、本質的な
ところを追求したものです。
<436号:ゴールドの動きとミラノでの奇妙な事件>
2009年6月18日号
1.金価格の上昇原因とその予想
2.2009年のゴールドをめぐる変化
3.中国の国債買いが、ドル価値の鍵とは言うが・・・
4.対米輸出国は、米ドルが基軸通貨であるのは変だと言い始めた
5.(余計なことですが)奇妙な事件の、推理小説風の謎解き
6.日本政府への再びの提言
7.基軸通貨は、安易な赤字から、長期トレンドで下落を続ける
<435号:中央銀行の国債買いへの、市場の認識変更>
2009年6月10日分
【目次】
1.世界金融危機の行く末は、単純に、予測できる
2.金融機関によるリスクの高い投資が、リスク・フリーとされた
3.金融機関の高いレバレッジ率は、CDS(債務保証保険)が前提だ
った
4.金融資産(=金融負債)が膨らんだままを続ける
5.日米の政府部門の巨額負債
6.日米欧の国債は、一体どんな金融資産か?
7.国債の資産性への疑念
8.経済危機が迫っている英国
<434号:経済の底打ち論の背景は、
米国がドル債を売り逃げたいから>
2009年6月3日分
【目次】
1.GMの破産処理が長引いた理由:経済マスコミが言わないこと
2.そのための準備
3.IMFが09年2月に試算した、G20での必要な政府資金をマスク
4.国際不均衡が生む矛盾
5.注目は、09年6月のドルの長期金利
6.米国の住宅価格指数;住宅証券;ローン金利
7.不良証券は、政府と中央銀行に集まる構造
8.日米欧の、マネーの水割り度
<433号:経済と金融の、本当のところは、どうなのか?>
2009年5月27日分
【目次】
1.『09年3月9日を底に、世界の株価が30%くらい、上がっています。
今後も、上がるのでしょうか?』
2.『日本の景気は、秋には回復するのでしょうか?』
3.『世界の政府財政における大判振る舞い(500兆円:世界GDPの10%
)から、通貨膨張によるインフレが懸念されるとも言
われます。物価が上がるインフレに、向かうのでしょうか?』
4.資料:米国の対外負債と対外資産
5.『米国政府は、新通貨のアメロを準備しているという噂が、聞こえ
ます。本当に、それがあるのでしょうか?』
6.『世界のハイパー・インフレは、あるのでしょうか?』
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